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明治のチンピラ
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明治のチンピラ

2014-12-15 11:30

    チンピラというものは強い。散歩中、戦車に乗ったチンピラに直面したら、大統領だって恐れを抱く。



    そんな恐いチンピラだが、その語源はどうやら謎らしい。

    チンピラとは本来、小物のくせに大物らしく気取って振舞う者を嘲う言葉である。ここから不良少年や不良少女のことをチンピラと呼ぶようになる。昭和になるとヤクザかぶれした町の不良やヤクザの中でも下っ端の地位にある者をチンピラと呼ぶようになる。ただし、本来の意味が前提で使われており、下っ端ヤクザでも風格のある者に対してはあまり使われない。
    http://zokugo-dict.com/17ti/chinpira.htm

    語源由来辞典では、『ちんぴら』は大正、昭和初期だと子供のスリという意味合いがあり、大阪の子供をあざける『ちんペら』が転じて『ちんぴら』となった説や『陳平』が元になっているといった話が紹介されている。

    明治にまで遡ると、こういう意味合いを持っていた。




    日本隠語集 稲山小長男 編 後藤柳兵衛 明治二五(一八九二)年

    減食扶持というのは、囚人の減食処分の意、この他に小児という意味があった。


    同上

    娘が『ガル』老女は『サンバ』、老人『ヤジキカシ』または『コーピン』、大人が『ヨチ』というのはなにか法則性がありそうだが、よく分からない。

    この他、滋賀県では少年、京都府では少年犯罪者の意味を持っていた。明治の二〇年代には『チンピラ』に、子供の掏摸という意味合いはなかったように思える。

    それでは『チンピラ』が子供の掏摸になったのは何時のことなのかというと、私が見た中で最も古いのは明治三〇年の小説に出てくるこれだ。


    三ツ坊小僧 三省社一瓢 講演[他] 中村鍾美堂 明治三〇(一八九七)年 1897

    そのまま小掏摸(ちんぴら)となっていて、作中でももちろん子供の掏摸の意味で使われている。関西ではスリのことを『チボ』『チャリンコ』と呼んでいたことも考えると、『チ』になんらかの意味があったのだろう

    小さい掏摸というのは当て字、この作品の出版社は大阪にあるのだが、当然ながら書籍は全国に出荷する。チンピラの意味を明確にするため、小さな掏摸としている。

    この物語の主人公は、十一歳で八十六両の金を盗み取り、十二の時には詐欺で数百両を稼いでいるため、小掏摸(ちんぴら)ではなく本名の重吉さん、あるいは三ツ坊小僧と呼ばれている。明治の三十年代には、チンピラには半人前という意味付けがされていたことは確かのようだ。

    ちなみに昭和に入ると、徐々に本来の意味が失われはじめていて、単純に小さいという意味で使われたりもしている。
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