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山田玲司のヤングサンデー 第187号 2018/5/21

「論破」をすると不幸が広がる

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世の中には「理屈人間」という人達がいる。


おそらくは僕もその1人だと思うけど、この「理屈人間」には面倒な人が多い。


おまけに「自分は論理的思考で理性主義者だ」みたいに思っている割に感情的になる人も多い。


もちろん「私は感情のまま生きているの!」みたいな人も面倒ではあるけど、少なくとも「議論」という戦いにはならない。


ところが「感情的になる理屈人間」というタイプは扱いが大変だ。



何しろ「お前は間違っている」から始まって「すみませんでした、あなたが正しいです」と言わせることがゴール、という設定で挑んでくるもんだから、もはや「対話」ではなく「対決」だ。


そういうタイプの人にとって「論破」は勝利であり、目的だ。



僕はこういう「勝ち負けの議論」が苦手だ。


途中で「なるほど、そういう考えもあるのか」なんて思っても、負けるわけにはいかないから、とにかく相手を全面否定して、自分の論理に多少の「穴」がある事に気づいてもお構いなしに「間違っているのはお前だ!」なんてやるのだ。


最終的に負けてあげないと「終わらない人」なんかも多い。

それで「俺たち分かり合えたな」なんてなればいいけど、そんな事を言うのは大概「勝った理屈人間」だ。


負かされた人が「そうだね」とか「勉強になりました」なんて言ってても、後味は悪い。


パワフルな理屈人間との議論は、結局誰かが「負けてあげないと」終わらない事が多い。


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【論破された人の気持ち】


僕もかつてはそんな事をしがちだった。

特に付き合っている彼女との間ではそれが多発していた。

「僕は正しい議論」を彼女に向かってやるのだ。


そして彼女を論破しては「女は感情で生きているから何もわかってない」とか思っていたのだから、本当にバカだ。


ところが、その時「理屈で勝った」からと言って、その後2人が幸せになるかと言えば、そんな事はない。


議論で勝つために「相手の気持ち」やら「そういう考えに至った経緯」なんかを無視して、自分が信じ込んでいる理論で畳み掛けるものだから、相手にとっては「理屈はわかるけど、何かムカつく」となる。


そんなこんなで議論は終わり、2人の間は「嫌な空気」になる。

そこでいくら「だから女は・・」なんて言っても、幸せにはなれない。


そもそも人間関係に「正しさ」は大して重要じゃないのだ。


お互いの「考え」を並べて2人で「最善の策」を探すなら、その先に「幸せ」があるかもしれない。


相手を「論破」するのでは「幸せ」にはなれないのだ。


どんなに自分が正しくても。


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【機動隊の気持ち】