山烏賊(イカ)の謎[閲覧注意]
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山烏賊(イカ)の謎[閲覧注意]

2014-12-02 11:32

    あまり気持の良いお話ではないので、閲覧注意ということにしておく。

    山烏賊(イカ)という料理がある。今では山烏賊というと、一般的にはウドのことを指す。

    昔はどうだったのかというと、有名なのは鴬亭金升の『明治のおもかげ (岩波文庫)』(昭和二八(一九五三)年)に出てくる山烏賊だろう。

    明治の一五年あたり、東京の芸人が秩父で食事をしたところ、なんとも不思議な食感を持った酢の物が出てきた。これはなんですかと問うたところ、この辺りでは一番の御馳走で山烏賊だと言う。この先で山烏賊を育てているというので行ってみると、納屋の中でナメクジを飼っており、芸人は胸が悪くなってしまった……というエピソードだ。

    本当らしい話なのだが面白すぎて信じ難い。その一方で海のない地域では、ナメクジを山烏賊と称して食べていたというような話を、他の場所でも聞いたことがあるような気もする。

    気になったので少々調べてみると、どうやら山烏賊というのは定番のネタらしい。




    甲源一刀流祖人逸見多四郎 西尾麟慶 講演[他] 朗月堂 明治三二(一八九八)年

    こちらはカタツムリになっているが、『明治のおもかげ』のエピソードとよく似ている。山烏賊を食べるのは芸人、場所は秩父で同じ、食べた後に真相を知り、気持が胸が悪くなるところまでも同じである。鴬亭金升自身も落語のネタを作っているため、当然こういった小話には通じていたと考えるのが自然である。山烏賊は、ある時期には有名なネタだったのだろう。

    それでは山烏賊は実在したのかというと、これがなかなか難しい。

    実はナメクジは、あまり美味くはないらしい。

    http://rocketnews24.com/2012/10/14/253764/
    (こちらも人によっては気持が悪く感じると思うので閲覧注意)

    カタツムリのほうが美味ということだが、カタツムリはごちそうで、ナメクジは常食というように分けていたのだろうか?ナメクジもカタツムリも食べたことがないため、どうも感覚的に分からない。さらについ最近まで、ナメクジは喉の薬として用いられていた。薬を日常的に食べていたというのも少々おかしい。

    芸人たちがウドを山烏賊と呼んでいたのを面白がり、ナメクジやカタツムリを食べさせられたとネタにしてしまったというのが自然に感じるが、真相はよく分からない。ここではそういうネタがあったのだということにしておこう。

    ところで地域をネタにした場合、褒めておくというルールを存在する。先程の講談速記本の場合、は山烏賊で秩父を落しておいて、今はこうだと書いている。



    これは万が一その地域から来ているお客様がいた場合、嫌な気持のまま帰らさせてはならないという気配りだ。

    ちなみに『甲源一刀流祖人逸見多四郎』が出版されたのは明治三十二年、この頃には山烏賊も今は昔の物語となっていたのだろう。


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