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山田玲司のヤングサンデー 第360号 2021/9/20

神様はどこだ?

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ホモサピエンス(人間)が絶滅しなかったのは「ファンタジー」を共有できたからだ、と思想家のノア・ハラリは言っていた。


「神」という、見えない概念をみんなで「いること」にしたおかげで社会は繋がり協力して生き延びた、みたいな話だと思う。


「偉大なる神」がいると、その他の人達は「凡人」でいられる。


「俺もお前も『ただの人』だから一緒に頑張ろう」なんて感じになれる。


どうにもならない事が人生に起きた時「この世には神様がいて、我々にはどうにもならない問題を解決してくれる」と思えればなんとかやっていける。

いや、そうしないと「もたない事」が多すぎるのが人生だ。



【漫画家と神様】


前にディスカバリーレイジチャンネルでやっておりますが、漫画家には「神様好き」がやたらと多い。


どんなに自分が「いい漫画」を描いたと思っても人気が出るかどうかはわからない。

やればやるほど「運」に支配されているのを感じて、どうにもできなくなって神社やらパワースポットなんかに通い出すのだ。


そういうのを僕もやるので気持ちはわかる。

中には「専門の霊媒師」なんかに頼る人達もいる。


凄腕の人気漫画家でも皆似たようなものなので、それだけ漫画家という仕事はプレッシャーが強いという事だろう。



【神様だらけ】


そんなわけで旅行なんかに行く度に「神様(仏像など)」を買ってくるもんだから仕事場には「神様」が溢れている。

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僕は八百万の神を信じているし、何しろ「神仏習合」の日本人なので節操がないのだ。


その上友人やアシスタントや担当編集者まで「神様」を買ってきてくれるもんだからもうありがたく「神々」に囲まれて生きることにしている。


そして「ご先祖さま」の写真に手を合わせる。


何しろ「自分の努力」ではどうにもならない事が多すぎるのだ。


生きれば生きるほど「自分は何かに守られているのだ」と思うようになる。


そんなわけで僕は世界中の神様と暮らしている。



【顔のない仏像】


神社仏閣巡りをしていると、何度も「顔が破壊された仏像」に出会う。