第449号 2022.10.4発行
「小林よしのりライジング」
『ゴーマニズム宣言』『おぼっちゃまくん』『東大一直線』の漫画家・小林よしのりが、Webマガジンを通して新たな表現に挑戦します。
毎週、気になった時事問題を取り上げる「ゴーマニズム宣言」、『おぼっちゃまくん』の一場面にセリフを入れて一コマ漫画を完成してもらう読者参加の爆笑企画「しゃべらせてクリ!」、著名なる言論人の方々が出版なさった、きちんとした書籍を読みましょう!「御意見拝聴・よいしょでいこう!」、読者との「Q&Aコーナー」、作家・泉美木蘭さんが現代社会を鋭く分析「トンデモ見聞録」や小説「わたくしのひとたち」、漫画家キャリア30年以上で描いてきた膨大な作品群を一作品ごと紹介する「よしりん漫画宝庫」等々、盛り沢山でお送りします。(毎週火曜日発行)
【今週のお知らせ】
※「ゴーマニズム宣言」…安倍晋三元首相の「国葬」が終わった。わしは最初から賛成も反対もしない、無関心という姿勢でいた。政府がやると決めてしまった以上、中止などできるわけもなく、反対を唱えたって意味がないからだ。しかしやったことの総括は必要であるし、それにもかかわらず誰も正確な総括をしていないのだから、ここでわしがやっておくしかないだろう。自称保守言論界やネトウヨの間では「国葬」によって、安倍に対する個人崇拝が凄まじいまでに強化されるという現象が起きている。果たして今回の「国葬」の実態はどんなものだったのか見て行こう。
※泉美木蘭の「トンデモ見聞録」…故・安倍晋三への愛が止まらない「Hanada」。11月特大号の追悼大特集のタイトルはなんと【溢れる「安倍愛」!】である!世界日報取材班に枠を提供した「魔女狩りだ!」の前号とほぼ同じだが、藤原かずえというブロガーによる「日本を蝕む『アベガー』というカルト」なる論考が、びっくりするような“チン論”だったので、今回はそれを紹介しておこう。
※よしりんが読者からの質問に直接回答「Q&Aコーナー」…ロシア&プーチンはどうなるの?『こち亀』に登場する“チャーリー小林”は先生がモデル?「繊細ヤクザ」をどう思う?三浦瑠麗に“思想”はある?ヤケクソになったプーチンが核を使う可能性はある?統一協会信者はあれほど巧妙に政権の内部に浸食していたにも拘らず、勅使河原氏が出席した記者会見はなぜあれほど杜撰でツッコミどころ満載だったの?アントニオ猪木さんが政界に進出したことについて、どう評価している?…等々、よしりんの回答や如何に!?
【今週の目次】
1. ゴーマニズム宣言・第478回「権力者を“権威”にする国葬は必要ない!」
2. しゃべらせてクリ!・第405回「クリ・カキ・イモ!秋の味覚トリオ結成ぶぁ~い!の巻【後編】」
3. 泉美木蘭のトンデモ見聞録・第272回「安倍愛あふれる『Hanada』の統一協会擁護チン論」
4. Q&Aコーナー
5. 新刊案内&メディア情報(連載、インタビューなど)
6. 編集後記
第478回「権力者を“権威”にする国葬は必要ない!」 安倍晋三元首相の「国葬」が終わった。
わしは最初から賛成も反対もしない、無関心という姿勢でいた。政府がやると決めてしまった以上、中止などできるわけもなく、反対を唱えたって意味がないからだ。
しかしやったことの総括は必要であるし、それにもかかわらず誰も正確な総括をしていないのだから、ここでわしがやっておくしかないだろう。
そもそも今回の葬儀、一般には「国葬」という表記が多かったが、政府はずっと「国葬儀」と言っていた。
日本では明治以降、国葬は「国葬令」という法律に基づいて行われていたが、国葬令は戦後失効・廃止され、現在は国葬の基準を定めた法律はない。
それを全額国費で行うのなら、少なくとも国民の代表である議会に問うべきじゃないかと思うのだが、岸田内閣は閣議決定だけで実行した。
実際には、現状の制度では国会の関与等の担保が存在しないので、閣議決定だけでやっても法的に問題はないらしい。
しかし政府もそれをよく理解していなかったのか、十分な説明もせずに強行した形になってしまった。それで、これではとても「国葬」とは呼べないということで、「国葬儀」という、国葬であるような、ないような、ヌエのような言葉を使ったようにも思える。
実は、戦後唯一の「国葬」の前例とされていた吉田茂元首相の場合も「法的根拠の不在」を野党に追及され、政府は国会答弁で「国葬儀」という言葉を使っており、岸田内閣はそれを踏襲したのだ。
そういう、国葬なのかそうでないのかよくわからない「国葬儀」を、マスコミも大衆もなんとなく「国葬」と呼んでいたわけで、これはあまりにもいかがわしすぎる葬儀だった。
それならいっそ、「国葬儀」ではなく「国葬偽」という名称にすれば、ことの本質を表現できてよかったんじゃないか? 「偽国葬」なら、もっとはっきりわかったと思うが。
そんな調子で、最初っからいかがわしさに満ちた「国葬」だったが、そのいかがわしさの中でも最たるものが、一般献花に並んだ人の列の映像だった。
ネトウヨはこの映像に大興奮、ツイッターでは「とんでもない長蛇の列、いや、これは大蛇の列です」「サイレントマジョリティの静かな抵抗に涙。日本はまだ大丈夫」などと、感涙にむせぶ者までいた。
だが、その参列者の人数は「2万人」だったという。
わしはそれを聞いて、「なーんだ」と思ってしまった。
わしがAKBのコンサートを見に行っていた頃は、国立競技場で7万人を動員したりもしていたし、新日本プロレスの東京ドーム大会では6万人入っていたし、その他にもわしはいろんなミュージシャンのスタジアムコンサートなどに行っているから、直観的に「2万人しかいなかったの?全然少ないな」と思ったのだ。
献花の列が長かったのは、単に行列の管理の仕方がヘタで、一列に並ばせていたからにすぎない。
2万人を一列で並ばせたら、だらだらとものすごく長くなってしまうのは当然で、普通のコンサート会場ならそんな並ばせ方はしない。何列にも分けて並ばせて、スムーズにさばいてしまう。「献花会場まで5時間かかった」なんて報道もあったが、コンサート会場でそんなことをやったら、入場できた時にはコンサートが終わってしまうじゃないか。
しかも、そこに統一協会の動員がかかっていないわけがない。
安倍晋三は統一協会とズブズブの関係で、それゆえに統一協会を憎む若者に殺されたのだから、統一協会が献花に動員をかけないはずがないということくらい、誰だって考えるだろう。
だから、本心から国葬に行きたいと思っていた人は、実際にはものすごく少なかったということになる。
ところが「羽鳥慎一モーニングショー」までが、その映像を流して「すごい行列です!」などと興奮気味にミスリードしていたものだから、馬鹿じみていると思った。そんなに安倍が好きだったのだろうか?
そこでわしはブログにこう書いて、ネトウヨを挑発してやった。
「コミケなら1日10万人が集まるのに、国民の巨額の税金を使ってやった国葬が、たったの2万人か!」
「巨人戦なら東京ドームに4万人、集まるらしい。
なのに国を挙げて交通規制して、大騒ぎでやった国葬がたったの2万人とはこれいかに?
少ないな~~~~~~~~~。」
するとこれがネットニュースで断片的に紹介され、それがSNSで拡散されて炎上した。反響は賛否が半々というところだったが、激昂して罵詈雑言をわめき散らすネトウヨの反応は、実に面白かった。
コメント
コメントを書く>>207
源ちゃん様、大変遅くなりましたが、ご賛同有り難うございます。コロナやワクチン報道については番組製作者も同罪なのでしょうが、視聴者には基本的に顔が見えないので、アナウンサーを挙げました。まあ、挙げた時に見せしめの効果を考えた事は認めますが・・・その辺異論がある方もいらっしゃるかも知れません。
ただ、信頼度は民放アナウンサーに比べ雲泥の差がありますよね。一部の花形アナだけとはいえ、民放に移籍し新番組等に華々しく迎えられ、それがまた大々的にニュースになるというのも、彼ら彼女らに「元NHKアナウンサー」という強力なブランドがあるからです。地位のある人には相応の責任も備わる筈。1年目2年目のアナにまで責任を問うのは流石に可哀想かなとも感じますが、NHKに入る事にはそれだけの重みがある筈。
「元」と書いたのは、2021年に退職した近江友里恵、同年退職し、後にテレ朝報道ステーションのキャスターに起用された大越健介といった人々に責任なしとはどうしても思えなかったのです。他の方にもお聞きしたいのですが、NHKで夜にスポーツニュースのキャスターをしていた大越アナが、例の吉村知事によるパチンコ店吊し上げの時期に、番組の枕で「パチンコより、スポーツですよね!」と言っていたのを見た事がある方はいますか?私ははっきり覚えています。
ところで今朝も、(言うまでもなくアナウンサーじゃないですが)忽那賢志がNHKニュースでワクチンについて語っていました。
>>383
ひょうろくだま之介さん
横から口を出してすみません、アナウンサーで、ちょっと気になった話があるので…(かなり個人的な趣味の話ですが)。この場を借りてしまうことをお詫びします(そう言って、自分の書きたいことを私は書くのです)。
先日、日本テレビで「ノンレムの窓」というオムニバスドラマがあり、その中に「放送禁止用語」という話があったのですが…。
宮川志帆というアナウンサー、じゃない「ただ情報を言う人」が登場し、「情報の提示」という番組で、「24時間営業の店舖で好ましくないことが発生した」とかいうことを語り、徹夜明けの人に配慮して「おはようございます」も言えない(ただしさん、たびたびごめんなさい…)、とかいう情況で…と言えば、どういう話か、分かりますよね?
「素敵な朝」と言う言葉を口にしてしまったため、職を失い、でも、後任がいなくて、結局また復帰するという話なのですが…。
その中で、その宮川という人が、「私の使う言葉が社会の新しい規範になるのも事実なので、以前よりもやり甲斐を感じている」と独白するシーンがあって…。
つまり、それだけ「ただ情報を言う人」の述べる言葉には重みがあり、ましてやそれが国営放送とも言えるNHKならばその重みは重大であり、責任は大きいのだろう、ということになるのだろうと思います(ある意味、皮肉ですが…)。
「ただ情報を言う人」もばか扱いすべきでしょう。たとえ、それが上から押しつけられたものだとしても。失職しないためには仕方がないのでしょうが。
ちなみに、身の廻りにはワクチン4回目接種予定の人がいるらしく、でも、「そういう話をしてはいけない」と上から言われているので、何も言えない情況です。言っても効果がないのでしょうし…。何だかその人を見殺しにするような気分ですが。それとも、それもその人の人生なのでしょうか?
話をもどしますが(ライジングテーマからは逸脱するわけですが)、放送禁止用語とTPO、つまり時処位であって、どの言葉がいけないとか、どれが人を傷つけるではなく、機械的なものではなしに、その場に応じて決めてゆけばいいのでは、と思います。先刻朝ドラを見ていたら、地震があったそうで、地震もNGワードらしいのです。ならば古語で「なゐ」とでも言えば良いのでは、と思いました。
源実朝が病の際に、『吾妻鏡』では「ご快楽」と言ったらしいので、こうした言い換えはかなり以前からあったのですが。いい加減にやめないか、言葉狩り。自縄自縛でしょう。
くだんの番組ですが、TVerで配信中らしいので、視聴できるかたは見ても面白いかも。3年後から来た男の話とか、パスワードを盗む話とかも面白かったです。
安倍の国葬には、最後の最後までこいつらは‥!という、呆れかえって絶句、
今更ジタバタしてもムダとはわかっていても、抗議、絶対反対を叫ばなくていいの!?とも思う一方、
ニヒリズムにどっぷり浸かり、堕ちるとこまで堕ちてしまえ!と自暴自棄でもありました。
たまたまテレビをつけたら、うっかり聞いちまった菅の弔辞なんて、
(正に盛った) どーでもいい2人の思い出話に、自分でうっとりしてんじゃねえよ!とムカついて、
国葬笑える、最後まで聞けるわきゃなく、即チャンネルを変えた。
統一協会に動員がかかったのは間違いなく、葬儀にしてはショボい服装の人が多かったとか?
実際バリバリ献金してる末端信者なら、ちゃんとした服なんか買えるはずない。
自分も現役の時は一番安い靴を買ってて、足が激痛、見事外反母趾になった。
二世が会見したら、協会と親がファックスで邪魔してたけど、らし過ぎる。即、解散させろ!
解散させたら協会側が復讐に、応援してきた政治家のスッキャンダルを暴露して、と、うわっめっちゃ楽しみ!
ミヤネ屋頑張れ!(録画してる)
3連投失礼致します。
ふじわらかずえ、とひらがなで検索したら、全然別人の漫画家が出てきてびっくり。
そっちの人たち、俺らが絶対正しい!って、全然議論にならない。
何か言うと、「何も知らないんだね、ちゃんと意味があるんだよ」とか言ってさー、
何の意味?どんな意味?一切、説明できない。
原理講論読みまくりの統一協会と何が違うんじゃー?
だって読むもの聞くものすべて、その手のものだけだもん、永遠に更新されるわっきゃない、とか思っちゃうんだよね。
次回、もくれんさんのライジング、めちゃ楽しみです!
>>386
チコリさん こんにちは。
私も、基本好きではないのですが、今回はミヤネ屋応援しています。
高知の方の絶叫に近い訴えには、感じ入る所大です。
ただ……彼が、勅使河原が「マスクして来なかったんですよ~!!」には、「う……。」と正直思いましたが、これは……致し方ないかな……と。
やっぱり「モーニングショー」はその部分を赤色テロップで流していました。
(因みに玉川がいないモーニングショーは、のどかです。明日玉川登場ですが、あいにく仕事です。録画しときます)
ところで、サンジャポの太田は、どうなんですかね。居心地悪そうに「黙って」ますけど。
たぶん奥さんに言われたのが原因かと思いますが(良くある彼のパターン)、彼が「怒られた」と思っているのか「叱られた」と思っているのか。
「幼稚」な彼のことだから、「怒られた」としか思ってないんだろうな……。
「間違ってました!」と言わない限り軽蔑し続けることにしました。
そもそも「つまんない」し。
自分のこと「デタラメな人♪」と歌えるくらいにはなって欲しいです。
>>380
ただしさん、おはようございます。あ、もう「こんにちは」かな?
過去を見つめて、それをどう未来に活かすか、という視点は大事ですね☆
そういう点では、今の「歴史教育」は不十分なのではないかと思います。
『おもひでぽろぽろ』のラストシーンで、タエ子が人生の大きな決断を下せたのは、両親の育て方が良かったからなのではないかと思います。「愛情の裏打ちの無い厳しさ」は単なる「虐待」になってしまい、子供の人生に悪影響を及ぼしてしまいますから。
半導体って、もともと日本では『産業のコメ(米)』と呼ばれていたのに、いつしか輸入物に頼るようになってしまいましたね。
国策で「国産」にこだわり続けても良かったと思います。
半導体は不足していても、半可通がいっぱいいるのが今の日本……。
「愛子天皇への道」ブログの紹介です。
●佳子さまのごあいさつ(ヨワシさん)
ガールズメッセでの佳子さまのお言葉です。
https://aiko-sama.com/archives/19791
★論破させてクリ⑮八木秀次
・リカオンさん、ダダさん、maruさん、京都のSさん
https://aiko-sama.com/archives/19797
●シリーズ「議員を論破」沖縄県 今井絵理子議員(秋田のタカさん)
https://aiko-sama.com/archives/19655
愛子天皇への道
https://aiko-sama.com/
■連絡先
メールアドレス:aiko.princess.toshi@gmail.com
Googleフォーム(パス):https://forms.gle/JbF6FPYe9geKCxuZ6
こんばんは、ライジング配信ありがとうございます!
ゴーマニズム宣言・第478回「権力者を“権威”にする国葬は必要ない!」拝読しました。
岸首相がこの国葬儀を決めた理由が、「安倍派のご機嫌取り」。他ならぬ自分自身のため。
菅前首相の弔辞にも、安倍氏を悼んでいる自分自身に酔いしれている感が溢れていました。
岸首相にとっても、菅前首相にとっても、この国葬儀は「安倍氏を悼む私の晴れ舞台」。
三浦氏だけではなかったのです。
第272回「安倍愛あふれる『Hanada』の統一協会擁護チン論」拝読しました。
山上容疑者は元々安倍マンセーの一員でした。それが、安倍氏が自分の家族を、自分の人生をめちゃくちゃにした旧統一協会の関連団体にビデオメッセージを送るほど親しい関係にあったと知った途端、安倍愛は一転して憎しみとなり殺意へ展開して銃撃事件は起きてしまいました。
今安倍氏を必死に持ち上げてる安倍マンセーの皆さま、その愛が憎しみへと変わることがあるのだ、という事実を受け入れましょう。