【雑記】実況者大会のマネジメント論
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【雑記】実況者大会のマネジメント論

2018-12-05 21:00

    ★はじめに

     最初で、おそらくは最後の主催を務めさせてもらった統魂杯をとりあえず主観的には大成功と言える感じで幕を下ろすことができましたので、上から目線大好き人間が「実況者企画」というものについて最近思ったことをリミッター解除して言いたい放題して見ようと思います。
     見る人が見たら大いに納得できる部分もありましょうし、大いに不愉快に思う部分もありましょうし、なんじゃこの虫野郎ぶち殺すぞくらいに怒り狂う人もおるでしょう。思うところがあるならDMでも送ってください。楽しく罵t……議論しましょう。

     参考にしてもらえたらあなたが今温めている企画が少しいい感じになるかもしれませんし、ならないかもしれません。そもそも、誰かの役に立つことなんぞ期待しちゃいません。ゲロが吐きたかっただけなんでね。


    ※クソ長いです
    ※個人の感想です
    ※最終的にはなるようにしかなりません


    ★結局、企画の主催が気を付けなきゃいけない事って何さ?

     BWあたりからいろいろな企画を見てきて、いろいろと吸収してきたことを統魂杯の主催運営に当たってできるかぎり活かしたつもりです。
     今回の企画が「成功」と呼べるかは皆さんの見識にお任せするしかありませんが、開催に当たって意識したところに間違いはないという確信は持っているので、「企画の主催運営はどういうことに気を配らないといけないのか」を共有しておきたいと思います。


    01.過去の企画について事前にちゃんと調べる

     開催中は「なんか偉そうに過去の大会とか分析してたみたいやな^^」とか煽られたりもしたんですが、実際の所、過去の企画の長所短所、成功した点、失敗した原因、その辺の情報を収集せずに企画をやるなんぞ迷惑以外の何物でもありません。「企画は人を巻き込む」ということを考えれば、失敗しないように石橋を叩き壊して鉄筋コンクリートwithアスファルト舗装の橋を作り直すくらいの気構えで臨むべきです。それでも欠陥工事で崩れたりしますが、まぁそれはそれ。

     ノウハウを得るために過去に企画の主催経験のある方にコンタクトを取る、ブレインとして運営に過去に主催運営の経験が豊富な方を据えるなど、事前にできることは全部やりましょう。

     成功した企画はもちろん、失敗した企画からも学ぶところは多いです。無茶なスケジュールで投稿が遅れた程度の軽いものから、TLに大会結果などのネタバレが垂れ流され、やった本人は大会中に垢消しして逃亡……というようなわりと致命的なものまで、様々な屍がこれまでに積み重なっています。歴史からは学ばないといけません。


    02.物申せる運営を連れてくる

     様々な解釈があるとは思いますが、私は実況者企画においては主催を「エンジンとハンドルとアクセル」、運営を「ブレーキ、時々ニトロ」、参加者を「車輪」と捉えています。企画の趣旨、ルール、日程、参加者の選定などは企画の根幹にかかわる部分です。このあたりで主催単独でアクセル吹かして暴走したりすると、一人よがりで客観的な面白さに欠ける企画になりかねません。うまくブレーキをかけ、必要なところにはニトロをぶち込める、ちゃんと主催に物申してうまく制御ができる人を運営に選ぶべきです。
     また、投稿スタイルの異なる実況者が企画内で混在する可能性がある場合は、自分と異なるスタイルで実況を行っている人を頼るべきです。異なる視点を持っているので、自分では気づけないところに気づいてくれるのではないでしょうか。ただ、多すぎたら議論が紛糾してえらいことになるかもなので、運営チームは規模に合わせて2~4人の枠に収めるのが良いと思います。主催ワンマンはブレーキの壊れた車でチキンレースに興ずるようなものです。

     また、運営が単なるイエスマンでは主催が一人でやってるのとさほど変わりません。もしこれを読んでいる人に企画の運営が内定している方がいらっしゃるのなら、違和感を感じる部分、問題になり得る事項、そういったところは早めに指摘して解決するようにしましょう。もし諫言を耳に入れないような独裁的な主催なら逃げた方が賢明です

     ルールの欠点とかは複数人でしっかり吟味しないと気づけないことが往々にしてありますが、参加者の招集が始まってから気づいたりしても手遅れになる可能性があります。運営チーム一丸になって、事前に問題点や課題の洗い出しに力を注ぎましょう。


    03.事前に企画を通じて何を「視聴者に見せたいのか」を明確に定める

     よくあるダメな企画の大半が「開催するために開催した」もの。骨子がないので参加者選抜に特に脈絡はなく、悪いと公募。ルールも特に面白みもないわりに特徴だけはつけようとして往々にしてむやみに複雑。これで面白くなれば奇跡と言えます。

     企画に明確な方向性があればそれに寄り添ったルールを考案しやすくなりますし、参加者も方向性に合致した人を選定できます。また、「見せたいテーマ」を参加者の間で共有できていれば、それにそって一つのテーマを全員で作り上げることができるので参加者側としても動画を作りやすくなります。何より、視聴者としても「何に注目し、何を楽しめばいいのか」が分かっていた方が楽しみやすいですよね。

     動画にする以上、見てもらえなきゃ話になりません。内輪だけで盛り上がって視聴者置いてけぼりの企画が散見されますが、終わった後に「盛り上がらなかったなぁ」ってそりゃ当たり前です。実況者企画とするのであれば、まずは「視聴者さんが楽しめるか」を前提に置き、そのうえで自分たちの楽しみを追求すべきです。


    04.企画の「開催形態」と「ルール」に乖離がないかよく確認する

     「交流戦だ!好きに潰し合い給え!」というのであればルールなんぞ無用ですが、「大会」で「順位をつける」となってくると「メタゲームが成立するか」をしっかりと確認する必要があります。単純に戦うだけであればレートでたまたま当たったのと何も変わりませんし、それなら仲間大会で視聴者も巻き込んだ方がよほど盛り上がるでしょう。ポケモンの実況者大会における醍醐味というと多くの人が「メタゲーム要素」と答えるでしょうが、これが好まれるのには様々な理由があります。

     大会である以上、目指すものは基本的に「優勝」の二文字。であれば敬意をもって全力で相手を叩き潰すのが作法。そこでメタゲームを展開できる余地があることにより、明確な勝ち筋などを構築できますし、多少の不利があってもはねのけられる可能性が生まれます。また、何も手掛かりがないよりも「何を思ってこういう構築を用意したのか」などを説明できるので動画を作りやすくもなります。なにより、視聴者側も「その発想はなかった」「いや、それだとこれが厳しいのでは……」など、いろいろと自分でも考えながら動画を楽しむことができます。異端の発想、奇襲、そしてまさかの逆転劇。そういうドラマが生まれるのもメタゲーム要素があればこそでしょう。

     逆に、メタゲームが成立しえないルールだと行き当たりばったりな試合となり、前述の通りランダム戦でマッチングしたのと大差ありません。特に不利益が大きいのはタイプ統一などに代表されるテーマパ使いで、相手からはPTの絞り込みが容易なのにこちらからは絞りようがない、となると一方的に対策されて蹂躙される可能性が非常に高いです。仮にテーマパ同士で当たったところでルールによる担保がなければ、相手が「勝ちたい、優勝したい」の一心で自分自身のテーマをドブにぶち込み、全力で殺しに来ないとも限りません。

     ……大会という開催形態において、「勝利に向けて積み重ねられる要素がない」「試合が一方的な展開で見せ場なく終わる可能性が無視できない」「そのような試合でも動画化せねばならない」という高いリスクを考慮すると、そもそも普段からメタが働きづらいPTを使う方や、茶番などの対戦外要素によほど強い自信をお持ちの方、あるいはそもそも勝ち負けに無関心な方でなければ積極的に楽しんでの参加は難しいのではないでしょうか。


    05.参加者を集める時のNG集

     実際にやらかしたり、やらかしたと聞いた事例です。「企画に声をかけたら逆に嫌われた」という話がたまに聞こえてくるのが企画の裏の顔です。こわいこわい。

    ・TLで企画に触れる
     基本的に企画は「突然発表されるお楽しみ」ですし、PVなどが発表されるまで表に出すべきではありません。参加者の招待なども基本的にDMなどを利用しましょう。
    「〇〇ちゃん、×月から△月まで余裕ある?」とかでも、TLに流れてたらだいたいみんな察しがつきます。繋がりがない人の場合は最初はDM機能を使用できる状態にしてもらうために一声TLでかけないといけないかもしれませんが、その場合は反応があり次第ツイートを削除するか、捨て垢で声をかけるようにしましょう。

     ちなみに参加者の方に目を向けると、「〇〇さん!××さんの企画でご一緒させてもらうことになったのでフォローします!」とTLで情報漏洩を華々しく盛大に行っている驚くべき光景を目にしたことがあります。

    ・確定している参加者の人数や名前を、聞かれてもいないのに誘う段階で伝える
     提示された人数如何では相手に「自分が数合わせで呼ばれた」と思われて大いに機嫌を損ねかねません。もちろん気にしない方もいらっしゃるでしょうし、多少ひっかかりを感じてもルールや趣旨の魅力が圧倒的であれば参加を検討しては貰えるでしょうが、リスクは避けた方が無難でしょう。

    ・相手の動画の方向性と企画の方向性がズレている
     話を持ち込んだ瞬間に「お前、うちの動画見ないで誘ってるだろ」と断じられて絶縁されても文句を言えません。相手がどういう趣旨で動画を作っているのか、自分の企画のルールで楽しんでもらえそうかは、誘う前に一呼吸置いてちゃんと考えましょう。

     話を持ち込まれた側がこれに気づかない場合もあります。「企画に参加したけどなんかノリきれなかった。参加しなけりゃよかった」という人はだいたいこれに該当するかと思います。

    ・投稿の継続が怪しい人に声をかける
     半引退勢とかだとそもそもモチベが怪しいですし、下手な人に声をかけて定足数を満たした結果、数か月たったら何人か音信不通、というケースもあり得ます。期限などをちゃんと遵守して、普段と同じかそれ以上の質を保った作品を投稿できるだけの余裕と責任感を持った人をちゃんと見抜きましょう。ある程度定期的に安定したクオリティの動画を投稿していて、SNSへの浮上率も高い方だったらだいたいは大丈夫だと思います。

    ・人間関係にあまり気を配らずに話を持ち込む
     「話を持ち込んで進めてたら、後になって実は運営の一人と死ぬほど仲が悪いことが発覚して自分とその人まで関係がぶっ壊れた」というケースを聞いたことがあります。運営さんたちとも情報共有を事前に密に取って、企画内部に爆発物が持ち込まれることがないように気を配りましょう。

    ・公募してみる
     最終手段にして地雷企画宣言。売名精神だけは旺盛だがその他要素はちょっと、というのがクソ山にたかるハエの如く集まってくるので傍目から見ている分には大変興味深いです。絶対に関わりたくありませんが。
     これをやる側も基本的にお察しなことが多いので、これをやってちゃんと問題なく企画が進行して終了するだけでも偉業として称えられてよいと思います。

    大惨事として一部の人の記憶に残るケースもあるので、そっちを目指すならアリな選択肢でしょうか。


    06.リアル事情以外で断られないように上手に参加者を誘う

    じゃあ結局どうするんだって話ですが、

    ・事前に運営会議で参加者を考え、企画の方向性に合致していてなおかつ信頼できる候補を選定する
     企画と先方の活動の方向性が合致していればよほどリアル事情に不都合がない限り、即決で断られるということはあまりないと思います。あと、知らずに内部に火種を持ち込んで大火災にならんように、運営間で情報交換は密に行いましょう。連絡の行き違いとかが発生したら面倒なことになるので、スカウトを実行するのは主催か、あるいは運営のうちの一人の単独で請け負ったほうが良いでしょう。

    ・実際に話を持ち込む前に、日程やルールなどは仮組してPDFやテキストにまとめておく
     どちらも参加を考えるに当たって非常に重要なファクターです。また、「事前にこれだけのことが決まっている」ということの提示はスムーズに運営されるかどうかの不安の解消につながるので、好感度を稼げます。
     統魂杯の場合は「どういう企画で、どの程度の規模になる見込みで、どういう日程で行う」ということを最初に伝え、検討いただけるという回答を頂いた方にテキストファイルを送付していました。

    ・どうしても逃したくない人がいる場合は優先的に声をかけ、日程やルールなどについては譲歩できる部分は譲歩して参加を引き出す
     その人無しでは企画が成り立たないレベルに重要な人については「そこをなんとか」の土下座精神を発揮しましょう。日程なんぞずらしちまえばいいですし、ルールだって譲歩できる部分があるならいくらでも譲歩すりゃいいのです。それで企画が成立するなら安いものでしょう。理想のメンバーが集まらないならスッパリ企画自体を畳むべきです。
     大半が揃ってからルールや日程に変更が入ると問題しか発生しないので、「どうしても」という人は最優先で捕まえて調整を行い、それから改めて他に声をかけに行くべきです。

    ・「どうしてあなたに声をかけたのか」を説明する
     「相手の動画をちゃんと見ていて、活動の方向性を理解している」ということを全力で示すことで好感度が6段階くらい上昇します。これをでっちあげるのはなかなかに難しいので参加を打診された側が聞いてみるのもおすすめですが、場合によっては好感度が12段階下がって友好関係が崩壊します。

    ・確定している人員とかは聞かれてもいないのに言わない
     下手をすると「定足数を満たすために手当たり次第に声かけてんじゃないか」と邪推される可能性がありますし、残り数人の枠に呼ばれたとなると優先度の低さには誰だって気づきます。たとえ最後の一人であっても「まだメンバーが確定していないので、開催が確定するまでもう少し待ってほしい」でごまかすのが機嫌を損ねぬスマートなやり方というものです。
    相手から「具体的な名前を出してほしい」と言われた場合はだいたい共演NGな人がいたりします。一般参加内定者の名前は出さずに運営の名前を出すくらいにとどめつつ、共演したら拙い人の名前を交渉の過程で引き出すべきです。内定してる人の名前が挙がったら……どちらかに消えてもらうしかありません。


    07.心を鬼にして参加者の皆さんを管理する

     「動画作者往生極楽、制作怠者无間地獄」の精神で対戦させ、動画を作らせます。日程は事前に参加者に諮って全員の合意を取り付ることで、「汝、ひとたび同意した以上、責任をもって期日までに動画を完成させよ」の一言で大抵の泣き言は封殺できます。
    対戦期間が始まる直前くらいで完成したロゴを配布したり、回収した立ち絵を企画内配布したりしたらいい感じにやる気を出してくれる気がします。

     あとはどんなに信用していても緘口令などはしっかりと出し、SNSの表側はしっかり監視すること。あなたにとっては「当たり前の常識」でも万が一ということはありますし、うっかり口を滑らすというのはどんなに気を付けていてもありえます。当企画でも事前に想定が及ばず注意喚起を怠ったために全国一斉フォロー祭りがTLで開催され、怪しんだ方がTLに発生するに及んで慌てて「表で挨拶を行うな」と発令するに至った事件がありました。


    ★で、実際どうだったんすか

    ・企画の方向性
     「統一同士のメタゲームを見せたい、というか自分が見たいのに誰もやってくれねぇ」「タイプ統一の面白さを広く知ってもらい、あわよくば始める契機になれば」から開始。メタゲームをやるなら、ということで開催形態はよりベターな大会形式を選択しました。できるなら18タイプ揃えて総当たりを実現したかったのですが、そもそも18タイプ分も実況者が生息しておらず、実行すれば参加者が間違いなく過労死するので却下。また、TW杯みたく最初からトーナメントにすると試合数が減って趣旨を達成できないと考えたため、予選ブロック+決勝トーナメントの開催形態に落ち着きました。

     メタゲーム要素は「タイプ統一同士」の時点で担保されていることから、知識戦や情報収集などの要素も加味し、パートナーズによる拘束はあえて設けませんでした。最終的には実際にニコ生などで行われているタイプ統一企画などをほぼ踏襲したルールに落ち着きましたが、興味を持った視聴者の方がすんなりとそういったメタゲーム企画に参加できるようにという意図もあってのことです。波及効果があればうれしいんですけどね。


    ・人員集め
     最終的には「17年12月現在で実働しており、今後も継続する見込みがある」「メインタイプと言えるタイプ統一を使っているシリーズを継続的に投稿している」「タイプ被りは無し」を条件に参加者を吟味。当初16人規模を想定していたのですが、これらの条件に合致する実況者は希少であったため、事前に「人数が不足した場合は対戦ルールは変えず、開催形式のみを交流戦に切り替える場合がある」という連絡は行うようにしていました。
     無理なく、とはいかずとも多少の無理をすればご参加いただけるように日程調整に奔走した甲斐もあり、第7世代でタイプ統一実況者大会を開催するのであればこれ以上の顔触れにするのはほぼ不可能といえるメンバーが揃ったと確信しています。

    ・期間中の運営
     始まってからルールに穴が見つかったり、実際に対戦期間が始まってから日程を再調整したりもしましたが、基本的にまずは運営と相談し、最終的に参加者の皆さんに諮って同意を得る、という流れで全体に納得してもらえるような流れを作るように心がけていました。その甲斐もあってか、参加者の皆さんのご協力も篤く、概ねスムーズに進行ができたと思います。

    ・反省点
     もうちょっと参加者間の交流を活性化できたらと思ったのですが、なかなかうまくいきませんでした。ブロック内、ブロック外問わずあまり交流の機会を設けられなかった感があります。
     例外はガオガエンブロックで、ブロックDMが雑談で盛り上がって深夜に100件超の通知を飛ばし、運営から軽い苦情が来たこともありました。反省してません。


    ★最後に

     企画の進行は遊びじゃありません。参加者だけでなく、その他にも多数の関係者を巻き込む以上、主催と運営はあらゆる責任を背負って企画が満了するまで走り切らねばなりません。そして最後まで走り切るには、関係者全員が心から楽しんで企画を進められる環境を作ること、これに尽きると思います。そして、そのために必要な「一体感」「方向性の一致」は、おおむねここまでに書き散らしてきたことを意識することで解決すると私は考えています。そして方向性が明確なら、視聴者の皆さんも流れに従って一緒に盛り上がることができます。「企画の盛り上がり」は最終的には参加者ではなく、視聴してくださった皆さんの反応によって左右されるので、これは本当に大事なことだと思います。

     主催と運営は企画の核であり、顔にもなる立場です。裏で企画を練り上げ、参加者との折衝を行い、進行を管理し、表に出てからは告知と宣伝を欠かさずやらねばならず、残業代はおろか給料すら出ません。企画を作る過程で、これまで仲の良かった方と決別したりするリスクもあります。加えて、多くの人が未だに愚かしくも幻想を抱いているのでこの際はっきりと言ってしまいますが、実況者の間口が広がり、企画が珍しくなくなったことを考えると、企画をやった、企画に呼ばれた、企画に出た、という単純な事実がそのままステータスになったのはもはや遠い過去のお話であり、現状ではそれらが以降の活動や周囲に対してプラスに働くことはほぼありえません。企画をつつがなく立案遂行する苦労に見合った「数字的な」見返りはまず得られないと覚悟しておくべきですし、何かやらかしでもすれば周囲全てからの信用を失います。これだけのものを背負うことは、正直滅茶苦茶しんどいことですし、これに耐えられる自信がないならそもそも企画なんぞ進める立場に立つべきではありません。しかし、これに耐えきり、企画が円満に完成した時の達成感は他ではまず味わえないものであると思います。何回も企画をやってる方は、たぶんその味に魅了されてしまったタイプなのでしょう。マゾヒストなんでしょうな。

     「ポケモン実況はわりとよく企画が立ち上がるのになんでこんなに閉塞感に包まれているのか」というのはまれに上がる話題ですが、近年の企画の多くはルールはパートナーズに毛が生えたもの、メンバーは似たり寄ったり。そしてなにより、「その企画の開催を通じて、視聴者にいったい何を見せたいのか」というビジョンをろくに示せていないという現実が大きく影響しているように感じます。没個性な量産型実況者が、面白味もない似たようなルールで、なんかよくわからんけど殴り合っている。運営側も参加者も、自己顕示欲を満たすことに終始し、視聴者を顧みない。これは最近の企画の多くに共通する問題点なのではないでしょうか。

     もちろん、パートナーズ制度なくして大会の華たるメタゲームを成立させるのは至難ですし、メンバー集めにしたって最終的には主催と運営の身の丈にあった、比較的交流のある人しか集まらないだろうことを考えると、前者二つの要素は確かに解決が非常に困難です。しかし、企画の立案遂行にあたって「何を見せたいのか」「何を楽しんでもらいたいのか」という、見てくださるであろう視聴者に対する意識が根底にちゃんと存在していれば、見てもらいやすくもなるでしょうし印象にも強く残るはずです。終わってからも折に触れて「あの企画はよかった」くらい言ってもらえるやもしれません。
     企画を始める前にまずは冷静になり、「自分がやりたい」ではなく、第三者たる視聴者の視点から「その企画が始まった時に、果たして無関係な人間であるところのあなたはその企画を見てみたいか?」というのを自らに問いかけてみてください。いくらでもリピート再生余裕、というなら自信もってスタートするべきです。たぶん似たような嗜好の人たちが飛びついてくれるでしょう。

     ……とまぁ、ここまでネガティブなことを散々書き連ねましたが、自己顕示欲が悪だとかそういうことを言いたいわけじゃありません。むしろ動画とか投稿してる時点で承認欲求の塊なのは間違いないので、それを抱くのはむしろ健全。ただ、視聴者目線に立ち続け、面白いものを提供しようという心構えだけは常に持っていてほしいと思います。「企画全体に対して責任を背負い込むなどという苦行をやってまで視聴者に提供したいもの」がもしもあるのであれば、ぜひそれを我々にも見せてほしいと思いますし、もしも機会に恵まれるのであればその一助になれればとも思います。

     第7世代も残り約1年。おそらくラストスパートということで大小問わず様々な企画が乱立することになりそうですが、その中から後になって「あれは面白かった」と言えるような企画が一つでも多く誕生することを願って筆を執りました。
     第7世代のうちに真剣に企画を満了させるつもりであれば遅くとも来年2月くらいには参加者の雁首を揃える必要があると思うので、なんぞやろうと考えてる人はぜひ頑張ってほしいと思います。


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