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【小ネタ】Q&A集 熟成のメカニズムとクラスターモデルほか
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【小ネタ】Q&A集 熟成のメカニズムとクラスターモデルほか

2014-06-06 15:30
    ウイスキーの保管方法ほか→

    自分は分離した刺々しいアルコールが苦手なので、ある程度その辺りが丸くなってくれるまで積極的にびん詰から時間をおきます。自分にとって余計なのはその融合しない刺々しいアルコールのみですので、開栓前は13度の倉庫においてあります。積極的に中身を変化させたいと思えば日光を避けて温度変化に晒すといいと思いますし、そうでなければ同じく日光は避けて低温一定に置くほうがいいと思います。開栓してしまったものは小瓶に満タンに詰めることも一考です。あんまり冷やすとそれはそれでオリを生んだりするので、温度調節可能なら10度以上の野菜室とかいいかもしれません。あとボトリングしてすぐ飲まないのはどうというような誤解があるようですが、ブランデーにおいてもワインにおいても、ボンボン保管や瓶熟にあたる過程を、ウイスキーにおいても経ることで、素晴らしくなることがあります。。。というよりも、そうなる方が多いと申し上げたほうがいいかなと。1970年代、ウイスキー不況前までは「マリッジ」といえばヴァッティングしてからの「後熟」過程を意味していましたし、そのマリッジは半年以上行われることが標準でした。ニッカもそうしてました。ですが80年代以降それがおざなりになったわけです。樽内ではないですがせめてそのくらいの効果を瓶詰め後期待することは、決して無意味ではないはずです。

    (文中の誤解とは、ウイスキーは詰めたら、リリースされたらすぐに飲めばいいのに、開けずに置いておいておくのは転売目的か?とウイスキーの保管方法を質問した方に辛辣な指摘があったことを受けて)


    最近の現行は美味しくなっている→

    自分は分離した刺々しいアルコールが苦手なので、ある程度その辺りが丸くなったウイスキーのほうが好きですが、デュワーズとか中には近年いいものもありますね。ただ、間違いないのはサントリーは平成以降のほうが良いもの多いですね。中身が全然違います。サングレインのせいなのか、他のもののせいなのか。昔はプレジデントチョイスでも独特なアルコール分をはっきり感じますし。今考えるとくりりんさんに飲ませてもらった白札はモルト+芋原料のアルコールだったのかなと。それは結構良かったです。ただプレジデント含めてそれ以降は瓶内変化を経ても分離し続ける反応性に乏しい添加アルコールがありました。平成から比率が変わったかなにかがあったんじゃないかと。本題と主旨がずれますけど。

    そうでした。平成からの違いというのはちょうど1989年の消費税導入と酒関税、酒税法改定にからんで中性アルコール(95%以上)の使用がし辛くなったのがきっかけなのかなと睨んでます。中性アルコールだと無臭で原材料は食用ならなんでもいいということになっちゃいますが、度数が下がるごとに、そして単スティル生産のグレーンだと70%程度で味がわかってしまうということで、コストも原料にもこだわらざるを得なくなったのかなと。一説に協和発酵がキリンに囲われて、モラセスの中性アルコール、国内生産分を買うことが割高感が出て、中性アルコールを輸入し、活性炭等々でさらに雑分を取り除くようになったという話があります。それが白州の竹炭ろ過にも繋がっていると。この辺りは今調査中なのでまた詳しくご報告します。


    サントリーが熟成のメカニズムを把握していると発言している→

    サントリーがおっしゃる熟成のメカニズムというのは、きっとクラスターの話というのか、クラスターモデルを根拠にしてるんだとおもうんですよ。ただ、NMRも不十分で測定機器が伴わず、まだ表に出せない仮説ということになってしまってるものと。。。2000年ごろからナノテク産業が発達して注目されたんですが、エタノールを水が籠のように取りかこむことで、刺激を和らげる(熟成感)。水クラスターは出来るだけ小さいほうが飲んで美味しい、なので微振動がブラウン運動等を促進する(クラシックや楽器演奏を聞かせると熟成が早いも一理あることになる)とか、エタノール水溶液では(エタノールの)モル分率0.2程度が一番粘性が高いなど、従来の経験則が根拠づけられる仮説であるので、あとは測定機器の発達を期待したいところなんですよね。ただそう、この説による熟成って必ずしも樽は必要なくて成分の混合でも可能ってことになっちゃうんですw ディアジオが近隣住民の迷惑になるから2015年からスコッチじゃないですが樽熟しないって報道されてましたが、樽成分を抽出混合して、工業的に熟成させちゃうんだと仮にそういう宣言だと読むと、いよいよかなと思えますね。違和感でなきゃいいですが。


    ハイボールとクラスターモデル→

    あれこれすみません。本題のハイボールの件をこのクラスター仮説で言うなら、ハイボール作る前にこれでもかとステアするバーテンダーさんがいますが、原酒を活かすという観点からだとエタノールを水で囲む構造、熟成からせっかく得られたクラスター構造をわざわざ壊すので、問題ありということになりますね。元を活かすんではなく作り変える観点ならもちろんおkです。あと大阪に持って行ったサマバンクも振動と気圧でこの構造が壊れてしまい、イマイチだった。しばらく放置後にまた状態が回復したということもこの仮説で理解が進むなと。
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