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タケモトカツヒコさん のコメント

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タケモトカツヒコ
感覚の各要素に関する感情の情報、これなくしては総合的、全体的な認識は叶わないという現実。このことについては未だ広く知られているとは言えず、また生体と脳を直結させて研究する(研究成果を生体へ活かす)我々のような立場の人間でも、背後に哲学的素地がないことには、抽象化を司ることがすなわち、各人の認識を左右するという発想にはなりにくい面があります。海馬の書籍で有名な池谷氏は薬学部です。我々薬剤師も特定の物質を、脳の命令を理解し、利用することで薬理作用を狙った部位において発現させることが求められます。それを使うかどうか、倫理面を担う、また外科的処置を担うのが医師です。ただ何事も深く実証されたものでないと現場では使えません。そして実証するためには四方八方打ちまくることでもいけません。そこに先立った目標、可能性が高いと思われる仮説設計、そして実験結果を正しく認識することが求められます。近年経済的利益を求めるばかり、そうした感情情報から総合化された薬剤が、十分な効果を発揮しないにもかかわらず、広く流通し問題となることがありました。我々は実証結果が感情なくして総合化できないこと、スタート地点の感情的目標がおかしければ完成した成果も倫理的におかしいことを事前に理解していなくてはなりません。文系に分類される哲学学習を概論のみでも医療を目指す人間にも行って欲しいと、または自発的に学んで欲しいと願っています。
No.1
136ヶ月前
このコメントは以下の記事についています
【15】【美味しいウイスキーとは何か?-6】【認識と哲学】 【テイスティングノートの構築-2つづき】 7/18 20:45 追記修正 これまで、対象となる物事を余すところなく認識するということは可能なのかどうか、またその過程において壁となる「客観認識問題」と「自他問題」について、哲学史を簡単にですが俯瞰することで認識論の変遷を知ろうとしたり、加えてそれを克服する手段としての「集合知」について、その考え方をご紹介いたしました。   さて、この認識論もそろそろクライマックスです。    
タケモトカツヒコのウイスキーブロマガ
東洋経済新聞社より刊行される、ウイスキーについての書籍原稿(草稿)を熱心なユーザー向けに執筆直後に公開し、意見・感想を収拾。よりよい書籍を目指したいと願っています。加えて市場動向チェック、まだ買えるニューリリース期待値、オールドボトル発掘状況など人数が制限されているからこそ出来ることを積極的に盛り込んでいこうと思います。