第438号 2022.6.21発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…今回は改めて新型コロナウイルスの感染経路について、わしがどのようなロジックで考えているかをまとめておきたい。コロナ禍初期の頃から、現実やデータを冷静に見れば「飛沫感染説」よりも「糞口感染説(接触感染)」の方がはるかにロジックが通っていた。しかし問題なのは「糞口感染」という言葉のイメージから来る誤解が大きすぎることで、専門家ですら「新型コロナの」糞口感染をわかっていないのだ。「接触感染なんかありえない」は本当か?
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…6月20日に米ブルームバーグが配信した記事によると、OECD加盟国のなかで、日本はコロナの致死率が最も低い国になったという。前回のライジングで紹介した人口動態統計の死因、「がん」「心疾患」「老衰」「肺炎」などを追加して考えれば、この2年間、日本では「何も起きていなかった」ということが丸わかりである。日本においてコロナ被害が少なかった理由とは何なのだろうか?
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…韓国ソウルは慰安婦問題などで日本から脅し取った賠償金で発展したという噂は本当?「わしズム」での連載漫画『夫婦の絆』の続きはもう描かないの?身近な女性に「傷ついた」と言われたらどう返すのがベスト?日本人特有の集団性は今後悪化するばかりなの?「古事記」や「日本書紀」の記述はどれくらい信憑性がある?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第467回「コロナ感染経路をもう一度」
2. しゃべらせてクリ!・第394回「大蛇に乗ったお父ちゃま! どこ行くとでしゅか?の巻【前編】」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第261回「日本のコロナ死者、OECDで一番少なかったってよ」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第467回「コロナ感染経路をもう一度」 もう飽きた気もするのだが、わしがすぐ忘れてしまう体質なので。わしのためにまとめておく。
専門家も素人も関係ない。
論文がどこに何本出ているかを競っても意味がない。
もちろん権威の有無など、全く判断の基準にはならない。
重要なのは、「ロジックが通るか」だけである。
今回は改めて新型コロナウイルスの感染経路について、わしがどのようなロジックで考えているかをまとめておきたい。
まず、第一に否定しようのない事実は、クルーズ船・ダイヤモンドプリンセス号で最も多くのウイルスが検出されたのが、「客室トイレの床」だったということだ。
もしも「飛沫感染説」が正しくて、ウイルスが飛沫と共に排出されたとすれば、乗客がトイレに座っている時に一番多く咳やくしゃみをして、最も大量の飛沫を撒き散らしていたことになるわけだが、いくらなんでもそれはありえない。
トイレで検出されたのなら、ウイルスは糞便と共に排出されたと考えた方がロジックは通る。それはあまりにも明らかなことである。
ウイルスが下水道の中で特に多く検出されているというのも否定の出来ない事実であり、ウイルスの下水中濃度を調査し、今後の新規陽性者数を予測するシステムも構築されている。
下水で発見されるということは、これまた糞便と共に排出されたとしか考えようがないわけだが、飛沫感染説のロジックで、この事実をひっくり返すことができるのだろうか?
これだけでも、「飛沫感染説」よりも「糞口感染説」の方が、はるかにロジックが通る。これで話が終わっていると言ってもいいくらいだ。
ここで問題なのは「糞口感染」という言葉のイメージから来る誤解が大きすぎることで、直接ウンコを食べるとか、手にくっついたウンコをなめるとかして感染するものだと思い込んでいる人が相当にいるようだ。
宮沢孝幸氏も、6月4日の「オドレら正気か?大阪LIVE」でも糞口感染についてこんな発言をしていた。
「下痢だったらバーっとやって、ワーっといくけど、ウンコ触った、いやウンコ触ってないですよね、トイレでこうやって、そこまでいくかなっていうのは僕ちょっと…」
何を言ってるのかわかりにくいが、要するに、下痢だったらシブキが手に付着することもあるだろうが、トイレでウンコを触るわけじゃないから、糞口感染はないと言っているのだ。
これには呆れた。まさかと思うような無知である。
糞口感染とは、ウンコを食って感染するという意味ではない!
いくらなんでも、それくらいはわかるだろうと思っていたのが盲点だった。
水洗トイレでウンコを流す際には、水流によって糞便から最大80万個のウイルスが、水分と共にミスト状になって舞い上がる。これを「トイレット・プルーム」という。
その膨大なウイルスは、トイレの床やら壁やらドアノブやらに付着していく。水分の重みで落下する分が一番多いので、床で最も多く検出されることになる。
これを「富岳」のシミュレーションで可視化したらさぞかし凄いことになるだろうが、そうでもしない限り誰の目にも見えない。トイレでは、誰もが全く気付かぬうちにウイルス入りのミストを浴びているのである。
そのため当初は感染防止策として「トイレのフタを閉めて流す」ということが言われていたのだが、「権威」が飛沫感染説を唱えるようになって以降は、それが言われなくなってしまったのだ。
ウイルスはトイレ中に付着しており、人がドアノブなどに触れれば、その手指に移る。そしてさらに、その人が触れたモノに移っていく。
ダイヤモンドプリンセス号で、トイレの床に次いでウイルス検出量が多かったのが枕、電話機、テレビリモコンだったのだが、それもトイレから手指を介して広がったと考えればはっきりロジックが通る。
ウイルスは低温・硬質なものに付着すると長く存続する。電話機・テレビリモコンはまさにそのような環境にある。そしてそう考えれば、もっと人の手を介してウイルスが多く堆積していると考えられるものがある。スマホだ。
スマホは乗客個人の持ち物なので検査の対象にならなかったのだろうが、もし検査されていれば、トイレの床の次に多くのウイルスが検出されたのは、スマホだったであろうということは容易に想像がつく。
ところが、宮沢氏は「トイレット・プルーム」のことを一切知らない。
コメント
コメントを書くこんにちは。朝、愛子天皇への道13571見させていただきました。乙武洋匡さんもやっぱりか~。全然考えてなかったけど立憲民主の松尾明弘議員さんにしようかなと今のところ思っています。他の情報は一切知りませんが。
>>172
監視ご苦労様です。ツッコミに笑ってしまいました。節電するには、テレビを消せば良いらしいです。どうやら、エアコンの1.7倍の節電になる報告が野村総研から上がってるみたいですよ。
節電でテレビが放送を停止すれば、陽性者煽りがなくなり、社会は正常に戻るし、連中には仕事上がったりで河川敷生活に追い詰める、1番の薬になるんじゃないのか?と考えてます。
マスクもワクチンも、散々に煽り、同調圧力を生み出したのは、間違いなくこいつらなんです。玉川はどのツラ下げて言ってるんですかね?どんな頭の構造をしてるんだか。安全靴履いて、回し蹴りかましたくなりますよ。
>>175
野村総研、グッジョブですね。そうですよ、テレビ消してコロナ論や天皇論や戦争論読めばいいんですよ!
今日のゴー宣読みましたが、プーチンがバットマンの映画「ダークナイト」のジョーカーみたいにカッコよく見えてしまいました。まさに狂気の権化、ジョーカー・プーチン。この狂気の権力者に我々はどう立ち向かえばいいのでしょうか?ま、この猛暑で魔吸苦を外さない畜群に問うだけ無駄な気がしますが…。
「愛子天皇への道」早速乙武氏の写真が消えてる。対応早いですね。
皇室典範の改正だけが1番大事だと思います 改正したら劇的に日本の雰囲気が変わる 早く皇室典範を改正して欲しいです
コロナ対策で使われてる無駄な空気清浄機のスイッチを皆が切れば、果たしてどれだけの節電になるのでしょうね?
ライジング「ゴー宣」を読みました。
コロナの感染経路についてロジックが通る答えはもう導き出されているのに、
社会は「世間」の縛りのせいで猛暑になってもマスクを外さないという異常状況ですね。
このことについて、もっと広く周知されて欲しいです。
何なら、空気感染説を唱える人と公論して、それを大々的にメディアで伝えて、
第三者がそれを見て判断すればよいことだと思います。
前回の「オドレら正気か」では、折角そういうチャンスがあったのに、
宮沢氏は変なキレ芸で台無しにするし、それをくらたま氏は称賛するしで、
残念なことでした。
尤も、それによって「権威主義」をふりかざす者と、それに迎合する者の図が暴かれてしまったという副作用もあった訳ですが。
「トンデモ見聞録」を読みました。
マスク着用率やコロワク接種率が諸外国の中でダントツになってしまった日本のことがバッチリとグラフにされてしまった図、改めて見るとこっ恥ずかしいものがありますね。
そして、海外で最初に発信された記事には書かれていたのに、日本語版になってからごっそりと記述が削除されてしまった箇所があるということは、
これは木蘭さんの詳細な調査がないと分からないことでした。
メディアも医師会も、ここまで深掘りしてくる人はいまい、と構えて、平気の平左でいるのでしょうか。
そうはいかぬ!と記事を書き続ける木蘭さんのレポートを次回も楽しみにしております。
追伸:Q&Aありがとうございます。
意見広告に多額の出資をされた方々は「庶民」ではないと思いますが、
寅さんのようなハートをお持ちの方々なんだろうなと思いました。
トンデモ見聞録「日本のコロナ死者、OECDで一番少なかったってよ」を読みました。
木蘭先生のツッコミが最高でした。
エンゲルバーグ、じゃなくてブルームバーグ、ありがたいけど、日本はそんなに素晴らしくはありませんよお!という気分になりますね。
その死亡者数で、このマスク率、このワクチン接種率…。何をやっているのだろう。大勢の死者が出たのだから、笑い事では済まされないです。
大曲貴夫、しぶといですね。
>>175
安全靴履いて回し蹴り…。
( ̄ー ̄)ニヤリ
ブッチャーシューズでトーキック。
テレビを消せばエアコンの1.7倍ですか。まさに、一番優良な方法ですね☆
「無理なく」なんて言ってる羽鳥を無理して見ることはないのかな。
(*^^*)
こんにちは。
最新号に書くべきかとも思いましたが、この号の感想はこの号のコメント欄に書くほうが良いと思い、この号のコメント欄に書きます。
私は、7月にライジングに入会したので、この号と次号は買って読んだという事です。
せっかく買ったので、感想を記してみようと思い、それから書きます。
ゴー宣の感想。
よしりん先生のわかりやすい説明で、糞口感染・接触感染の仕組みがわかりました。
ウィルスが硬質の機器に付着することは「コロナ論」でも書かれていましたよね。
あの宮沢孝幸氏の「ベルト歌舞伎」事件で、益々糞口感染・接触感染説に信頼が置けるようになりました。
宮沢氏は、せっかく飛沫感染説を「論理的に」発言できる機会を潰してしまい、もったいないですよね。
宮沢自身は学者で、主催者は漫画家だという驕りが、宮沢氏にあったのだろうか?
トンデモ見聞録。ブルームバーグ紙など海外のメディアでも、間違いの論考があるのですね。
もくれんさんのツッコミがひとつひとつ面白い。
海外出羽守は、海外のメディアを無批判に受け入れるのでしょうが、海外だろうが批判するものは批判するというもくれんさんの姿勢は貴重です。
もっとも、ブルームバーグ紙に比べると、日本のマスコミの八つ墓村ぶりが顕著ですが。
日本のマスコミは報じるべきところさえ報じず、ただ恐怖を煽る分、罪があるといえます。
次号も感想を書く予定です。