Rage Against The Zombie
❶
2023年一月。
2023年が幕を開け私の胸の鼓動は高鳴っていた。
トゥンク…
胸の高鳴りの原因は約30年ぶりに海外旅行へうるさくてウザいヤンサンメンバーと行けるから。笑。
それだけではない…
韓国の美術館にてなんと世界的アーティストの村上隆さんにお会いできることになりそうだ…と。
トゥンク…
2023年はスタートからスーパートゥンクな状態だった。
しかし…
それと同時にドキドキワクワク以上の感情も心に同居していた。
それは…
不安…
なにが不安なのか。
それは…
自分が村上さんとちゃんと会話ができるのか?という不安だった。
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実はヤンサンに参加してから自分の中に生まれたネガティブな意識がある。
それは放送に参加されるゲストアーティストとの会話への苦手意識だ。
なぜ苦手意識があるかと言うと…
そもそも自分が映画、漫画、アニメ、ファッションなどのカルチャーに全然詳しくないことと、自分はカリスマではないただの普通の美容師だから…
自分の会話は話題や深みに乏しく、そんな自分が話してもきっとつまんないだろうし、カルチャーに対してなんの知識もない自分になんて相手はそもそも興味ないはず……
ぐわわぁ〜〜あびぁ〜〜
『ぼっち・ざ・ろっく!』のぼっちちゃんのような強力なネガティブシンキングが発動してしまうのだ。
自分は何もないペラペラ、キングオブ普通だからこそその世界で突出してる人(活躍してる人)へ強烈なコンプレックスがある。
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しかし不思議なことに…
美容の仕事で目上の方や、アーティストの方を担当する場合はそのコンプレックスは弱くなる。自分はプロとして技術提供してるという意識と自信がそのコンプレックスを弱めてくれるように思う。
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❷
というわけで…
放送ではギャグで「僕は地蔵でぇす!」なんていってますが、アーティストさんがゲストでいらっしゃる際、本番前の打ち合わせでの会話はほぼ他人任せで自分からはほぼ発言しない……
どうせオイラの発言なんて普通でつまんないからね…
ウンウン……
しかも今は番組はリモート参加で完全に存在が無になれるからもはや地蔵ですらない。
ふと思う…
このコミュニケーションを放棄した思考状態ってよく考えてみると…
これって……
ぼっちではなく…
生きてるけど死んでるような状態。
……リビングデッド。
そうゾンビである。
8年間ずっとゾンビでい続け、9年目の今も相変わらず安定のゾンビ……
自分がゾンビだったと気づいてゾンビコンテンツが好きな理由にガッテンがいった。
仲間達を見てる視点だったからか…笑。
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ちなみに…今回の村上隆さんの展示で一番ずっとみていた作品は等身大の村上さんが超リアルなゾンビになった作品。
その作品を見ながらいろんなことを想像して楽しんでいた。「あのポーズはドラゴンボールでピッコロが悟飯を庇って死んだポーズの影響受けてるのかな?笑」なんてことをノゾムとやいのやいの話し、村上さんに確認したらそれは違うとのことでした。笑
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❸
話をもどしまして…
今回の韓国旅にはセンセはいないけど、博識な久世とノゾムがいるから村上さんとの会話は大丈夫。
でも…
でも…
もしかしたら…
村上さんと2人になることがあるかもしれない……
もしそうなったら…
いきなり外人と英語でコミュニケーションをとらないといけない時のような…
文法あってるのかな?みたいな正解をさがしながらする会話のようにぎこちなくなってしまい、友達と話すときのような流れるような会話ができない。
うわぁーー
どうしよう……
絶対あかん…
再びぼっちちゃんのネガティブスパイラル思考に覆われてしまった。
でも、やるしかない…….
自分のくだらないトークから気まずい沈黙になり、村上さんの楽しい気分に水を差すわけにはいかない。
お忙しい中せっかくヤンサンメンバーと会っていただける機会を作っていただいたのに…
なんとかするしかない…
なので、
きめたよ……
今までスルーしてきたけど…
ゾンビを卒業する。
ゾンビであることに「エヘヘ…ぼくつまんないやつなんです…だからしゃべりまへーん。」と笑ってごまかしつづけた不甲斐ない自分へ、
怒れ!
怒れ!!
怒れ!!!
キープオンアングリー!!!!
そう……
この怒りのキャッチコピーはまさに、
『レイジアゲインストザゾンビ!!』
今こそゾンビにならないための生存戦略はじめるとき。
そのための方法をイマーーーーーージン!!!
村上さんとお会いするのはゾンビな自分を変えるための天啓だと確信したのである。
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