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山田玲司のヤングサンデー 第369号 2021/11/22

「個性的な作風の人」には「嫌な奴」が多い?

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【クリエイター人生相談】


今週のヤンサンは「クリエイター人生相談」の回でした。

思った以上に盛り上がったのと、当人以外の人にも参考になる話も多かったので良かったです。


その最後に、我らが加藤オズワルド先生(画業25年)が登場。「自分の型」が欲しい、という話をしてくれました。



【自分の型】


「この人らしい絵柄」とか「表現方法」などは確かにあります。

そういう「自分流」というものが欲しいとのことでした。


僕から見ればオズの絵は「オズワルド流」でしかなく、むしろ誰かの絵を見て「まるでオズの絵みたいだな」と思う事があるくらいなので、意外な話でした。


ところがよく聞いてみると、どうもオズはクライアントの注文に合わせていく仕事が多い中で「これが自分だ!」という絵を掴めないでいる、と言っているのではないか?という感じもしてきた。



【個性的な絵の人は嫌な奴?】


漫画業界では時々「とんでもなく個性的な絵」を描く人が時々現れる。

そしてそういうタイプの人はたいてい癖の強い人柄である事が多いらしい。


確かに「世間なんか知らねえ、俺はこう描く」という強さがないと「個性的な絵」を描くのは難しい。


なので僕が知る「個性的な絵の漫画家」の何人かは、自分中心で嫌われていると聞いてきた。


個人的に僕は「癖のあるヤツ」が好きなので、嫌なヤツとは思わないのだけど、自分中心の生き方をしている人には敵も多いだろう。


逆に言えばそれだけの覚悟と強さがあるから得られた「個性的な絵柄」なのかもしれない。


相手の気持ちを考えるタイプの「いい人」ほど個性的な絵を描くのが難しいのかもしれない。

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【いい人の中の『悪い人』】


この話になると大抵「いい人をやっている人の心の中にだって『悪い人』はいるよね」という話になる。


ここで言う「悪い人」とは「本当の自分」という事だ。


「自分」というものの中には「みんなが求めている部分」もあるけれど「これは好きじゃない」といわれそうなものもある。


言い方を変えると、自分の中に「ヤバいやつ」がいるはずなのだ。


個性的な表現をする人達は、そんな「ヤバいやつ」を開放しているのだと思う。



【2つ描く】


そんなわけで「人のために描くのか」「自分のために描くのか」というのが絵を描く人達の定番の悩みで、そういう時は「自分のため」に寄った作品と「人のため」に寄った作品の両方を描けばいいと思う。


時に「人のため作品」はあざとく見えたり「自分のため作品」が他者を救ったりするので、ここは描いてみないとわからないのだ。


制作過程はともかく「出来のいい方」を観る人にプレゼントすればいいのだ。



この話は「エンタメ対アート」の話でもあり「アート対デザイン」という言い方もしてきた定番の話。



【その先】