【プロジェクト解説】PV第2弾の音響および楽曲制作。
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【プロジェクト解説】PV第2弾の音響および楽曲制作。

2020-03-16 17:50
    どうも黒薔薇Pです。先日投稿しましたPV第2弾を見てくださった方はありがとうございます。
    3月29日を楽しみにしていてください!

     今回の制作を振り返りますとPV第2弾を作りを始めたのは3月4日からだったんですが、先日の投稿は実は苦渋の決断でして......。
     と言いますのは、まず4日の段階で作り始めていた映像の仮の形ができたのが3月11日だったんですね。これはいいものが出来たと。映像が出来れば次は作曲に移りましょうと、準備に入ったんですが私ここで気付きます。
    「待てよ。今1から作曲して果たして22日に間に合うのか」と。PV第1弾で3月に投稿開始というのを打ってしまった手前「PV制作が押してしまったので本編は来月からになります」という状況だけは避けなければならないと。

     というわけで今まで作っていた映像は削除しまして「2つのシーン構成で時間は90秒。冒頭の音楽は1から作るのではなくて、メインテーマをアレンジすればハマるものにしよう」と目標を立てまた新しく作っていたんですね(笑
     そして今の映像が完成したのは3月14日の深夜。そしてそれをPro Toolsにインポートしこれ用にメインテーマである「No.32」のアレンジを始めたのが投稿した日である15日の朝9時からだったんです(笑
     そんな紆余曲折を経て、昼食抜きで突き詰めていき16時過ぎにマスタリングまで終えオーディオエクスポートしエンコードの過程を通りまして、なんとか当初の思惑通り15日の投稿に間に合ったのでした。力を完全に出し切ってしまったので、今週はソフトのアップデートやファイル整理等の身辺整理、またブログに時間を割いてチャージの週にしたいと思います(笑

     せっかくブログに割ける時間がいっぱいあるので濃密な内容にしようということで、私の制作手順やノウハウを公開していきたいと思います。『音楽制作 Pro Tools編』、『映像制作 After Effects及びPremiere Pro編』、『MMD』の3つを予定しています。
     しかし最初に断っておきますが「制作に答えというものは存在しない」ため人によってやり方やアプローチが異なります。特に『MMD』に関しては完全に私の自己流であるということを留意して頂きたいです。参考になるかはわかりませんが、誰かの制作の助けになれればいいですね。



    いうわけでプロジェクト解説1回目は『音楽』からいきたいと思います。
     以下はPV第2弾のセッションの一覧です。


     音数は少ないですがトラック数は40弱。ドラムキットを分解したり、kontaktをパラアウトしたりしているのでトラックが増えがちになります......。
     ちなみにパラ出しのメリットは個々の音を突き詰めていけたり、個々の音量調整がDAW側でできることに尽きますが、デメリットはトラック数が増えるので画面上での管理が複雑になってしまうことですね(笑
     
     そして上のプロジェクトですがこれをわかりやすくグループ分けをすると、以下のように4つのグループに分けることができます。


    上から順に

    ・「ドーン」「カーンッ」「キュィーン」と鳴っている如何にもな感じのシネマシンセ。
    ・「冒頭から最後までなにか鳴ってる」を構成している子達。
    ・ワンショットの音作りを極めたドラム。
    ・シンセとアコギ。

    これらで今回は構成しました。それぞれルックアップしていきましょう。


    1. 【シネマシンセ】



     7つのmidiトラック(つまり7つの音)で構成されており、それらを一旦パラアウトし全てが「@SFX」というバストラックに送られるようになっています。
     使用した音源は『8Dio The New Hybrid Tools Vol.1』。こういったシネマティックシンセの音が欲しいなら『8Dio』の音源は絶対に外せません。マジでオススメです。

     そんな『8Dio』は音がプリセットで十分完成されているのでそのまま使用し、サンプラー感覚で使っています。あとは「厚みが欲しい」「"カーンッ"といった感じの金属感が欲しい」といった際には上の写真のようにレイヤーして音を作ります。
     その際に言わずともですが......、


     組み合わせた音のどちらに低域・高域を任せるのかをはっきりさせ、このようにガッツリとフィルターをかけるのが重要。
     シネマの音は基本低域が強いのでモコモコになりがち。それの解決策です。



    2. 【賑やか系】


     「カンカン」「ポンポン」いっていた正体は『iZotope Break Tweaker』
    プリセットから合いそうなフレーズを探し、欲しい音をソロモードで取り出して写真のようなEQカーブでフィルターを作って「何か鳴っている」を作っています。ループ音源感覚ですね。



    3. 【ドラム】


     まだ研究段階でしたが「ハットとスネア、キックしか使わないなら勉強がてら使おうか」ということで最近手に入れた『FxPansion BFD3』を使いました。
     使用したキットはデフォルトのロックキットで、そこにキックやスネアをソフト内でレイヤーできる事を知り、足していったカスタムプリセットでその名も「テスト」(笑

     今回の曲で拘ったところの一つ目として、低域をキックとシンセのアルペジオで埋めなければならなかったのでキックの音作りにはかなり拘って「ドッシリ」したものに仕上げています。こういうキックは『BFD3』ならではでしょう。もう一つ所有しているドラム音源『Addictive Drums2』では絶対に作れない(プラグインで加工しまくれば作れなくも無いですがそういった素の音を殺す加工は嫌いです)

     本曲で実戦投入をして得られた成果として「『BFD3』の音作りの肝はアンビマイク」だということが分かりました。プロセスを箇条書きにすると

    ・アンビマイクをバイパスにしてキット単体の音を作り込む。
    ・アンビマイクの「これはいる」「これはいらない」という選別。
    ・キット単体からアンビに送る量を決める。
    ・BFD3内やパラアウトしたDAW側のフェーダーで質感を調整。

     これらを根気よくやっていけば頑張った分きちんと答えてくれる音源です。少なくともプリセット一発でカッコイイ系ではないので、「パラメーターを弄るのが苦手だ」という方は絶対に買わない方がいいと言えるドラム音源でした。



    4. 【ウワモノとインスト】



     8つの音で構成されています。使用したモノは
    『reFX NEXUS 3』 (Arp, pad, pluckの三色)
    『Synapse Audio DUNE 3』 (Arp, pluckの二色)
    『Air xPand! 2』 (右で鳴っているオルゴール的音色)
    『Waves Grand Rhapsody Piano』
    『Music Lab Real Guitar 5』

     の5種類。↓



     こういったものはとにかく音色を複数作ってレイヤーするに限りますし、オートメーションを描けばさらに表情豊かになります。今回はpadに波打つようなボリュームのオートメーションを書き、シネマのシンセが鳴った後の余韻役としてその時に山が来るように施してあります。表情を付けようとオートメーションを書き始めた時がDAW初心者卒業のタイミングでしょうか。
     
     そして音源の方では「xPand!も使ってるのか」って思われた方もいるかもしれませんが、こういったレイヤーで埋めているときに『xPand!』の音は軽快なので簡単にオケに馴染んでくれますし、また負荷が軽いので何個も立ち上げられるのがミソ。収録されている音色も多いので私の制作では欠かせない存在です。マスト。
    あとPro Toolsには標準搭載ということで妙な親近感がある(笑


     そして拘ったところ二つ目として、ベースではなくあえて7弦のアコギにコードのルートを任せたところ。これはハマったね、大正解でした(笑
     アコギの音って不思議でゆっくりとしたフレーズのアコギがあるだけで哀愁が漂いますよね。それを狙った感じです。
     そして個人的に音程の低い弦で単音弾きした時のあの独特の重い感じが大好きだからこそ生まれた「7弦でルートを弾く」という発想ですが、言い換えれば"メタルをやる人間だからこそ生まれたアプローチ"です(笑


     更にもう一つのこだわりとしてできるものは全て弾いて入力していること。


     ディレイと組み合わさってセンターで鳴っているピアノですが、実際に弾いているのでノートの長さとベロシティが均一ではありません。クオンタイズや狙い通りの響きになるように若干の長さ調整を行なっていますが、この均一でないノートの長さやベロシティがあの響きに繋がっています。
     終始鳴っているハイハットも然りです。


     こういった手間を加えることで人間味が加わり、楽曲のクオリティは変わってきます。聞いた話で小室さんは4つ打ちのパターンも手入力し"人間味を加えている"そうです。実際にプロがやっているだからそうなんですね。



     個々のセクションの説明は以上になります。
    最後に私のミックスのアプローチについて触れておきますと、プロジェクトを見てお分かりになるかと思いますが『基本は音源内で音を作り込むので、DAW側では必要最低限のEQやコンプ、余韻や被りを切るゲートとアナログ感を付与するテープしか使わず、フェーダーでミックスします』。
     個々の聞こえ具合を調整するのはEQを挿すのではなく、フェーダーでやるのが一番ですし、その手法が最も音楽的であると個人的に考えているからです。オーケストラがそうであるように。 
     トップエンジニアとして有名なクリス・ロード・アレジも「ミックスで最も大事なのはEQやコンプでバランスをとることではなく、フェーダーの調整である。ミックスは準備段階が一番重要なんだ」と言っており私も同感でして、フェーダーで突き詰められていればEQやコンプは要らないと思っています。しかし今回、唯一の例外が前述したピアノ(笑


     これだけ挿しているのは最近Grand Rhapsodyを入手したばかりで研究不足なので、ソフト側のパラメーターを弄るよりもDAW側で音作りした方が早く目的の音に辿り着けると思ったからです。こればかりはしょうがなかった(笑


     さて。語り尽くしましたがミックスのやり方や手順は人それぞれで、同じ曲を10人がミックスすれば、10の聞こえ方が違う曲ができる。そういう世界ですので、正解はないんですね。
    よく雑誌等で「コンプのゲインリダクションは-6db程を目安に」とか書いてありますが、あんなものは所詮戒めの参考値に過ぎません。
     それを鵜呑みにせず「では-3dbだったらどう聞こえるのか」「-10dbだったらどうなるか」。「スレッショルドの値を変えずに、アタックやリリースを回すとどう聞こえるのか」。そういったことを考えられるようになれば上達できると思います。



    以上、『楽曲』の解説でした。読んで頂いてありがとうございました。




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