【CoCシナリオ配布】境界線【遊戯王RPシナリオ】
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【CoCシナリオ配布】境界線【遊戯王RPシナリオ】

2018-02-10 13:42

    まず最初にお断りしておきますが、このシナリオは遊戯王卓用です。
    NPCが遊戯王キャラをベースにしてあります。
    大体普段こういう遊び方をしているので、無意識に遊戯王知識がある前提の描写の飛ばし方をしているかもしれません。(遊戯王的な小ネタはそこかしこに散らばってます。)
    ↓当卓の実際の遊んでいる風景。KP、PL(PC)、NPCまで遊戯王キャラ。
    mylist/55442077

    それでも良ければ回してみてもらえると嬉しいです。
    リプレイの公開は連絡いただければ遊びに行かせていただきます。



    ■改変(遊戯王キャラからオリジナルへなども)OKです
    ■リプレイ公開は当方に連絡がなくても可能です
     ただし同人誌などの有料の媒体で公開するのは勘弁してください
    ■このシナリオを見た、回した上で生じた損害等の責任は負いかねます
    ■シナリオの再配布はご遠慮ください



    ※このシナリオの注意点
     第二テーマが「死」なのですが、そのせいもあってNPC(遊戯王キャラとモブ)が凄惨な死を迎える可能性があります。
    あとグロ描写が結構えぐい…?らしいです。書いた本人には分かりません。
    遊戯王キャラが人外の姿(原作とは関連性のない姿)を晒す事もあります。
    苦手な方はご注意ください。
    もう一度お断りしますが、気分が悪くなっても責任を負えません。


    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    <更新履歴>
    2018年7月1日 ・台詞や一部描写、シナリオ誘導の改善
           ・真月が芸術(デュエル)初期値なのは設定的にかわいそうだったので、図書館を10削ってその分割り振り

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


    シナリオ名:境界線


    <シナリオコンセプト>
    前作、「それが問題だ」でいまいちやれなかった「人間と化け物の境界線、違い」という話。
    体は化け物だが人間の心を保とうとするミザエル、化け物ながらも人間のような強い感情も見せる真月(ベクター)、人間だが化け物じみた言動のドン・サウザンドの三人を見比べて、探索者は何を思うのでしょうか。
    あとやたら死ぬシーンが多いので第二テーマは「死」です。
    好きなシチュエーションを詰め込んだらこうなりました。
    それと完全悪なドン千。

    あ、ここで触れたシナリオ、「それが問題だ」はリプレイ動画化が最終話まで行けたら配布予定です。



    <シナリオを回す上での注意点>
    (場合によっては)個別シーン長すぎ問題&真月が警察や児童養護施設などに保護される事。
    どちらも真月が探索者の家に訪れるシーンです。
    詳しくは本文のその辺りで触れますが、何とか対処してください。

    コンセプトでも書いたように、人間の境界線をどこに引くかプレイヤー達それぞれが決められるよう、各NPCのスタンスを意識してRPしてください。
    必ずしも感情移入してもらう必要はありません。

    あと比較的原作に沿っていて分かりやすい設定のため、一体犯人は何クターなんだ…などのメタ読みに遭います。
    が、「真月が作られた存在である」「遊馬は実在しない人間である」という事が確定されなければ、ある程度の驚きみたいな物は保てるかと思います。




    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




    <PLへ開始前に開示する情報(うちの卓用募集文の一部より)>
    よかったら募集する時の叩き台に使ってください。
    シナリオ作者やKPの立場で書いているかっこの消し忘れにはご注意を。


    シナリオ名 境界線
    募集人数 【3~4人】
    推奨技能 【聞き耳】【忍び歩き】【図書館】【英語】【戦闘技能】【回避】
    使う機会があるかも【鍵開け】【言いくるめ】【医学】【心理学】
    茶番を楽しみたい人向け【芸術(デュエル)】
    [推奨…情報を引き出すのに必要・もしくはルート分岐によっては必須、使う機会があるかも…優先度低いが使える機会はある くらいの分類。]

    ※望めば戦闘あり、十分な戦闘技能を取っていても運が悪ければロストします
    ※グロ描写そこそこあり
    ※少し重めの話だと思います、NPCの死に抵抗のある方はご注意ください

    KP:未定
    NPC:ミザエル、真月零、九十九遊馬、ドン・サウザンド

    開催日:/()または/() ※希望者の多い方に開催します
    開催時間:時~時/時~時 テキストセッションで10~12時間くらいの想定。
    募集&キャラシ提出締め切り:/()

    《キャラ製作について》
      [うちの卓のハウスルール諸々。+今回は以下の条件で回しました。お好みで変えてください。]
     ・DEXが7以下の場合、更に8以上になるまでの振り直しを許可します。
     ・狂信者、犯罪者は今回ご遠慮ください。
     ・継続探索者も可ですが、ロストの危険に同意でき、シナリオ上必要な設定を付け加えられる場合のみお願いします。
      呪文やアーティファクト持ち、SAN91以上でも、セッション中の一時預かりの形でなるべく対応したいと思っています。
     
    《事前情報・設定》
    ミザエルと探索者達は、児童養護施設時代からの家族とも呼べるような親しい仲です。
    成長した今はそれぞれの暮らしがありますが、密に連絡を取っています。

    ・ミザエル
     25歳、登山が趣味。
     プライドが高く高慢な部分もありますが、素直じゃないながらも探索者達を大切に思っていて、嘘を吐いたり隠し事が苦手です。
     シナリオ開始時点で、登山に行ったきり行方不明です。(導入参照)

    ミザエルとの思い出設定をキャラシに生やしておくと楽しいかもしれません。


    《導入》
    季節は夏。
    ミザエルが単独登山に行くと連絡してきたのはもう一か月も前の事です。
    帰宅予定日に帰ってこなかったため、君達は警察に救助を要請しました。
    しかし今日まで発見には至らず、不安な日々を過ごしていた、ある日…。


    ※探索・謎解きというよりはRP推奨シナリオという事を伝えておくと吉。
     あとシナリオ作者が回した時は、探索者はできたら七皇の中からやってもらえると嬉しいと伝えました。
     (協力してもらったおかげでNPC、PC、KPで七皇コンプできました。) 




    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




    設定

    <このシナリオの神話生物>
    「魂なき肉塊」。
    「まつろはぬもの~鬼の渡る古道~」という漫画の「肉塊(ししくれ)」がモデルである。(全く同じではない。)

    肉塊が膨れたような体を持ち、ある程度形を変えることができるが、ダメージを受けすぎると崩壊する。
    魂も意志も持たず、魂を取り込むという本能のみに従う存在。動きは緩慢で、生きている健康な人間にはまず勝てない。

    死んだばかりの死体などから一たび魂を得ると、その生物の姿、声、性格、記憶、感情などを殆ど受け継ぐ。
    しかし魂を食らいたいという捕食衝動は収まらず、大抵は取り込んだ魂との狭間で苦悩しつつも衝動に従う事になる。
    魂を二つ以上食らうと、段々一番最初の性質を保つのが難しくなっていくが、肉体的な能力は上昇する。
    色々な生物の魂を摂取するとキメラのようになっていくだろう。
    かといって同種の魂ばかりを摂っても人格ブレが起こる可能性がある。

    肉塊の姿と食らった魂の姿を自分の意志である程度自由に行き来できる。
    人間でいう心臓のある場所の辺りに魂の核があり、そこを狙われると弱い。
    魂を持った状態で倒されるとそれまでに捕食された魂は解放される。

    殆ど肉塊の姿に変化したのをしっかり目撃した場合、SANチェック0/1D6。



    <ミザエル>

    登山が趣味。
    シナリオ開始一か月ほど前に友人達に連絡をした上で山に登り、谷底に滑落しほぼ即死した。
    その後死体が比較的新鮮、魂が抜けきってない内に、傍にたまたまいた「魂なき肉塊」に食らわれる。
    シナリオ本編に出てくるミザエルは「魂なき肉塊」に魂を取り込まれ再現されたもの。
    違いと言えば、ミザエルの死肉を食らった自覚がある事、捕食衝動がある事、肉体的に少し強くなっている事、食べ物から栄養を摂取しなくても平気な事。
    加齢は本人がしたいと思うからする。それくらいの余裕はある器であると思う。

    肉体が更なる魂を求めて捕食衝動を叫ぶが、生前からの強い精神力で抑え込み、人間時代の食事(気分的な効果はある)で済ませている。
    捕食衝動に負けないミザエルは「魂なき肉塊」では非常に稀な例。
    本性(肉塊の姿)を現すのも死が近づく限界まで我慢できる。

    元々嘘や隠し事が得意ではないし、探索者達には折を見て今の自分の事を話そうと思っている。
    そして自分を認めて欲しい。元のミザエルと同じだと受け入れて欲しい。
    それらから、本当は心の底では変質してしまった自分に恐怖を覚えていると思われる。
    ただし、自分がミザエルである、という意識を持っている。

    <肉塊に食われてから現在までの経緯>
    目覚める

    服に付いた血を洗い流す

    一か月ほど山の中で捕食衝動と戦い、なんとか制御できると思ってから下山



    ・ミザエル
     年齢:25 性別:男 職業:スポーツインストラクター(基本ルルブスポーツ選手)

     STR  CON  POW  DEX  APP      SIZ      INT  EDU
     21  20  18  12  16(人間時) 15(人間時) 11  16
     HP:18/18 MP:18/18 SAN:90 DB+1d6
     アイデア:55 幸運:90 知識:80 回避:54

    [装甲]
     3ポイントの厚い肉の塊

     [技能]
     《回避》54
     《投擲》79
     《応急手当》80
     《登攀》80
     《乗馬》41
     《水泳》80
     《跳躍》80
     《ナビゲート》45
     《芸術(デュエル)》80

     [武器]
     《触腕》60 ベクターとは違い一ラウンド一回
     1D6+DBか組みつき効果をもたらす



    <真月零(ベクター)>
    十三歳の少年の姿をしているが、こちらも「魂なき肉塊」である。
    こちらは捕食衝動を我慢できない個体。シナリオ本編で連続殺人事件を引き起こす事になる。
    ただし肉塊が死体を食らった物ではなく、ドン・サウザンドの実験によって空の肉塊に仮の記憶や人格を定着させられた物。
    肉塊としては一つの魂を食らったと誤認識を起こしている。

    夜になるとベクターという人格に交代するが、これは食らった魂の物ではない。
    度重なる実験に耐えかねた真月が逃げ場として作った人格。
    主人格である真月は交代人格であるベクターの存在を知らないが、ベクターは真月の事を知っている。(記憶も共有。)
    ベクターは捕食衝動を司るような凶悪さであるが真月と同じく、自由を得て、「九十九遊馬」という友人に会うという目的を持つ。
    ただしその友人は真月に言う事を聞かせるためにでっち上げられた、架空の人物である。
    ドン・サウザンドの支配下から脱走したのはミザエルが帰って来たのと大体同時期。
    (メタ的な理由だが行方不明事件でミザエルを疑うのかどうか見たいので。)

    シナリオ後半では沢山の魂を食らいすぎて、元々の二つの人格以外にも別の顔を見せる事がある。


    <真月・ベクターの認識>

    一応普通の中学生並みの常識や知識はインプットされている。
    両親と出かける途中の事故で両親が死んだ、(ここまで作られた記憶)
    ショックで記憶がぼんやりした中気が付いたら親戚らしいドン・サウザンドに引き取られていたという認識。
    ベクターは自分が「魂なき肉塊」と知っているが、真月はベクターが誕生した際にその記憶を押し付け、ただの人間だと思っている。

    遊馬周りの台詞が本編中にあるが、分かりにくい可能性があるので、ここで整理しておく。

    一年ちょっと前までハートランドシティ(探索者達の住んでいる場所)に住んでいた

    他所に引っ越すことになったが、遊馬に再会する約束をした、デュエル大会にも一緒に出る約束をした

    引っ越し

    引っ越し先から両親と一緒にハートランドシティへ車で移動(一年前くらい)

    事故

    遊馬と再会したり、デュエル大会に出る約束を果たせず

    こんな感じの流れ。何度も言うが作られた記憶である。



    ・真月零、ベクター
     年齢:13だと思っている(実際は生まれてから一年) 性別:男

     STR  CON  POW  DEX  APP      SIZ      INT  EDU
     40  38  13  13  16(人間時) 10(人間時) 15  7
     HP:24/24 MP:13/13 SAN:39 DB+2d6
     アイデア:75 幸運:65 知識:35 回避:53

    [装甲]
     5ポイントの厚い肉の塊

     [技能]
     《回避》53
     《聞き耳》50
     《鍵開け》64
     《図書館》50
     《芸術(デュエル)》15

    ※興味ポイントしか使ってないので、学生っぽい技能を職業ポイントから取っておいてくれて良い。
     あと探索者に合わせてDEX調整したら回避も忘れずに変更を。

     [武器]
     《触腕》70 一ラウンド二回攻撃
     1D6+DBか組みつき効果をもたらす

     [備考]
     真月は自分を人間だと思っているため、無意識に人間並みの力しか発揮しない。
     (ただし終盤にある「殺したコール」の場面では狂乱状態なので例外。)
     
     カ〇リーメイトやゼリー飲料、お茶漬けなどが嫌い…というか飽きた。
     ドン・サウザンドは真月が人間だと思い込み始めた時から、面白がってそれを助長させるためこれらの食事を与えていた。
     コンビニ弁当はまだご馳走の範囲内。
     探索者が真月を家に匿うならこの設定を使って食事シーンを演出してほしい。



    <ドン・サウザンド>
    捻くれた性格のマッドサイエンティスト。
    それゆえ研究所をクビになった。
    クビになったら更にフリーダムになって肉塊の研究を始めてしまった。
    シナリオ作者的にはミザエルよりこっちの方が化け物だと思う。
    自分の実験対象である真月・ベクターに、自分の記憶を介して絶望を与えるためだけに自ら食われるような人物。
    恐ろしいのはSANがほとんど普通の人間並みにはあるという事。発狂だけが人間の怖さではない。

    なお見えないところで手を抜く性格をしているので、家の庭と玄関は綺麗にしてあるが、バスルームなどが汚い。
    (こういう人間的な隙は多少残したキャラクターにしてある。)
    ただし、探索者のような真月と関わった人間の来訪を待っているので、家中きっちり掃除されている事にしてもいい。
    お好みで。

    キャラシ:ないです。
         恐らく知識系の技能がものすごい高い。
         CON12、SIZ17、HP15くらいにしておいてほしい。




    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




    1.導入




    <帰還>
    季節は夏。

    君達の児童養護施設時代からの友人、ミザエルが単独登山に行くと連絡してきたのはもう一か月も前になる。
    帰宅予定日に帰ってこなかったため、君達は警察に救助を要請した。
    しかし今日まで発見には至らず、不安な日々を過ごしていた。

    あいつなら一か月でも生き抜ける。せめて遺体は発見して欲しい…。
    君達が思うのはどちらだろうか。

    それは休日の朝だった。
    「今帰った。どこかに集まらないか?」
    人の心配も知らず、ミザエル本人からぶっきらぼうな連絡が送られて来たのだ。

    ちょうど予定が空いている君達は、湧き上がる色々な感情を後回しにして、とりあえずミザエルを出迎える事にした。


    この後はどこに集まるかPL(探索者達)に決めさせて、以下のイベントに移る。
    病院に行けと言われたら、歯切れの悪い言い方で行くと嘘を吐く。その少し後に集合。

    ミザエルの自宅に集まる場合、シャワーや着替えを行ってから出てくる。
    死んだ時の服に付いた血は川で洗い流してあるから大丈夫。



    <再会>
    ミザエルが到着するまで、探索者同士で少しRPの肩慣らしをしてもらう。
    時刻は昼の十二時くらいで。

    (指定の場所)に集合してからしばらくすると。
    場所に合わせて適当に入ってくる描写を入れる。

    ミザエル「戻ったぞ」
    それは多少疲労の色はあったが、君達の記憶と寸分違わぬミザエルの姿であった。 
    自宅に帰って、シャワーを浴びて服も着替えてから来たようだ。
    身繕いした事もあってか、君達が思ったより健康そうな見た目をしている。

    ミザエル「悪かったな、もう心配いらんぞ。夏山の絶景も見れたしな。だがもうしばらく登山は結構だ」

    この辺でPL達に簡単なミザエルの紹介(事前設定以外の)をしておく。
    職業はスポーツインストラクター、ミザエルを上回る強い精神力を持った人間を探索者達は見た事がない。
    (継続探索者が見た事あるぞ!ってなら言い方を変えておいてほしい。)
    メタ的に言うとPOW18。あとAPPは16、SIZは15。

    ついでにミザエルが登ったのは北アルプス(富山県、新潟県、岐阜県、長野県に跨る)の、とある山だという事も知っている。
    (なお舞台はプレイヤー達に不都合がなければ、東京以外の関東の県の、ハートランドシティという事にしておく。
    ピンポイントで北アルプス付近に住んでいる警察探索者でもなければ、捜査部隊には加われないと思う。)

    聞きたい事もたくさんあるだろうし、ここで質問タイム兼茶番タイムにしよう。
    RPをしてミザエルが探索者達にとっての親しい友人なんだという事をプレイヤーにも実感してもらおう。


    Q.どうやって帰って来たんだ?どうして帰りが遅くなったんだ?
    A.ミザエル「…その話は長くなる。私にとって苦しい記憶でな。心の整理が付くまで待ってくれないか」
         「色々あったのだ。ようやく帰れるようになった訳は、いつか話す」

    (ミザエルは帰宅予定日に即死したが、その魂が抜けかかった割と新鮮な死体を肉塊が食らった。
    どうにか捕食衝動を制御する事ができると思えるまでに一か月弱かかった。)

    Q.食事は摂れてた?
    A.ミザエル「最低限な。もう非常食も野山の物も御免だ」

    (ミザエルのリュックの中の非常食を食べたのは本当。他にも魂の抜けた動物の死肉を実験として食べた。)

    Q.急に食べたら消化に悪いし食事はおかゆからにしたら?
    A.ミザエル「…そうすることにしよう」

    (今のミザエルにとって普通の食物は気分を味わう物であるが、その気遣いを受け取って従う。)

    Q.心配させやがってバカヤロー!
    A.ミザエル「…すまん、本当に…悪かった」

    ミザエルに対する技能
    《医学》
    摂っていたと思われる限られた栄養に対して、痩せていないように思える。健康そうである。

    《心理学》
    (成功)
    ミザエルは何か言いにくい事を隠しているように感じる。
    (失敗)
    ミザエルはまじまじと見られて居心地が悪そうにしている。


    ミザエル「さあ、久しぶりにデュエルをしようではないか。酒はその後だ。全力で行くぞ!」

    デュエル開始!
    《芸術(デュエル)》、もしくは1D100を普通に振る。
    出目の一番小さい人が勝利だが、《芸術(デュエル)》が成功した場合、出目から-20した状態で勝負する。
    ミザエルの《芸術(デュエル)》は80。

    ミザエル圧勝&ファンぶった探索者がいる「それにしてもなんだお前達その様は!だらしがないぞ!
                        今度みっちり鍛えてやるから覚悟しておけ」

    ミザエルが勝つ「私が誇り高き真のドラゴン使いだ!」
    ミザエルが負ける「私が後れを取るとは…流石は私が認めた相手…!次は負けない!」


    酒だ酒だ!
    ミザエルは酔う事はないが、気分的にしんみりして探索者達との思い出話を語る。
    なおシナリオ作者が回した時は死亡フラグ全集のような雰囲気になり、お前…消えるのか…?と言われていた。

    キャラシに生やしておいてくれなきゃこっちで適当に決めておくぞ。
    以下、誰もキャラシに思い出を書いておかなかった場合用の台詞。

    ミザエル「昔よくお前達と野山を走り回ったな…。腹を空かせて桑の実を採って、熟した実を分け合ったものだ。
         その昔の経験が今の私の登山趣味に繋がっているのかもしれんな」

    適度なところで切り上げる。
    ゲーム内時間では夕方くらい。夜はミザエルにとって捕食衝動と戦う苦しい時間である。

    ミザエル「ああ、久しぶりに騒いだな。もう帰らせてもらおう(もしくは「これまでにしよう」)」

        「そうだ、なるべく夜には私に会わないでくれ」
        「…今はまだ言えん」


    この後何もしたい事がないならシナリオ内時間を一週間飛ばす。

    そうしてミザエルと別れた探索者達。
    一週間ほど何でもない、平和な時間が続いた。
    ミザエルという欠けたピースが埋まり、また自分達は元の暮らしを取り戻したんだと思ったその時であった。



    <ミザエルに何か感じて家を調べる場合>
    ミザエルは街の中心部のマンションの一室に住んでいる。
    (昼なら)仕事で家を空けているだろうと思われる。

    《鍵開け》
    昼間にくるならこれで開けられる。
    何も荒らさなければ鍵の閉め忘れか…?で流してくれるだろう。

    室内は一応本人なりに整理しているつもりらしいが、非常に大雑把な纏め方で物が置かれている。
    施設時代からミザエルに割り当てられた部屋はこうだったな、と思い出すだろう。

    ・食器…帰ってきてから今までの食器が桶に溜まっている。今まで通り食事を摂っているのが分かる。
    ・冷蔵庫…酒の類がない。今まで遊びに行くと大抵あったものだが、珍しいなと思う。
        (夜に飲むと理性がなくなって捕食しないか心配なのである。再会シーンのように昼なら飲む。)
    ・アルバム…机の上に何冊か置かれている。中には君達と撮った写真が多く、その共通の思い出に浸れる。
         (捕食衝動に負けないために、また自分の記憶を確かめるように見返している。)
    ・登山用リュック…部屋の隅に置かれている。まだ荷を解いていないようだ。非常食が消費されている。

    (※探索者との思い出に合わせて部屋内を柔軟に描写して欲しい。)

    (夜に来るなら)ミザエルの部屋の中から、微かだが何か物音がする気がする。

    《聞き耳》
    成功で、ミザエルが苦しむような呻き声を抑えているのだと分かる。

    訪ねると「なぜ来た!夜には会わないでくれと言っただろう!」と怒られる。
    だが《言いくるめ》辺りで少しだけ中に入れてくれる。
    上に書いてあるような事を勝手に調べても嫌がったりするくらいで別に止めない。
    適当なところで追い出される。



    <警察探索者がいる場合>
    ミザエルと会った翌日に、致死量と思われる大量の血だまりが発見される。

    (警察探索者)の上司「おい、聞いたか。
               このハートランドで致死量と思われる大量の血痕が見つかったぞ。
               殺しの可能性がある。お前の管轄じゃないが気を付けろよ」

    交番勤め(現場が近いので通報が行った事にする)や機動捜査隊や捜査一課や鑑識など、管轄の探索者ならそのまま調べさせて良い。
    以下、交番勤めの探索者に対する場合。

    本署「そちらの交番の近くで、事件発生。目撃者の証言によると血だまりが路地にあるらしい。
       機動捜査隊が着くまで現場を確保しておくように」

    現場は夜になると人通りの少ない場所。
    目撃者の高齢女性がいる。
    おばあさん「私がいつものように朝のジョギングに行こうと思ったら…こんなところに血が…」

    大量の乾いた血が飛び散っているが、被害者の影も形もなく服の欠片すら残されていない。
    ただ《目星》成功で髪の毛を一本発見できる。茶色いセミロングくらいの毛だ。
    加害者の物か被害者の物かは今のところ分からない。
    なお毛根鞘(毛根を包む薄い白い物)が付いていないため、DNA鑑定が難しいかもしれない。
    (※設定でも書いたように、この事件の犯人はベクターなのでこちらは被害者の物。
      あとシナリオ作者はDNA鑑定の知識がないので、間違ってたら直しておいてほしい。)

    この事件の後も、毎日のように同じようなケースが連続して起こる。
    適度にフレーバー程度の情報を渡す。
    シナリオの流れが早まるので、一週間経過させなくても適度なところで真月を登場させるなどしてほしい。
    その場合殺した人数(今後登場するニュースや「殺したコール」の人数)に変更を加え忘れないよう。

    殺人事件のニュースも「ニュースを見る」と宣言したり、その習慣のある探索者がいるならすぐ見せる。→「3.行方不明事件」へ。




    2.真月零




    探索者の元にランダムで真月が現れる。
    └どどんとふダイス用 choice[A,B,C,D]

    個別シーンが長く続くため、真月を匿う展開になったら他の探索者を呼ぶよう促したり、何とかしてほしい。
    その日は探索者達が一緒に家で遊ぶ日って事にしといてもらってもいい。
    そもそも昼の真月と夜のベクターを安全に見せられるなら、改変してもらって構わない。
    みんなで遊ぶ日、という事なら、ミザエルはそれなりの理由がない限り来ない。
    遭難の後始末で忙しい。
    (真月と会うと後述する警戒を促す展開になるため、探索者達の真月の印象の幅を狭めがちになる。メタ的な都合でもある。)

    ピンポーン!ピンポーン!と、(チョイスの犠牲者)の家のインターホンが鳴る。
    「すみませーん!助けてくださーい!」と困ったような声も伴っている。少年の声だ。
    ドアを開けると中学生になったばかりくらいの、オレンジ色の髪色をした少年が立っていた。
    ラフな服装をしているが、それは妙にくたびれていて、ところどころ泥で汚れているのが何事かと思わせる。

    (開けなかったら近所の人にひそひそ…やーね…入れてあげないのかしら…とか噂話をさせる事を考える。
    なお服がくたびれているのは一週間着たきりなので。一応毎日川や公園の水場という名の公衆浴場にこっそり入っている。)

    真月「あっ、よかった!すみません!もしご迷惑でなければ、良かれと思って、少しの間匿ってください!
       僕、この市の山の麓にある家にずっと捕まってて、逃げ出したんです!」

    《心理学》
    (成功)
    彼が本心から助けを求めているのだと思う。
    (失敗)
    とりあえず彼が嘘を言っている風には思わなかった。



    真月が九十九遊馬を探しているという情報は後の展開に繋がってくるため、ここで絶対に出しておく。



    <匿ってくれない?警察に行け?>
    真月「警察ってあんまり役に立たないですよね。
       あの人達、前に僕が捕まってる家に来ましたけど、何もしてくれませんでした」
    (山の麓の研究所に戸別訪問調査に来たことがあるが、ドン千に上手く言いくるめられて何事もなく帰った。)

      「そんなぁ…。分かりました、ご迷惑ですよね、すみませんでした…」
      「あ、最後に一つだけ聞かせてください。九十九遊馬君って人を知りませんか?
       僕の大事な友達なんです」
      「そうですか…」

    彼はしょぼくれたような背中で数秒佇んだ後、意を決したように走り去って行った。



    <匿う>
    真月「ありがとうございます!すっごく辛かった…。本当に助かります」

    真月は居ていいというならいつまでも居候する。
    (しかし夜になると人格が交代。捕食衝動のままに狩りをし、人間を貪る。)
    着替えさせるなら実験によって傷だらけの体が目に入るかもしれない。

    《医学》
    真月は体が傷だらけだ。恐らく外科的な手術だけでなく、拷問も受けた事があるのだろう。
    ただし傷は塞がっている。
    (ドン千が拷問に凝っていたのが結構前&逃げて来てから時間が経っているアピール。)

    真月の話を聞くなら身の上話をする。

    真月「僕は一年ちょっと前までこの辺りに住んでいたんですよ、引っ越しちゃいましたけど」

      「両親と一緒に車で移動中、事故に遭って両親は死んでしまったんです。
       それでショックでぼんやりしてる内に、僕は気が付いたら親戚に引き取られてて…」

      「でも引き取った目的は実験の道具にする事だったんです。
       もう一年も監禁、検査、実験、その繰り返しでした…」

      「お聞きしたいことがあるんですけど、九十九遊馬君という人を知りませんか?」

      「そうですか…。
       遊馬君は僕に、『お前を一人になんてしない、お前は俺が守ってやる』って言ってくれた人なんです。
       優しくて元気で面白くて…僕のたった一人の友達だった」

      「事故に遭った日も、引っ越し先から遊馬君に会いに、一緒にデュエル大会に出るために来たんですけど…。
       ああ、きっと遊馬君心配してくれてるだろうなぁ…。
       遊馬君の家はこの辺だと思ったんだけど…変だなぁ…」
      (真月にとってこれらの記憶や認識は本物なので、心理学を使っても嘘を吐いているように思えない。)



    <対応サンプル>
    恐らく質問攻めにあう。
    このサンプルにもないような事を聞かれたら真月やドン・サウザンドの日記辺りを参考に頑張って答えてほしい。

    Q.実験って?
    A.ああ!
     真月「良く分かりません、色んなことをしていたので。
        身長体重をはかったり、薬を飲まされたり、皮膚を切り開かれたり…」

    Q.警察が駄目ならせめて児童相談所に行った方が…。
    A.真月「うーんと、僕には遊馬君に会うって目的があって、あんまりそういったところに行くと自由が無くなっちゃう…」
       「遊馬君の家はこの辺だと思ったんですよ。お願いですから、一日ここに置いてもらえませんか?」
    (それでも突き出すというなら逃走させる。ここで保護されるとシナリオ的に困る。)

    Q.親戚の人について教えてほしい。
    A.真月「名前はドン・サウザンドって言うんですけど、あの人、まるで化け物ですよ。
        面白ければ、知識欲のためならって、何でもできちゃうんですもん」

    Q.ドン・サウザンドという人には事件前から面識があったのか?
    A.真月「いいえ、聞いたことありませんでした。遠い親戚なんじゃないでしょうか」

    Q.いつ逃げ出したの?
    A.ええと、一週間前だね。
     真月「一週間前ですよ、この辺に来るまで結構苦労しちゃいました。お金もないですし」

    Q.もう一つ質問いいか?連続殺人犯、どこに行った?
    A.君のような勘のいいガキはry
     真月「えっ、そんな事件が起こっていたんですか?怖いなぁ…」

    Q.遊馬に会った後はどうするつもりなんだ?
    A.真月「心配しているでしょうし、僕が無事だってことをまず伝えたいです。
        そしてこのハートランドでデュエル大会に出る約束をしてましたから、それを破っちゃった事を謝りたい」



    <匿ったまま夜になる>
    夜の適当な時間(寝る前まで)に前準備として描写をしておく。以下夕食時のサンプル。

    真月「いただきまーす、わあすごい!久しぶりのまともなご飯だ!」

    ふ、と一瞬、真月の顔つきが何か変わったような気がした。
    すぐに元の人のよさそうな顔に戻ったので、気のせいかとも思う。

    真月「やったあ、これくらいペロッと食べられちゃいます」

    (人格交代のせいである。これ以降は朝までベクターが真月を装っている。
    その事を聞かれてもとぼける。)



    《聞き耳》
    成功で、玄関から真月(他にも住人がいる家なら誰かという表現をする)が出ていく音が気になって目を覚ます。
    探索者が玄関の扉を開ける頃には、真月は道路の曲がり角に差し掛かっているが、まだ姿は見える。
    《忍び歩き》でこっそり追えるか判定。
    (※追跡は状況的に不可と思われる。ルルブより。)

    本人にバレる(《聞き耳》成功、または声を掛けられる)と犯行を行わずに家に帰る。

    真月は君の方に向かってくるっと振り向いた。
    ちょうど街灯に照らされ、彼の表情が何とか確認できる。にこやかな笑顔を浮かべていた。
    照明が作る陰影のせいでミステリアスな雰囲気を醸し出している。
    真月「起こしちゃいましたか?ごめんなさい。夜の散歩に行きたくなっちゃって。
       でもそろそろ帰りましょうか」
    └どどんとふダイス用 S1D100<=50 聞き耳

    そこでファンぶった?(シナリオ作者がテストプレイの時100ファンやらかした。)
    じゃあ声をかけたりしない限り全然追跡には気づかないし、ついでに街灯にぶつかるぞ。
    真月「この…クソ街灯!」
    彼が苛立ちを込めて街灯を蹴り飛ばすと、それはまるで針金のようにぐにゃりと曲がる。
    (ベクターの情報を落とすのにちょうどいいかもしれない…。)

    探索者の存在に気づかなければベクターはそのまま深夜の街を歩く人間を狙って捕食を行う。
    以下その場合の描写。



    真月はいきなり服を脱ぎ、どこかの家の植え込みに隠すようにした。
    街灯に仄かに照らされ浮かび上がったシルエットは、膨れ上がった肉塊のような、およそ人とは呼べない何かだった。
    君が目の錯覚を疑っていると、真月は向こうからよたよたと歩いて来た酔っ払いサラリーマンに何かを聞いている。

    《聞き耳》
    成功で会話を聞き取れる。
    真月「九十九遊馬という人物を知っているか」
    サラリーマン「ヒック、誰だそりゃ?…ん、何だおめぇその姿…!?」

    酔っ払いサラリーマンが、一瞬で弾け飛んだ。
    何が起こったのか脳内で処理をするのにしばらくの時間がかかる。
    真月が手を、いや、触腕と言えるものを振り抜き、サラリーマンに叩きつけたのだ。
    何度も何度も執拗に、もう動かないサラリーマンに向かって追撃をする。
    血飛沫が舞い、辺りには重苦しい鉄の匂いが立ち込め出した。
    ようやく状況を飲み込めた君の前に、更に信じがたい光景が映る。
    真月はそのサラリーマンの頭を、恐るべき力でぶつりと体からもぎ取ると、齧りついた。
    ボリ、ガリ、グチャグチャ。
    聞こえてくる音は上品とは程遠いが、まるで美食家が最高級の料理を味わうかのようにそれを胃袋に収めていく。
    SANチェック、0/1D4。
    (これは人が食われている事に対するSAN減少もあるので、今後肉塊の姿を目撃しても慣れのルールを適応しなくて良い。)

    せっかくここまで来たのなら、この後自由に行動を認めて良い。
    しかしあまり深入りすると危ないとプレイヤーに釘は刺しておく。
    (回避やDEX対抗などの機会は与えられても最悪ロストする可能性がある。)

    そのまま見続けるなら、永遠とも思えるような惨劇の後、真月は再び植え込みから服を回収して身に纏う。
    その姿はもう成長途中の少年のもので、何もなかったかのように、自然な足取りで君の家の方向に戻って来るだろう。
    サラリーマンはもう影も形もなく、そこには血だまりが残されているだけだった。

    (ベクターは服を破かない、返り血が付かないようにしてなるべく証拠が残らないようにしている。
    相手の服も一応食べる。美味しくないというか不味いらしい。)



    真月が帰ってくる前に家に戻っているなら以下のように描写する。
    君が寝床に入ってばくばく鳴る心臓の音を聞いていると、玄関の戸を開けて真月が帰って来たようだ。
    なるべく足音を立てないように歩き、彼は寝床に戻って行った。

    玄関の鍵を閉めておくなどした場合、諦めてどこかに行く。
    (無理矢理押し入って捕食するような気分ではない。)



    家で待っていて問い詰める場合、夜なら真月の振りをしたベクターがとぼける。
    真月「起こしちゃいましたね、ごめんなさい。夜の散歩に行きたくなっちゃって」

    朝昼なら何も知らない真月が不思議そうにする。
    真月「えっ、昨日僕がそんな事を?変だなぁ、僕ずっと寝てたのに」


    もしもミザエルが真月に会った場合、「魂なき肉塊」の気配を感じ、探索者達に警告をする。
    昼間の真月は肉塊として鈍い(というか自分を普通の人間だと思っている)ので、ミザエルを同族とは気付かない。

    ミザエル「真月には関わるな」


    目撃した事件をミザエル話す場合、ミザエルは探索者達全員に「魂なき肉塊」について話す事を決める。
    その前にさらっとニュースを見せておこう。

    ミザエル「…これは、もう話さねばなるまい…」
        「どこかにまた集まろう。電話では言いづらい。私と、その少年について知っている事がある」




    3.行方不明事件




    適当なタイミング(真月が訪れた翌日など)でこのニュースを流す。

    君(達)がテレビを付けると、こんなニュースが飛び込んで来る。

    ★ベクターが前日、殺人に成功している。
    ニュースキャスター「本日、殺人事件がまた発生しました。
              一週間前から連日続いているこの事件ですが、もうこれで七件目になります。
              いずれも夜、ハートランドシティの人通りの少ない場所で、致死量と思われる大量の血痕だけを残しています。
              県警は同一犯による連続殺人の線を疑い、捜査中です」

    ●ベクターが前日、殺人できずに大人しく帰った。
    ニュースキャスター「一週間前から連日続いていた殺人事件ですが、本日はその痕跡が発見されていません。
              なお今までの六件の現場の捜査でも、有力な証拠は今のところ見つかっていないようです。
              いずれも夜、ハートランドシティの人通りの少ない場所で、致死量と思われる大量の血痕だけを残しています。
              県警は同一犯による連続殺人の線を疑い、捜査中です」


    <《図書館》でこの事件について詳しく調べる>
    始まったのはちょうど一週間前。
    一週間前から(今日または昨日)まで毎日、人ひとりの致死量と思われる血痕が現場に残されている。
    現場にそれ以外の手掛かりは殆ど残っておらず、被害者達の身元はまだ特定されていない。
    これが殺人事件ならば、通りすがりの人物を狙っていると思われる。
    場所は一番新しい事件で(真月が訪ねた探索者)の家の近く。
    今までの現場は全てハートランドシティ内で、中心から端までバラバラ。



    まだミザエルに連絡していない場合、ここでニュースを知ったミザエルから探索者達全員に連絡が来る。
    ミザエル「殺人事件のニュースを見たか?それについて恐らく私が知っている事がある。
         どこかにまた集まろう。電話では言いづらい」




    4.ミザエルの語る真相




    ミザエルから君達全員に連絡があり、(または探索者達が連絡すると)、どこかに集合する事になる。

    まだ真月を探索者が匿っているのなら、用事があるのを察した真月が自主的に散歩に行くことにしていい。
    夜のシーンでもし声をかけて「散歩に出たくなった」という言い訳を聞いているなら、そこから違和感を提示できる。

    真月「何かご用事ですか?じゃあ僕、その間散歩にでも行ってきますね」
      「えっ、僕が散歩が好き?」
      「昨日はずっと寝てましたけど…。そう言われると少し寝不足なような…?」


    ミザエル「折を見て話そうと思っていたのだが…今がその時だな」

    全員が揃うと、ミザエルが話し始める。

    ミザエル「私は、ミザエルだ」
        「そして、『魂なき肉塊』でもある」

        「長い話になるが、聞いてくれ。私は本当は登山の帰宅予定日、谷底に落ちて死んだのだ」
        「そして、たまたま傍にいた、魂を食らう本能だけを持つ肉塊に死体を食われた。いや、私が食った」
        「記憶も、人格も、この感情も、紛い物とは言わせん。これが私が私であると証明している」

        「私はお前達に夜に会うなと言っただろう。夜は体が更なる魂を食らえと叫ぶのだ」
        「連続殺人犯(もしくは真月)も恐らく『魂なき肉塊』だ。捕食衝動に負けてどんどんと食い続けているのだろう」
        「だが、信じてくれ。私はこの本能をずっと抑え込み、人間時代の普通の食事しかしていない。
         もっとも、そういった食事はもう必要ない体になってしまったが、気分的な物だ」

    この話を聞いた探索者達は悍ましい生物の情報と、友人が一度死んだ事によるSANチェック。0/1D3。


    ミザエルに《医学》を試みても、普通の人間と違いがない体をしていると感じる。

    ミザエル「人の体と変わらんぞ、私が制御している限りはな」
        「そして、私がお前達に肉塊の醜い姿を晒すのは、お前達に危険が及ぶか、私が死ぬ時だ」


    Q.一度食われた人間がゾンビみたいに増えてくんじゃないの?
    A.ミザエル「肉塊は一つでも、多量の魂を一度にその体に持てる。だから鼠算のように増える事はない」

    Q.ミザエルの存在を否定する質問等。
    A.ミザエル「私はお前達とまだ一緒に生きたい…。
          なぜ今の私では駄目なのだ、心が人間ならば生きる権利はあるのではないか?」

    Q.それでお前は苦しくないの?
    A.ミザエル「苦しいに決まっている!だがこれで生きていられるというなら、いくらでもこの先捕食衝動を耐えてみせる」

    Q.肉塊の特徴は?弱点は?
    A.ミザエル「普通の人間よりは丈夫だが、体にダメージを受けすぎると死ぬ」
    「物理的な攻撃は効く。ただ、心臓のような魂の核があるからそれを狙えれば早いかもしれん」

    Q.事件の犯人に心当たりはあるか?
    A.ミザエル「現場には血痕しか残されていなかったらしいな。
          普通、複数犯でやるならもっと上手く隠蔽するはずだし、単独犯だとしたらかなりの力技だろう」
         「力に任せて食い荒らし、死体は残らない。『魂なき肉塊』が犯行に及んだのだとしたら説明のつく状況だ」



    この後は何とか上手く研究所に誘導してほしい。


    (真月の話が共有されていない場合。)
    ミザエル「お前達の方でも何か犯人について心当たりはないか」
    とか何とか言って、できれば真月の情報を共有してもらう。


    ミザエル「しかし肉塊を制御する人間とはいかような者か。

         私の筋力は前と比べてかなり強まっているぞ」
        「本当の敵はそのドン・サウザンドとかいう奴なのではないか?」
        「とにかく、『魂なき肉塊』をいいように操れる人間がいるとするならば、危険だ。放ってはおけない」


    ここまで言えば多分研究所に来てもらえるだろう。
    真月がどこから来たか分からないと言われたら、彼のセリフ「この市の山の麓にある家」を思い出させよう。




    5.真月の最期




    ミザエルをなるべく研究所に同行させるようにしたい。
    ただし、ミザエルは探索者達に害が及ばない限り人の範疇の力しか行使しない。
    そうしなければ人として認めてもらえないと思っているからだ。

    それとドン・サウザンドを絶対に居合わせるように調整が必要。
    《鍵開け》+《忍び歩き》で気取られず研究所に侵入するのはセコム等で防止してほしい。

    真月を連れて研究所に行く?
    真月は連れ戻されるのを恐れて研究所に入りたがらない。



    <山の方に向かう前に>
    山の麓に着く前の道中、《幸運》成功者がいる、または比較的近くに住んでいる人に尋ねる事でこんな噂話を聞ける。

    一人でも《幸運》成功者がいるなら全員聞こえていていいし、クリった人がいたら情報を増して渡す。

    おばさんA「あの麓の家の人の車を偶然見ちゃったのよ」
    おばさんB「何か変わった人よね。気味が悪いっていうか…近くに住んでるのが不安になるわ」

    (住人であるドン・サウザンドは一年半ほどここでずっと生活をしている。)

    クリった、かつまだ真月が犯人と断定できていないなら+以下の情報でいいのでは。

    おばさんA:「それにね、一週間前、あっちの家から男の子が飛び出してくるのを見たのよ」
    ばさんB:「あら、あの人一人暮らしじゃなかったかしら。親戚かしらね」
    おばさんA:「わからないけど、すごい勢いで走ってったわね…何かから逃げるみたいに」



    <山の麓の家(研究所)>
    君達の住む市内の、山の麓にぽつんと一軒だけ佇む家。そこに到着した。
    こんな僻地には不釣り合いな、一人で住むには広すぎるほどの近代的な家で、威圧感のある門が人の訪問を拒むように聳え立つ。

    車庫に黒い車が一台止まっている。

    インターホンを鳴らすと髪の長い大男(ドン千)が出迎える。
    真月と会ったと言うと、自由にこの中を見て回ってよいと言われる。

    ドン・サウザンド「我に何用か?もしや真月から聞いてきたのか?」
            「そういう人間が来るのを待っていた。幸いだ。この中を自由に見て回って良い」
            「我の実験を見届ける人間がいなくてはつまらないからな。玄関の鍵は開けてやるから早く入ってくるがいい」



    玄関から入ると、内部の殺風景さが目に付く。ここで生活している人間が本当にいるのかと思うほどだ。
    書斎、研究室1、研究室2、バスルーム、キッチンというプレートの付いたドアがある。



    <研究室1>
    頑丈そうな檻の中に手足を拘束できるベッド、机、椅子などの家具が置かれている。
    トイレと風呂用の部屋もあるようだ。
    ここで真月が暮らしていたのだろう。

    現在檻に鍵は掛かっておらず、内部に入れる。
    なお、鍵の部分には中からこじ開けた跡が見て取れるだろう。

    檻の中の机の上には、日記が置いてある。



    8月10日
    気が付いたら親戚だって人の家にいた。
    お父さんとお母さんは事故で死んでしまったらしい。
    どうして僕だけこんな形で生き返らなきゃならなかったの。
    僕はこれじゃあ化け物じゃないか。
    頭が痛い。

    8月18日
    もう嫌だ、検査も身を切られるような実験も、耐えられない。
    助けて。
    引っ越しなんてしなければ、遊馬君に会いに出かけて、事故にあう事もなかった。
    一緒にデュエル大会に出るって約束、果たしたかった。
    約束守れなくてごめんねって、謝りたい。

    9月20日
    夜になると人を食べたくて仕方なくなる。
    ドン・サウザンドを食べてしまえばいい。
    そうすればここから逃げ出せる。
    でも僕は管理されていて、なかなか手出しができない。

    僕がこんな化け物だって知ったら、遊馬君どんな顔をするかな。
    変わらずに「お前を守ってやる」って言ってくれるかな…?
    最近は遊馬君に再会する、そのために生き返ったんだと思っている。

    11月8日
    助けて、痛い。怖い。辛い。

    2月4日
    もうイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだイヤだ
    (黒いグチャグチャの線が神経質に、歪に描かれている。)

    2月5日
    何だか寝不足。昨日遅くまで起きてたみたいな感覚。
    ドン・サウザンドは何がおかしいのか笑ってた。

    7月20日
    ここに来て、僕は一つできるようになった事があります。
    この日記も見られているから書けないけれど…。



    <研究室2>
    コンピューターや医療機器から保健室にありそうな身長測定器、果ては殺さずに苦痛を与えるような拷問器具のような物まである。

    (体が決まった形に固定されるとか、皮膚が破れる程度の物。)

    なお、この後に記載するドン・サウザンドの日記に、睡眠薬が登場する。
    ここを探索している時点ではCONの関係(捕食による能力上昇)でもう真月・ベクターに効果はないが、探索者が欲しがるならここから出して良い。
    その場合《目星》を使用させる。



    <バスルーム>
    トイレ付きのバスルーム。
    ドン千のやたら長い毛が何本か浴槽にこびり付いている。こういうところには無頓着なようだ。

    警察に突き出す証拠品として毛が欲しい?
    DNA鑑定ができるか(毛根鞘が付いているか)《幸運》振って。


    <キッチン>
    冷蔵庫、流し台、IHクッキングヒーター、電子レンジなどがある。こじんまりしているが普通のキッチン。

    冷蔵庫の中にはゼリー飲料や冷凍食品やコンビニ弁当などが並んでいるため、ドン千は自炊をするのが嫌いなようだ。

    探索中はドン千はこの辺にいて寛いだり、たまに探索者の周りをうろうろしたりする。



    <書斎>
    生物学、プログラム、心理学、オカルトなど多彩なジャンルの本が本棚に収められている。
    机の上にはパソコンと、十数枚のホチキス留めされた紙がある。



    <研究日記>
    パソコンにはロックが掛かっていないが、
    研究日記という題のファイルにはお手製であろうクイズ形式のロックが掛かっている。

    今日の問題:AFKという略語がある。略さずにした形を答えよ。
    ヒント:正解でなくとも面白ければ何でも良い。

    (Away From Keyboardの略だが、面白ければ本当に何でもいい。大喜利の時間だ!
    シナリオ作者はArito Furareta Kanashii(アリト振られた悲しい)くらいしか思いつかない。
    何なら《図書館》で本棚からネットスラング辞典を発掘させて良い。
    ただしその分の時間経過、一時間程度を忘れずに。
    ちなみにAFKは主にネットゲームで離席を示すのに使われることが多い。)


    流し読みで以下の内容が分かる。
    詳しく読むなら毎日の記録とか実験内容も書かれてるかもね。
    フレーバー程度の情報をあげよう。
    身長が160になったとか、子供の頃の記憶チェックをしたとか。(まあもちろん嘘の記憶なんだけど。)
    とりあえず真月が人工的に作り出された仮の人格であるという情報は伏せる。展開が読まれる。



    ・2月21日。
     緩慢な動きの、この世の物とは思えない肉塊を拾った。
     興味本位だがこれの研究をしてみるのもいいかもしれない。
     どうせ研究所を首になって暇だ。

    ・3月15日。
     オカルト本でどうやらこの肉塊を指していると思われるページを発見した。
     これは今、魂のない空の器の状態らしい。
     面白い事を考え付いた、試してみる価値はある。
    ・8月10日。
     一人の人間と呼べる物の誕生だ。
     とっておきの秘密は時が満ちるまで我の心にしまっておく。
    ・8月11日。
     夜になったら我に襲い掛かって来た。
     この生き物が魂を食らいたがるというのは本当らしい。
     器だった頃よりはよほど強い力を備えている。
     睡眠薬は効くようなので、それと拘束具で凌げるだろう。
     昼間は比較的大人しく扱いやすい。

    ・2月5日。
     度重なる実験に耐えかねたのか、真月が二つ目の人格を作り出した。
     ベクターと名乗る。
    ・2月15日。
     真月はベクターに気づいていないようだ。
     ベクター側は真月の事や記憶を把握しているようだが。
     夜になるかストレスが極限に達すると大抵この凶悪な人格に交代する。
     自分の本質が化け物であるという記憶は都合が悪いからか、こちらに押し付けたらしい。
    ・6月28日。
     身体検査の度に成長しているため、加齢すら可能な体なのだと思う。
     相変わらず夜になると人間を食わせろと煩いが。
     しかしこれは個人的な感想だが、あいつは色んな意味で傑作だな。
     思わず笑いが込み上げそうになる。

    ・7月26日。
     どうやら真月は脱走計画を企てているようだ。
     そろそろ手に余るし、世に放ってみたら面白そうだな。



    <『魂なき肉塊』について>
    オカルト本から切り抜かれたと思われる十数ページをホチキスで留めてある。
    《英語》での解読が必要だ。
    ここで二時間くらい経過させる。リトライで更に二時間かかる。
    《図書館》で英和辞典を発掘すれば補正+10を差し上げる。ただし更に一時間程度時間を経過させる。
    さっきから《図書館》の経過時間が少ないと思われるかもしれないが、当卓ではそのような処理になっている。ルルブに合わせたいならそうしてほしい。


    大体はミザエルの語る内容と同じである。
    新しい情報のみ開示する。
    ・魂を一度も食らってない肉塊は弱く、生きている健康な人間にはまず勝てない。
    ・肉塊の姿と食らった魂の姿を自分の意志で自由に行き来できるが、力が弱まると肉塊の姿に戻る。
    ・複数の魂を捕食すると人格がぶれる可能性があるが、捕食量に応じて力が増していく。
     最初に食らった物と別種の魂を捕食すると、外見や性質がキメラじみてくる。
    ・肉体が活動停止すると食らった魂が解き放たれる。

    ミザエル「そういえばこうだった気がするな…。
         連続殺人犯も私では歯が立たないほど強力になっているだろう」


    探索し終わるとドン千が話しかけてくる。
    最低限書斎と真月の日記を拾っていなければ、そちらに行くように促す。
    ドン・サウザンド「なんだ、まだ研究室1は行ってないのだろう。あそこにある日記が面白いというのに」など。)

    ドン・サウザンド「我の研究成果はなかなか面白いだろう。
             ついでにいい事を教えてやろう。奴に付けた発信機で今の居場所が分かるぞ。
             会いに行くとしようではないか(もう夜なら:ここに向かっているようだな)」

    (なお発信機は皮膚に埋め込み式。)

    微妙な時間ならチョイス振って。オフセとかならコイントスで。
    └どどんとふダイス用 Schoice[真月,ベクター]

    ドン・サウザンド「きっとベクターの方だろう。(微妙な時間なら:夕でもベクターになる事もあるからな。)もう〇時が近い」
            「奴の魂胆は分かっている。この上なく面白い舞台が見られるぞ」

    そう言って、意味深に笑う。

    Q.とっておきの秘密って?
    A.ああ!
     ドン・サウザンド「ふふふ、これから分かる。観客無くては舞台は成立しないからな」

    Q.(会いに行く場合なら)危なくないの?
    A.ドン・サウザンド「なに、奴の自爆スイッチを押しに行くようなものだ。
              お前達が余計な手出しをしなければお前達の身に危険は及ばんだろう」

    Q.なぜあの子にあんな事を…。
    A.ドン・サウザンド「あれに絆されたか。理由?扱いやすい手頃な個体であろう?」

    Q.殺人事件の遠因になっているのは自覚しているか?
    A.ドン・サウザンド「ああ、自覚しているが。それがどうした」

    Q.お前そんな事して死にたかったの?牢屋行きかベクターに殺される危険を冒してまで何がしたかったの?
    A.ドン・サウザンド「ふふふ」
     その質問に、ただ意味深に笑う。

    《心理学》成功で以下の事が分かる。失敗したらそれっぽい文章で惑わせておこう。
    この後にドン・サウザンドにとって楽しい事が待っているのだと思った。


    <研究者と実験体の再会>
    ●昼(または微妙な時間の真月)のパターン。
    真月は廃工場で座ったままうたた寝しているが、声をかける、物音を立てると飛び起きる。

    ドン・サウザンド「およそ一週間ぶりだな。真月」

    真月「う…ドン・サウザンド…!僕を連れ戻しに来たんですか!?
       嫌だ…僕は帰らない…!」

    真月は体を強張らせ、後ずさりをする。

    ドン・サウザンド「お前は随分と人を殺して食らったようだな。ふっ、なかなかの凶悪犯ではないか」
    (できれば探索者にお前は人を殺したと言わせたいが、言わないならこちらから話を展開させる。
    ちなみにこの時のドン・サウザンドは煽って人格交代を促している。)

    真月「僕が人殺し…?僕がそんな事するはずないでしょう!」
      (この段階でも本当にわかってない。)

      「何のことを言ってるんです!?」

    押し問答を破るように、誰かの声がする。



    「…あなたは私を殺しましたね?」

    「ああ、君は私を殺したんだ」
    「貴様は俺も殺しやがった」
    「殺した」
    「殺した」
    「コロシタ」
    真月の全体が膨れ、顔を残して、でたらめに肉の塊を捏ねたかのような姿になる。
    体を覆う服は内部からの圧力で裂け、無残なぼろきれのようになってしまった。
    露出したその腕に、肩に、足に、あちらこちらから青白い歪な顔らしき物が浮かんでくる。
    それらは皆表情を歪ませ、様々な声、口調で、殺した殺したと輪唱するのだった。

    真月「わあああああああ!!何…これ…!!違う、僕じゃない…僕じゃない…!」

    真月は怯え、狂乱し、必死の形相でぶちぶちと自分の肉を、体に浮かんだ顔を引き千切っていく。
    びちゃ、べしゃ、音を立ててそれらが次々と地面に叩きつけられる。
    しかし彼らは口から血のような物をごぼごぼと零しながら、なおも恨みを叫び続けていた。
    SANチェック、0/1D6。

    真月「嫌だ、やめて、違う…!僕は一体どうなってるの…!?」

    ベクター「ああそうさ。全部俺、ベクター様がやったのさ!」
        (交代人格への押し付けと、ベクターのほんの僅かな優しさのせいでの交代である。)

    急に真月の表情が凶悪そうな物に変わり、大きく唇を歪ませる。

    ベクター「でもよぉ、みーんな遊馬の情報は知らねぇし、幾ら食っても食っても飢えは収まらねぇ。
         最初っからこうしたかったんだよなぁ!俺を散々苦しめたこいつの事を!!」

        「遊馬の事も、言わねぇってんなら直接テメェの記憶から頂くだけだ!」


    これより先は、昼夜共通の<真月とベクターの絶望>に移る。


    ★夜の研究所のパターン。
    しばらくすると、玄関のドアを勢いよく開く音がする。

    ドン・サウザンド「さて、出迎えるとするか。
             見逃すなよ、我の研究の仕上がりを」



    玄関に向かうと、真月が立っている。
    いや顔つきが違う。やはりベクターと呼ばれる人格の方だろう。

    ベクター「…ククク、大量の魂を吸収した今の俺なら誰にも負けねぇ。
         借りを返しに来たぜ、ドン・サウザンド」

    ドン・サウザンド「およそ一週間ぶりだな。
             お前は随分と人を殺して食らったようだな」
    (できれば探索者にお前は人を殺したと言わせたいが、言わないならこちらから話を展開させる。)

    ベクター「ああそうさ。全部俺、ベクター様がやったのさ!」



    「…あなたは私を殺しました」

    「ああ、君は私を殺したんだ」
    「貴様は俺も殺しやがった」
    「殺した」
    「殺した」
    「コロシタ」
    ベクターの全体が膨れ、顔を残して、でたらめに肉の塊を捏ねたかのような姿になる。
    体を覆う服は内部からの圧力で裂け、無残なぼろきれのようになってしまった。
    露出したその腕に、肩に、足に、あちらこちらから青白い歪な顔らしき物が浮かんでくる。
    それらは皆表情を歪ませ、様々な声、口調で、殺した殺したと輪唱するのだった。

    ベクター「うるせえ!テメェらは黙ってろ!!邪魔なんだよ!!」

    ベクターは苛立ったように、ぶちぶちと自分の肉を、体に浮かんだ顔を引き千切っていく。
    びちゃ、べしゃ、音を立ててそれらが次々と床に叩きつけられる。
    しかし彼らは口から血のような物をごぼごぼと零しながら、なおも恨みを叫び続けていた。
    SANチェック、0/1D6。

    ベクター「でもよぉ、こいつらみーんな役立たずでよぉ、遊馬の情報は知らねぇし、幾ら食っても食っても飢えは収まらねぇ。
         最初っからこうしたかったんだよなぁ!俺を散々苦しめたこいつの事を!!」

        「遊馬の事も、言わねぇってんなら直接テメェの記憶から頂くだけだ!」


    これより先は、昼夜共通の<真月とベクターの絶望>に移る。



    <真月とベクターの絶望>
    ベクターは肩から手を隆起させ触腕に変えると、ドン・サウザンドに襲い掛かろうとする。
    ベクターの目にはドン・サウザンドしか映っておらず、君達に今殺意を持っていないが、望むなら戦闘にする事もできる。
    その場合ミザエルが肉塊としての力を使い、探索者達を守ろうとするだろう。

    以下の事をぶっちゃけちゃって良い。
    ・ベクターは一ラウンド二回攻撃等、結構容赦のない性能をしているので戦ったら死ぬ可能性がある。
    ・ドン千を犠牲にすればこの戦闘は回避可能で話も進む、エンディング分岐にも関わらない。
    ・ベクターがドン千を食らう事がキーなので、それまでに倒せたら展開が変わる。倒せなかったら非戦闘と同じ展開に入る。

    もしもっとぶっちゃけが必要そうなら、どういう傾向の展開になるか軽く示しておく。
    ・ベクターがドン千を食わずに死ぬ→ベクターは満足、ドン千は不満足。
    ・非戦闘、または戦闘中にドン千を倒し終わって食う→ドン千は満足、ベクターは悲しみを背負う。

    それでもやるというなら本当に後悔しないか念押ししておく。

    ミザエル「あれと戦おうというのか?私が力を出したとしても恐らく歯が立たんぞ」

        「私は人の境界線を越えたくない…しかし、お前達に危険が及ぶなら別だ。
         できればあまり私の姿を見ないでくれ」

    そう言うと、ミザエルは体の一部を肥大した肉塊のように変化させる。
    (ミザエルが死んじゃうと、6章のミザエルに対してどういう決断を下すかパートがなくなっちゃうな…。困るな…。
    その場合その場で探索者達の様子を見て最期を締めくくってあげて欲しい。
    ミザエル「二度は言わんぞ…よく聞いておけ。こうしてお前達と僅かでも長く過ごせて、よかった」



    以下、戦闘する場合の処理。
    「殺したコール」の場面で傷を負っているため、ベクターのHPを2程度減らしておいて良い。


    なおRPシナリオという性質上、ベクターは探索者達から滅茶苦茶話しかけられる事が予想される。
    事前にどういうキャラクター性なのか、考えておくといいかと思う。
    シナリオ作者は、ベクターが説得されるわけにいかないし、
    「ドン千の入り混じった状態で遊馬に会いに行くのか?」というウィークポイントを突かれてテンパっていた。

    一応台詞サンプルを置いておく。
    ベクター「んん~?邪魔者が何か言ってますねぇ。そうだぜ、巻き込まれたくなきゃ引っ込んでな!」
        「好きで化け物になった訳じゃねぇが、この力には感謝してるんでな!もう後には戻れねぇんだよ!」
        「また遊馬を探しに行く、こいつの記憶を頼りになぁ!」
        「ああ、こいつの魂と同居、反吐が出るぜ。だが逆に食いたくて食いたくて仕方ねぇんだよなぁ!」
        「…ちっ、テメェと話してると調子が狂う。うるせぇ、どいてろ!」
        「遊馬に会いてぇ、ドン・サウザンドを食いてぇ、それってそんなに矛盾してる事かよ」
        「元々俺は生まれた時からこうなんだよ、こういう役割を負って生まれた。真月の野郎はともかくな」
        「確かにあいつは俺なんかよりよっぽど化け物だぜ。だが、もう決めたんだよ!」
        「あれだけ殺しておいてか?まあ俺にとっちゃただの食事だがよ…遊馬…俺になんて言うかな…」


    ベクターのDEXは13。(探索者に合わせて要調整。)
    ベクターは自分の手番にまずドン・サウザンドを狙って攻撃する。
    (それに対してドン・サウザンドは回避や抵抗を行わない。HPは15くらいで。)
    ベクターよりDEXの高い探索者が行動順を遅らせるか、同じDEXの探索者が触腕を《こぶし》《キック》や鈍器で叩き落して無効化できる。
    つまりパリィである。
    これでダメージは発生しない。ダメージを与えたがるなら部位狙いのマイナス補正を付けて許可しても良い。
    《組みつき》も同じようにドン千を狙った触腕に行わせて良い。その場合叩き落すのではなく組みついたという事になる。
    しかし触腕は形状を変えるため、次のラウンドでは腕からすり抜けて攻撃を行う。

    更にベクターは邪魔をするミザエルか探索者に対してSTR20の触腕を伸ばす。ダメージか組みつきの選択。(一ラウンド二回攻撃。)
    STRが設定に比べてかなり低い?ほら、片腕分だし…?
    最初から探索者に勝ち目がないのも、魂を沢山食らうと強力になる設定を放り投げるのも嫌なのでこうした。
    └どどんとふダイス用 choice[A,B,C,D]、1D100<=70 触腕、1D6+2D6 ダメージ、1D100<=53 ベクター回避

    組みつきを選択した場合、探索者への抵抗ロールに勝つと、がっちりと拘束できる。
    ただ、やはり今探索者を痛めつけたり食らおうとは思っていない。
    ただし、ベクターに攻撃をヒットさせるとその相手を第二攻撃対象に定める。
    (触腕へのパリィは除いてよい。)


    ドン・サウザンドを食らう前にベクターが死んだ場合の描写を書いておく。



    ベクター「…ああ、遊馬…そこにいたのかよ…。散々探させやがって…」
        「ついて来いって言うのか?いいぜ、どこだって…」

    真月「遊馬君、僕ね、全部思い出したんです。僕は化け物だった」
      「でも、こんな僕でもまだ友達だって言ってくれるなら、あの日の続きをさせてください…」

    (ベクターまたは真月)、いや(さっき言わなかった方)は触腕を空に向かって伸ばす。
    もちろん遊馬などという人物はこの場にはいない。
    しかし彼の目には確かに希望の光が映っているのだった。
    がくりと力が抜けた触腕が地面に落ちると、そのまま体は泥状に崩れ、動かなくなった。
    (ベクターまたは真月)だった肉塊からは、多くの白い光が散り散りになって飛び立って行く。

    (どちらをメインとして描写するか、探索者が多く呼びかけていた方にしてあげてほしい。
    幻覚とはいえ、これがベクターや真月にとっては一番幸せな死だろう。
    なお真月やベクターが魂を持っていたかはご想像にお任せする。)


    ドン・サウザンド「余計な事を…」

            「真月は人工の記憶と人格を、肉塊に植え付けた物。
             あれが執着する九十九遊馬など架空の存在。

             その事実を我の記憶を介して突きつける、『最後の一口』を何よりも楽しみにしていたというのに。
             興が醒めたわ」

    ミザエル「吐き気がするな。貴様の心は人間の物ではない。
         気にするなお前達、あいつは凶悪な殺人犯だったが、哀れな奴だった。
         お前達はこれ以上あいつが弄ばれるのを防げたのだ」



    戦闘で全滅した場合、その場のノリで描写する。



    以下、ベクターがドン・サウザンドを食らった場合。

    ドン・サウザンドは何か確固たる目的があるかのように、最後まで無抵抗を貫き通す。
    彼は身が引き裂かれているにもかかわらず、呻き声すら漏らさず息絶えた。
    その死に顔はなぜか満足そうである。

    ベクターは積年の恨みを晴らすかのような勢いで、不倶戴天の敵に頭から齧りついた。
    その目はようやくこの瞬間が来たのだとばかりに興奮でぎらついている。
    形こそ辛うじて人間の面影を残しているが、その様はまさに化け物と表すのに相応しい。
    硬く生々しい水気のある咀嚼音が耳を、辺りに撒き散らされる血と肉と脳髄が目を侵食する。
    ベクターはもうこの場は安心だとでも言いたげに背中を向けて、食事の続きを始めた。
    君達は体が硬直して手出しができない。
    SANチェック、1/1D6。
    (希望するならPOW×3くらいで正気の探索者達を動かせて良い。あまり邪魔をするなら身の安全は保障しかねる。)

    ふと何かに気づいたかのように硬直した彼は、君達の方にぐるんと百八十度首を曲げて振り向いた。



    ドン・サウザンド「真月零は、作り出した仮の記憶と人格を肉塊に定着させた物。
             九十九遊馬なんて友人、こいつを制御するために考えた嘘の記憶。架空の存在。
             それにここまで執着するとは、本当に最高の傑作だな」

    (ドン千が自ら食われるような真似をしたのは、自分の研究対象にこういう最高の絶望を与える事が目的であった。)

    今の彼は顔も声も、ドン・サウザンドの物であった。
    (拘束された探索者はもうどうでもよくなったとばかりに解放される。)
    そして君達の方に体ごと向き直り、また顔をベクターに変化させると、自嘲するように虚しく笑った。

    ベクター「クックク、ハハ、遊馬なんて存在、そもそもいなかったってわけか!
         俺は…俺達は…ずっと居もしない人間を…探してたってのかよ…」

    今度は顔つきが変わる。真月に人格のバトンが渡されたようだ。

    真月「思い出しました、僕は化け物だったんですね。
       でもそんな事、今ではどうでもいい…」
      
      「遊馬君に…会いたかった。遊馬君に会う事だけが僕に、俺に、残された最後の希望だった…。
       どうして僕は生まれてこなきゃならなかったの…?」

      「ううっ…ああああああああ」
       真月はかなり不安定な様子で顔を覆い、ヒステリックに掻きむしった。

      「嘘と辛い事ばかりのこの世界にもう用はありません。さよなら。僕を殺してください」

    絶望の色に染まった目に、一筋涙が流れた。
    君達が攻撃しても決して抵抗しないだろうと思える様子だ。

    真月「僕の心臓は…ここです」

    真月は肉塊と化した触腕を自分の胸に突き立て、抉る。
    何か、心臓のような、核のような物を引きずり出して見せる。
    攻撃が命中すれば一撃で殺せるだろう。

    (探索者が殺さない場合。)
    真月「どうして殺してくれないの?そいつが私にしたように殺せ、絶望で死にたくてたまらないのだろう、
       テメェの後始末はテメェでしろってかああその方が俺の性に合ってるぜキヒヒヒヒハハハ!!」

    まるで自傷行為のように、触腕で自分の胸や喉の辺りを滅茶苦茶に打ち付け、刺し抜く。
    どうにもならない衝動のはけ口のために、自分への罰をより長く与えるために、わざと心臓を避けている様子だ。
    血のようなどろりとした液体が君達にも降りかかる。
    あっという間に彼の胸部はぐずぐずに、挽肉と化して行く。
    暫くそれを繰り返した後、ようやく心臓を力を込めて握りつぶすと、体は泥状に崩れて動かなくなった。


    真月だった肉塊からは、多くの白い光が散り散りになって飛び立って行く。


    ミザエル「私が怖いか?私がいつかあいつのように、捕食衝動に負けると思うか…?」

    君達は様々な思いを抱えながらその場を後にする。




    6.選択




    探索者達がミザエルに対して最終的にどんな判断を下すかのパート。



    <このミザエルを受け入れる>
    ミザエル「私はこれからも生きよう。私が私であり続けられるように。
         お前達が認める、人間としての、ミザエルとしての境界線を越えないように」

        「もしも私が化け物になったとしたら…その時はお前達の手で終わらせてほしい」

    ミザエルはこれからも君達と他愛のない日常を過ごすだろう。
    時には笑い、時には喧嘩し、失った日々を取り戻すかのように。
    しかしミザエルが人としての境界線を永遠に守り続けられるかどうかは、まだ誰も知らない。
    それでも君達は信じる。
    大切な友人の心を。魂を。



    <ミザエルとの別れ>
    ミザエルに引導を渡す場合。殺されようと抵抗しない。

    その前に人と化け物の境界線は何だ?など、探索者達の会話に合わせて適切なRPをする。



    ミザエル「私を紛い物と言うのなら、本物との違いは何だ。本質が化け物だからと言うのか?」
         
        「お前達と過ごした日々も、感情もここにある。これだけは偽物とは言わせん。
         だが、お前達が今の私を受け入れぬというのなら…お前達の手で、私を今度こそ二度と覚めぬ眠りに就かせてくれ」

        「私がなぜお前達に牙を剥けようか」

        「どうした?私は化け物なのだろう?なぜ殺すのに躊躇う必要がある。
         それが私を元のミザエルだと認めてくれている証拠なのではないか?」

        「人と化け物、その境界線はどこにあるのだろうな…」



    最期の最期まで、ミザエルは君達に今の自分の醜い姿を晒そうとはしなかった。
    捕食本能すら拒み続けたその精神力で、人の姿を取り続けたのだ。
    それがかえって君達を躊躇わせるだろうが、君達の網膜にミザエルとしての姿を焼き付けるようにそこにいた。
    最後のプライドであり我儘だと言わんばかりに。

    ミザエル「アア…モウダメカ…。ミルナ、ハヤクワタシヲオワラセテクレ…」

    ついに人の体を保つ力も尽き、醜い肉塊がびちゃりとそこに広がった。
    ミザエルの面影を残す長い金髪、その中心に目鼻のような窪みが付いている事が不快でもあり、また哀れさを誘う。
    SANチェック、0/1D6。(真月やベクター目撃時に減っていたら慣れのルールを適用して良い。)

    もう彼は何も言葉を発しない。ただ君達から永遠の安らぎを貰えるのを待っている。

    短い呻き声の後、肉塊はさらに潰れて泥状になり、その活動を終えたのだと分かった。
    肉塊という拘束具から解き放たれた、まるで白い鳥のような光が飛び立とうとする。
    頭の中にミザエルの声が響く。

    ミザエル「さらばだ、また異つ世(ことつよ)で会えるまで。
         精々私に自慢できる一生にする事だな」

    尊大な言い回しにもかかわらず声は優しく、彼が微笑んでいる姿が見えたような気がした。
    それきり、光は高く高く舞い上がってとうとう見えなくなった。


    ルートA「ミザエルと共に」
    ルートB「決別」

    報酬:シナリオクリアで1D6、真月の心臓を探索者達が壊したら全員に1D3、ベクターを倒したら全員に1D6


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