062be5005624c14055e9e46c6ce137d0dfe9fb95
第426号 2022.2.15発行

「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)

【今週のお知らせ】
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…mRNAワクチン接種推進派は、「体内に入ったmRNAは数日で分解される」として、「だから心配ありません、みなさん接種しましょう」と言い続けてきた。ところが、全世界で103億回、42.3億人に2回以上の接種が行われた今、続々と「新しい結果」が発表されている。今年1月24日、米国スタンフォード大学病理学教室などの研究者によって、ヒトの体内に接種されたスパイク抗原とmRNAは、ワクチン接種後数週間、リンパ節の胚中心に残存しているということがわかった。デマを言っていたのはワクチン接種推進派だったのだ!!
※「ゴーマニズム宣言」…今回も続けてスペシャル本を振り返ることにする。1998年に出版した『戦争論』は翌年にかけて大ヒットとなり、引き続いて『戦争論2』の描き下ろしをスタートさせた。一方、小学館「SAPIO」誌で連載していた『新ゴーマニズム宣言』では台湾を取材してみないかという提案があった。ちょうどその頃は台湾で初の直接選挙による政権交代が達成され、民進党の陳水扁政権が誕生したばかりだった。「焚書」「入境禁止処分」にまでなった『台湾論』とは何だったのか、振り返ってみよう。
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」!良い子すぎる最近の若者にどんな感想を持っている?関西地区と東海地区では「めざまし8」の視聴率が「モーニングショー」より上なのは何故?文科省は教育分科会メンバーにファイザー社員を入れ、東京都は教育委員にファイザー役員を起用!?先生には隠遁志向はある?うまい棒の値上げについてどう思う?…等々、よしりんの回答や如何に!?


【今週の目次】
1. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第247回「〈mRNAは数日で分解される〉はウソだった」
2. ゴーマニズム宣言・第453回「30周年記念・『台湾論』で入国禁止」
3. しゃべらせてクリ!・第382回「真冬の怪談!雪女が世界を凍らせましゅ!の巻【前編】」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記




1f2cdce3762a211576affb50bee5f344f72d9036

第247回「〈mRNAは数日で分解される〉はウソだった」

 mRNAワクチン接種推進派は、「体内に入ったmRNAは数日で分解される」として、「だから心配ありません、みなさん接種しましょう」と言い続けてきた。
 ところが、全世界で103億回、42.3億人に2回以上の接種が行われた今、続々と「新しい結果」が発表されている。
 今年1月24日、米国スタンフォード大学病理学教室などの研究者によって、科学誌『Cell』に発表された論文によると(Cell Press)、ヒトの体内に接種されたスパイク抗原とmRNAは、ワクチン接種後数週間、リンパ節の胚中心に残存しているという。
「胚中心」とは、免疫反応が起きる際に、脾臓やリンパ節などの免疫組織につくられる微小な構造のことで、抗体づくりを担当するB細胞が、増殖したり成長したりする場所だ。
 この研究は、感染者とワクチン接種者のリンパ節を分析し、抗体などがどうなっているのかを血清学的に調査したものである。
 一連の調査報告のなかに、「mRNAワクチン接種後のリンパ節胚中心における、ワクチンmRNAの検出と、リンパ節胚中心および血液中のスパイク抗原の検出の長期化について」という項目がある。専門用語を省略し、かみ砕いて内容を要約する。

 ワクチン接種後のmRNAやスパイク抗原、SARS-CoV-2感染後のウイルス抗原の生体内分布、量、持続性は不完全に理解されているが、免疫反応の主要な決定要因であると考えられる。
 2回目のワクチン接種から7~60日後に採取した、接種と同じ側の腋のリンパ節の生体検査で、mRNAの検出を行った。
 ワクチン接種後7、16、37日目のリンパ節の胚中心に集まったワクチンmRNAは、60日目にも、低いがまだ評価できる特異シグナルを検出した(下図)。胚中心の外には、ごくまれにワクチンmRNAの病巣が見られる程度だった。

1122690fea0f222a19d1c573d62d4d6cc097c0fe

 ebbb3aa9ad510eb47079935ab9800e0d80c0508c
※画像中の太字は泉美が補足

 ワクチン未接種者とCOVID-19感染患者については、この検出検査の結果は、陰性であった。
 mRNAワクチン接種者のリンパ節の検査では、スパイク抗原の反応には個人差があったが、2回目接種後16日目に胚中心に豊富なスパイクタンパクを示し、2回目接種後60日目でもスパイク抗原が存在した。スパイク抗原は、胚中心細胞の周囲に網目状に局在していた。
 COVID-19感染患者のリンパ節は、スパイク抗原の量は少なかったが、まれに胚中心が陽性反応を示した。(泉美要約)

「mRNAは数日で分解される」という推進派の定説は大ウソで、少なくとも2回目接種後の7、16、37日目まで、脇下のリンパ節でしっかり検出されており、さらに60日目でも、低レベルだが検出されているのだ。
 気持ちが悪いのは、自然にコロナに感染した患者については、このような現象がほとんど起きないということである。