• AniPAFE2019に参加して。その5(終)

    2019-12-07 22:04
    そんなこんなで、二か月近くかかってしまったこのブロマガも今回で最終回です(本当です)。気が付けばイベント開始からは三か月、発表から一カ月半が経ってしまった訳ですが、2019年ももう終わろうとしていますね。年末へのカウントダウンも始まっているのでこの振り返りも終わりにしたいと思います。




    さて、AniPAFE2019にヴァイオレットという作品で参加するに至った経過や、動画そのものについての解説を前回まで書いてきたわけですが、今回はAniPAFEという大会そのものへの感想や、結果発表を受けての自分の想いなんかも書かせていただきたいと思います。






    結果は・・・構成賞&選曲賞1位!!そして総合賞5位!!というこれまでの中でも最高の戦績をいただくことができました。2011年から始まったこのAniPAFEというイベント、自分がまともに参加したのは2013年から、初ランクインは2014年からですが、ここまでの成績を取ることができる日が来るとは本当に思いもしませんでした。視聴してくださった方々、投票してくださった方々には本当に感謝しかありません。


    2011年から数えて9回目となるAniPAFEですが、ここで自分の戦績とその推移なんかを振り返ってみたいと思います。



    AniPAFE(2011年)

    ZOOMEにて開催されたこのイベントですが、当時は他のイベントと重なっていたために参加は見送って、支援として名ばかりの参加?をした覚えがあります。確かZOOMEでタグだけをつけてはいたものの、何で参加したかもうろ覚えでした。スタッフロールに名前だけ載っているので確かに参加したのでしょうが、全く覚えてませんw(ごめんなさいいはさん)






    AniPAFE2



    この年からニコニコで開催されるようになったので参加したかったのですが、期間ギリギリで間に合わずに参加できなかったので、支援作品として投稿。当然ながらランクインならずですが、結果発表動画では何故か特別賞の「遅刻はしたけど歩ききったで賞」なる謎の賞をいただくことができました。本当に謎ですwでも個人的に結構思い入れのある作品なので、一応参加したという形で名を残すことができて良かったですね。


    AniPAFE2013



    つり球~君という名の翼~僕らがいたあの空へ

    残念ながら権利者削除を受けてしまったので、今では見ることができません。ノイタミナで放送していた「つり球」と、コブクロの「君という名の翼」を組み合わせた青春直球もののMADでした。今見なおしても割と好きではあるのですが、やはり荒もあったので、ランクインできなかったのも自分で納得です。反省点もありましたが、おかげでイベントに参加する、見てもらうための作り方や選曲、使うアニメ選びについて等も勉強になった気がします。


    AniPAFE2014




    総合賞13位。イベント4度目にして初のランクインでした。今では考えられませんが、イベント一番乗り、開始と同時の参戦と言う自分でもどうしたんだって感じのスピード製作でしたが、やはり初日に投稿すると気分が凄く楽になったのを覚えています。MOTAさんとba-yashiさんと同時に、三作品ピンポン被りという、まさかの開幕ピンポンダッシュだったのも印象深いですね。色々な意味で思い入れが強い作品でした。


    AniPAFE2015




    総合賞20位。順位は下がりましたが、イベントの参戦作品数が倍近くに膨らんだので、相対的には投票数も上がったようです。この年は本当に激戦だった覚えがありますが、そんな中こういうちょっと変わった作品チョイスのMADに投票していただけたことに感謝ですね。これも今見直してもなんだかんだで好きな作品なのでした。


    AniPAFE2016




    総合賞17位。安定した評価をいただけるようになってきましたが、この年も全体のレベルが高く、ここに食い込めただけでも自分の中では満足でした。この年にデビューした、今でも活躍なさっている作者さんも多く、印象的なイベントとなりましたね。曲の面ですぐ削除される恐れもありましたが、何だかんだで今も生き残らせていただいている事に感謝。好きな作品と好きな曲で、真っすぐに作る。自分の中でのスタンスが固まってきているのがわかりますね。


    AniPAFE2017




    総合賞15位&選曲賞2位。このMADが一番好きだと仰ってくださる人もいるようで、自分の中でも相当に好きで思い入れのある作品です。届けたいメロディの劇場公開に合わせて投稿したという事や、イベントで5作品ユーフォでの参加があった事による盛り上がり。初のオルゴール使用など、色々な意味で自分にとってもターニングポイントとなった作品ですね。この頃から歌詞を入れたりテキストを挿入することを意識し始めたような気がします。選曲や構成についても、イベントで見てもらうにはどうしたら良いか、ということを踏まえつつ、自分らしさのカラーをいかに表現するか。その両立を目指した作り方を実現しようと考えるようになりました。


    AniPAFE2018




    総合賞22位&構成賞10位。この年は新たにyoutubeから参戦される方や、新人のデビューが多く、250にも渡る参戦作品数となった訳ですが、その中でもこの順位をキープできたのは十分すぎる健闘だろうなと。上位作品を見ると本当キリが無くなるレベルの高さで、それでもなんとかそこまで順位を落とさずにいられたのは感謝しかありません。6年ぶりにアイマスで作った訳ですが、これも二年連続のファンモンに合わせてみたりと、自分らしさを追求した作品作りをすることができたので満足しています。



    ・・・と、ここまで何となくですが5年連続で20位前後のポジションをキープすることができていたので今年もその位を目標にしていたわけですが、ここに来てまさかの想像を超えた高順位をいただくことができたので心底驚きました。


    AniPAFE2019




    先ほども述べたとおりに、総合賞5位&構成賞&選曲賞1位。特別賞をダブル受賞したという作品はこれまで無かった気がするので、これがいかに身に余る結果だったのかと言う事が身につまされます。ましてや総合賞で上位トップ10はおろか、トップ5に入ることなど夢のまた夢だと思っていたので本当に驚きました。ここで、今回の結果を受けて、自分なりに思ったことや分析したことなんかをちょっと書いてみたいと思います。



    ゆきのふのAniPAFE歴代戦績の推移(夏雪さん作)



    総作品数の波はある物の、安定して20~15位前後の順位をキープしている感じですね。それだけに今年の結果がいかにジャンプアップしたかがわかります。続いて総作品数に対しての、上位何パーセントに入っているかの推移のグラフです。








    これは決して自慢する訳でなく、2014年での初ランクイン以降、順当に上位への入賞のパーセンテージを上げていることがわかります。継続して参加して来た結果だという事もあるでしょうが、特に作風を変えたという訳でも無く順位が上がってきているのにも、理由はあるのでしょう。自分なりにそれを考えてみたいと思います。



    何故今年になって大きく順位を上げる事が出来たのか、第一の理由は、やはり昨年参加していた上位入賞の作者さん達が軒並み不参加だったから・・・という事が大きいと思います。具体的に名を上げるなら、昨年優勝のゆっぴさん&テラバイト☆ゆういちさん、あかみんさん、遠坂さん、inaさん、MilaNさん、Sachi_DESUさん、むーみんさんといった方々ですね。もしもこのそうそうたるメンバーが参戦していたら考えると・・・言うまでも無く順位は大きく変動していたことでしょう。全員が上位入賞していたかどうかは置いておいても、自分がベスト10入りしていた可能性は限りなく低くなっていたでしょうね。これは自虐になっているわけでも卑下する訳でも無く、客観的に見た事実ですので、そこは決してうかれる事無く受け止めなければならないことだろうなと思います。


    第二に、京都アニメーションの例の事件があった事、ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝の劇場版の公開がイベントの時期に重なったことも大きいと思います。京アニの作品に、ヴァイオレットというアニメーションに対する思い入れを持つ人や、丁度視聴していたという人が多く、MADを見ていただきやすかった、感情移入してもらいやすかった環境が整っていたという事もあるのでしょう。これは、意識してなかったかと言われれば嘘になります。もしかすると、見た方にとって投票しようという想いを抱かせる結果に、繋がったかもしれません。そういう打算が、全く無かったか?と言われれば、答えはノーです。より感情移入してもらえる作風を意識した、時期を見越した作品選びをした、それは確かです。イベントに参加するMADにするという点で、そのような意図は否定できません。良いとか悪いとかではなく、そういう要素も込みとして、全力でイベントに挑んだ結果であるのは間違いありません。


    第三に、クオリティの高い静止画作品同士で票を食い合う事になった。どうしても投票する作品を選ぶ際に、消去法で選ばれなかった作品が出てしまい、結果的にかち合わなかった切り貼りの作品が投票されやすくなる土壌ができたこともあるでしょう。こういう要素も、決して無視はできません。かけた時間や手間、クオリティを考えれば、今回自分が出したものよりも数段レベルが高く、評価されるべき作品はいくらでもあります。それでも、静止画作品で作る方々は、上位の面々と正面から戦わなければならない。その結果、印象が上書きされて投票対象から泣く泣く外されてしまった・・・そういうケースは恐らく少なくないだろうと思います。その結果を疑問に感じたり、納得できなかったりする方もいるでしょうが、そういった投票する側の心理を考察した上で、毎年上位入賞する人たちの作風を分析すると、見えてくるものがあるかもしれません。


    第四に、より見てもらうための作品選び、選曲チョイスをいかに意識するか、です。先ほど述べた通り、自分が今回選んだヴァイオレットという作品は京都アニメーションの作品であることで知名度も高く、とりあえず見てみようかという選択に入れる人もいらっしゃる事でしょう。今年も全部で157という参加作品が並んだ以上、中には全作品を見てから投票することが困難だった人もいた筈です。というか、間違いなく全作品見てから投票できた方の方が少ないのではないかと思います。これはイベントの特性と言うか問題点でもあるのですが、公平性と言う意味ではどうしても無理が出てしまい、視聴者側の環境や善意に期待するしか無い状態です。とりあえずあの作品のMADから見てみるか、あの曲がタイトルについてるから見てみようかな。そんな心理状態を乗り越えた上で、ようやく見てもらえる、その結果内容をようやく評価してもらえる。そこまでに辿り着かせるだけでも、現在は一苦労なのだろうなと思います。そのハードルを視聴する側にいかに乗り越えさせるか、157ある中から選んでもらえるか。この時点で戦略は始まっているのですが、良いとか悪いとかではなく、そういった要素も意識してイベントに参加することが重要です。



    第五に、これもあまり大きな声で言う事ではありませんが、作者の参戦経歴、戦歴、知名度、twitter等のSNSでの露出度や関わり方、普段の印象等も、確実に影響します。あの人だからとりあえず見てみよう、良かったら投票しよう。あの人なら安心だ、あの人今回はどんな作品で参加したのかな、時間ないから知り合いのだけとりあえず見てみるか。」これも良いとか悪いとかではなく、「そういうものなのだ」と割り切ることにしています。誰しも時間は平等であり、MADを見るスタンス、イベントに関わるに当たって割くことのできるリソースは限られています。そんな中で、いかにして見てもらうか、信頼を得られるかと言う事は、間違いなく影響します。自分自身も、その恩恵に預かっている部分は、ある、のでしょう。そして意識していないかと言われればそれもまた、嘘になります。人によってスタンスに違いはあるにせよ、イベントに出す以上は、きっと誰しもそういった想いを少なからず持っているものだろうと思います。


    見て欲しい、評価されたい、実力を見せつけたい、あの人に勝ちたい、あの人に認められたい、褒められたい、共感して欲しい。


    そのような考えを打算だとか評価稼ぎと言った言葉で片付けるのは簡単ですが、毎年上位に行くのは、なりふり構わずにそういった想いを作品にぶつけ、表現した人たちばかりだと思います。自分が投票した作品も、画面からそういった想いが伝わったものばかりでした。そういうことを臆面もなく表現し、ぶつけられる人たちをこそ、自分は尊敬します。



    自分の選曲賞&構成賞1位、総合賞5位という結果は、その想いを自ら表現し、そこに込められたものを、見る側に伝えることができた故に、なのでしょう。たまたま、素晴らしい曲と映像が頭の中で符合し、表現することができた。想いの強さが、見る人への共感を得ることができた。それはきっと、誇るべき事であり、胸を張るべき事なのだろうと自分で思います。うまく時流に乗った事や、運もあると思います。作品被りもほとんどなく、選曲でも印象を残すことができた。長く続けてきたことによる積み重ねや、これまでの戦績から見てもらいやすい環境にあり、一定数評価してくれる方々が存在する事。これはとても恵まれていて、有利になっている要素がある事は否めません。そしてそれを否定することもできない、否定してはいけない。


    良く悪くも、これがゆきのふというMAD作者が、一歩一歩確かに歩んできた結果です。それをしっかりと受け止めた上で、決して慢心せず、傲慢にもなることなく、これからも頑張っていくことが出来ればと思います。重ね重ね、今回自分のMADに投票してくださった方々、応援してくださった方々へ、感謝の想いを伝えたいと思います。本当にありがとうございました!



    最後に、自分が今年投票した、あるいは投票の候補に入れ、最後まで迷った作品、気になったり印象の残った作品達を貼って終わりにしたいと思います。
































































































































    多すぎィ!!でも実際この中から迷いに迷って投票させていただきました。どれも作者の強い想いや力の入れ具合が伝わる素晴らしい作品ばかりでしたね。え?テトラルキアのリーダー?えーと・・・そうみぃねえ・・・。(オチ)



    という訳で、若干文章に酔っていたり、的外れなことも語ったりしてしまいましたが、今回こそ本当にAniPAFE2019に関しての振り返りブロマガの完結です。最後まで、このような長い上に独りよがりな文章にお付き合いいただきありがとうございました!!これから先も、よろしければこんな奴を見てやってくださいませ。それではまたどこかで。


    その1
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  • AniPAFE2019に参加して。その4

    2019-12-01 22:23
    そんなこんなで、今回こそ終わらせたいと思います!前回はこちら








    ヴァイオレットの魂の叫びからのギルベルトの「愛してる」、そしてようやくラスサビに入る、という所から振り返りたいと思います。
















    ラスサビ前に音声が一旦途切れてから入る、というのは演出的にも最近見られる手法ですが、今回は一旦台詞を入れてから一息入れて、そこから感情を爆発させたいと思い、タメを作ることにしました。そして字幕の入れ方も、一番のサビと実は全く同じにしています。


    <アイ>❝愛❞ を対比させるため。これはあえて同じ見せ方をすることで、見る人に言葉の変化を、ヴァイオレットの心情の流れを理解してもらいやすくする為です。もうここまで来たならば、アイあいという三段階の変化を遂げていることを、見る方々には理解していただけることでしょう。それは正にヴァイオレットの成長であり、彼女にとっての愛という言葉から受け取るものが一番の頃とは全く違うのだという事が伝わるかと思います。全てはこのラスサビの変化をわかりやすく伝える為。何よりもこの長い動画を6分近くに渡ってヴァイオレットと共に歩んできていただいた視聴者の方々に、彼女と同じ想いを抱いてもらい、感情をシンクロさせる為です。














    自分がこの曲をヴァイオレットに合わせようと思った時に、最初に浮かんだイメージが、正にここでした。














    最初にここのイメージが浮かんだからこそ、作りたいと思いました。そしてここのイメージが頭に浮かんだ瞬間に、涙が止まりませんでした。絶対に作りたいと、そう思ったのです。ここのシーンに至るまでの道筋を構成し、見る人の感情を導くこと事が、自分が成すべき事であり、きっと自分にしかできないことだろうと。



    誰しも、MADを作ろうと思った時は、最初に浮かんだイメージというものがあるだろうと思います。ここの歌詞に、フレーズに、この場面を合わせたい、こうキャラを動かしたい、こう感情を合わせたい、と。自分にとってはここがスタート地点であり、終着点でした。愛の意味を知ったヴァイオレットが、何よりも少佐の事を切望し、でもそれが今はもう遠く手の届かない存在となってしまったことを理解し、涙する。最終回のこの独白のシーンは、本当何度見なおしても涙腺にきます。藤川千愛さんのこのラスサビの歌詞と、ヴァイオレットの心情があまりにも符合したことで、これは自分にとって作らざるを得ない場面となったのです。しかしそれを最大限イメージの通りに表現し、見る人に伝える為には、彼女の心情の変化を理解し、そこに至るまでの過程を共に歩んでもらう必要がありました。だからこその「あい」という言葉の三段変化であり、この長い曲のフル尺がどうしても必要だったのです。



    ちなみにこのラスサビに突入する最初のシーンは、コミックマーケット89で公開された、恐らくヴァイオレット・エヴァーガーデンという作品が初めて世に映像として出たであろうPVのシーンを使わせていただきました。ラスサビ突入のインパクトとしては効果的だったのではないかなと思います。他にもいろいろと試してみたのですが、これが一番しっくりきたので採用させていただきました。







    そして自分の中で一番表現したかった部分を出し終えたので、最後はもう特に奇をてらう事も無く、シンプルに落とし込みました。使ってないシーンはまだありますし、表現的にもっと派手にすることができない訳でもなかったのですが、あえて最後はあっさり気味に終わらせました。飛行手紙のシーンをバックに、ヴァイオレットが街の人々の中に溶け込みながら、無数の手紙と想いに囲まれながら、自らの中に生まれた感情の流れに静かに身を任せる、という感じです。















    本来ならば列車での最終決戦や、ディートフリードとの邂逅、ブーゲンビリア夫人との会話のシーン等も入れても良かったのですが、尺の都合や作品としての完成度、構成を考え、静かに終わらせるのがベストだと思いました。若干の消化不良は残るかもしれませんが、ヴァイオレットにとっての愛と成長の歩みをやり切った後では、それはもう蛇足だろうと判断しました。兄がワンカットも出ないのは流石に少しどうかとも思いましたが、そこはご愛敬。
















    最後は街の住人の一部として、同僚たちの優しいまなざしと、沢山の想いに包まれながら、あくまでもその中の一人でしかない、何の特別な物も持たない、ただ一人の女の子としてのヴァイオレットを、舞い散る無数の手紙の中に埋没させて終わるという、何とも静かな幕切れです。街の人々、その一人一人に何かしらの想いや物語があり、ヴァイオレットの歩んだ道も、その一端にしか過ぎないのだと。そして、きっとそれで良いのだと。そんな事を思いながら結びました。ちなみに原作だとこの時ヴァイオレットは一枚の手紙を拾い、自分の部屋に戻ってからその中身を読み上げます。そこには恐らく幼い子どもが書いたと思われる字で、ただ一言こう書かれていました。


    「げんきをだして」、と。

    それに対して、彼女は「はい」と答えます。このシーンが、自分は大好きです。











    最後は、一通の手紙が花畑の中に舞い降り、その花の名を冠する彼女が、それを手にしたまま静かに眠る・・・という最終回のシーンとEDのラストを組み合わせた終わり方です。ここについてはもう特にいう事はありませんが、一緒に歩き続けたヴァイオレットに、ただ一言、お疲れ様、という想いを抱いたことを覚えています。一緒にこのMADを作り上げてくれてありがとう、と。完全に一方的で変な話ですが、そんな事を思うのでした。














    そして、オルゴールです。いつもの奴です。結局使ってしまいましたが、やはりこのMADを終わらせるには、これこそが相応しいと思いました。メインの部分は静かに終わった物の、最後の余韻と、ヴァイオレットのこれからの未来を示唆する意味でも、このパートを入れることが必要だと思ったのです。流石に長いかなとも思いましたが、恐らくこのパートは入れて正解だったのではないかなと思います。


    最終回の、ヴァイオレットからギルベルトへの手紙の内容を、ある程度抜粋して、台詞を抽出した訳ですが、全てを収めることは不可能なので、一番彼女からの少佐への想いが伝わる部分を選択しました。最終回の本当に最後の最後で、彼女の足跡を映像で振り返りながらのこの独白シーンは、正に「歩み」に相応しかったですね。













    そしてシメです。この場面では本当はヴァイオレットは別の台詞を言っているのですが、ここではあえて少佐への手紙の台詞を、画面の口パクに合わせて語らせています。動画のシメには、それがベストだと判断したからです。アイの意味を理解することの無かった少女が









    「私は今」









    「愛してるも」








    「少しはわかるのです」






    この台詞で締める事に、意味があると思いました。そしてあえて、最終回とは対になる、第一話のタイトルを持ってくることで、始まりと終わり、を表現したつもりです。「愛」に始まり、「愛」に終わる。でも、少佐がもしかしたら生きているのではないか、そうヴァイオレットが希望を持ち続ける限り、物語は終わることはないのだと、そういった「先」を予感させる締め方となっています。果たして4月に公開が予定されている新劇場版がどのような内容になるのかはわかりませんが、あの痛ましい事件からの復活を遂げた京都アニメーション様への、自分自身の強い希望と、想いを込めて。







    Pray For Kyoani、改めてその言葉を送らせていただきます。これにて、自分がAniPAFE2019に参加させていただいた、この作品についての解説を締めさせていただきます。













    ・・・・・・・って!これで終わるつもりかーい!!イベント自体の感想や、結果発表を受けての想い、他の作品についてなんかも書くんやないかーい!って感じですが、流石にこのまま続けるとまたしても長くなってしまうので、これまた次回!!(またそれかよ!!)一旦場を変えて、再度改めてそれについては語ることができればと思います。と言う訳で、次回こそは本当の本当に最終回です!!よろしければ最後までお付き合いくださいませ。今回もこのような長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました!!ではまた。


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  • AniPAFE2019に参加して。その3

    2019-11-14 00:36
    さてさて、時間がかかり過ぎてとうとう12月になってしまいましたが、流石にこれ以上の引き延ばしは年末へとむけて色々とマズイので、いい加減に終わらせることにしましょう。前回の続きです。


















    二番の終わり、依頼人たちとの関りを通じて、ヴァイオレットがギルベルトの死から立ち直ろうとする所から再開です。正に間奏に入る所ですね。自分はいつも、MADを構成するにあたって、最後のサビ前の間奏は相当に重要だと考えます。見る側に、最後の展開に向けて感情と期待を昂らせ、引き込むにあたって、ここは毎回悩むところですね。間奏が苦手なので削るという人もいるようですが、この曲にとってこの間奏の盛り上がりは全体の構成を考えても相当に重要なポイントです。













    何よりも曲の盛り上がり方、力強さが半端ないので、映像もそれに負けない演出を考えなければなりません。ここはヴァイオレットが精神的に立ち直り、一つの答えを出すまでの過程を描かなければならないので、場面も相当に練って練って考える必要があります。ただでさえ、45秒もある長いパート。逆に言えばここで見る側に心を揺さぶるようなインパクトを与えることが出来れば、MADとしての完成度も比例して上がる筈。なのでここは相当に力を入れたつもりです。













    ヴァイオレットの歩みと共に、時が過ぎ、季節が変化していきます。その中で、ヴァイオレットが関わってきた人々が変化していったように、彼女自身も、受け取った言葉の中から様々な事を学び、成長していきます。















    そもそもの今回のこのMADには、裏テーマとして「人の中で生きるという事」「歩み」というものを設定しながら構成していました。ただ兵士として敵を殺戮するマシーンでしかなかった一人の少女が、少佐と出会い、人間としての感情を知る。その後も様々な人と関わり、その中で思い悩みながらも一歩一歩進んでいき、成長し、一つの答えを得る。ヴァイオレットが「歩む」様子は、今回自分の中で最も表現したい事でした。結果、EDで季節の流れとともに歩んでいくヴァイオレットのシルエットを使う事は自然と決まりました。ノンクレジット素材でスタッフロールが本来在った筈の場所には、これまでヴァイオレットが関わってきた人々の姿を映し、ヴァイオレット自身の視点でもって関わってきた人々の姿を、彼女が受け取ってきた言葉の一つ一つを、ゆっくりと丁寧に描写する。これによって、視聴者側にも正にヴァイオレットと一緒に彼女の歩みを振り返り、彼女が受けてきた言葉を一緒に感じてもらう事ができたのではないかと思います。


















    「ありがとう」六連発。他人への感謝の言葉と言うのは、人として生きる上で、最も大切な
    物だと思います。何より、受け取った人間にとっての最大の肯定です。例え言った側がそこまで大きい想いを持っていなかったとしても、受け取る側にとって、これほど喜ばしい、自身の価値を見出させてくれる言葉は他にありません。ヴァイオレットは、自ら歩む中で沢山の「ありがとう」を受け取って来ました。その言葉を受け取るに見合うだけの事を成し遂げ、確かに積み重ねてきました。間奏の中でもここはかなり重要なパートであり、恐らく視聴者側にとってもここで感情の波がピークに来るところなのでは無いかと思います。当然意識して構成しているとはいえ、自分でも作っていて涙ぐんでしまったので、その想いが見る人たちにも伝わったのだとしたら嬉しいですね。














    ホッジンズ社長の言葉は、ヴァイオレットだけではなく、かつて戦争に関わり、多くの人間の命を奪ってきた彼自身にも当てはまる事でした。過去は無かったことに出来ない、それでも、新たに道を歩むことはできるのだと。戦いの世界だけではない、彼女自身が確かに歩んできた道を、救ってきた人々の心を、自分の中で消す必要も無いのだと。「生きていても、良いのだ、と」









    "ヴァイオレット・エヴァーガーデン"、その名に相応しい生き方をしても良いのだと。

    いやー、この9話のシーンは作品に取っても正に一つのクライマックスというか、屈指の名場面であり、ここで終わっても良いんじゃないかってくらいの完成度なのでここに持ってくるまでの構成はとにかく頭をひねりました。あえてここでは、直接視聴者に「言葉としての」ヴァイオレットの名を耳に刻んでもらうために、台詞字幕は入れていません。演出として、それが正解だと思いました。ちなみにこのシーンは原作小説には無くて、実は完全に京アニオリジナルなんですよね。ギルベルトの死を知る展開も全然違いますし、彼女が立ち直る過程も全く違うのですが、これは本当に京都アニメーション様の演出力の高さを再確認させられました。


    間奏部分について、音声抽出ソフトの歌声りっぷを使って、サントラBGMを用いて大量の必要な台詞を抜き出す作業はなかなかに大変でしたが、ここを表現するにあたって絶対に手は抜けなかったので、この間奏部分だけで二週間くらいかかりましたね。それだけに、自分でも納得できる出来になったのではないかと思います。そして間奏が終わり、再び歌詞が戻ってくるので、ここの切り替えは実に重要です。間奏部分は台詞を挿入するために歌の方の音量は少し下げてありますが、ここで視聴する側に歌に意識を戻してもらう為にも、ここの音量変化は結構色々考えて最適と思われるパターンを試行錯誤した結果こうなりました。"ヴァイオレット・エヴァーガーデン"の名が呼ばれ、そして音量が元に戻る。見る側の感情もここで一気に引き戻してから更に盛り上げる。5:00前後の曲の展開は、実際褒めて下さる方もいらっしゃったので、演出としてここもうまくいったのではないかなーと思います。もちろん、この曲の持つ力が本当に素晴らしかったからだというのが大前提です。














    「あなたが笑ってる、その理由が私だったらいいのにな」


    この歌詞は、この曲を語る上でも最も重要なフレーズだと思います。ある意味ではエゴ丸出しであり、歌っている主観の女性にとっての、心からの、むき出しの感情そのものです。原作におけるヴァイオレットというキャラクターが、果たしてそこまでの強い感情を秘めているかどうかは、もしかしたら当てはまらないのかもしれません。けれど、この歌で作ると決めた時に、自分が最も表現したいと思ったのは、正にそこでした。一人の人間としての、一人の女性としての感情の爆発。強すぎるとも言える想い、愛の発露。自動手記人形サービスの仕事を通じて関わってきた人々の笑顔が、自分が歩んできた結果生まれたものだとしたら、それは本当に喜ばしい事であり、愛する「あなた」が笑っている理由が、自分だったらどんなに嬉しいだろう。そんな、本当に「女性らしい」強い感情を、ここで表現したかったのです。














    サムネにもなっている、「その理由が私だったら」の部分ですが、ここはわかる人にはわかる通り、ヴァイオレットのTV放送前の特報PVの映像を使わせていただいてます。







    どうしても映像としてヴァイオレットの感情を歌詞になぞらえて表現するうえで、このPVのシーンは使いたかったので、カラーレイヤーを重ねてPVの字幕を隠した上で歌詞を挿入しています。見た目のバランス的には割と上手くいったかなと思いますが、ここも結構試行錯誤していますね。クレジット隠し、字幕隠しでこういった手法を用いる人は結構いるのではないかと思いますが、さすがに一文字ずつ消すといった手間はかけられそうになかったので今回はこういう見せ方になりました。結果的に動画のサムネに相応しい感じのカットとなったので、そこは結果オーライですね。と言うか、このシーンで歌詞を画面に大きく出しても違和感が無いようにするために、これまで歌詞をセンターにおく表現をしていたという意図も実はあります。もしここまでに歌詞を一切出していなかったら、ここで突然PV字幕を隠すためだけに歌詞を大きく見せることに違和感が出るのは避けられなかったかと思われます。なので、これまであえて歌詞を前面に押し出す構成にしていたのも、ここの部分をより強調する為だったりするのです。言葉遊びや、より感情を表現するという意味での中央歌詞ドーンでもあるにせよ、一番はここでのPV文字隠しに、いかに違和感なく視聴者の感情を引き込むことができるか、という意図によるもの。実は結構序盤から構成を意識して、そういう見せ方をしてるのでありました。
















    「あなたが流す、その涙のわけも」、このシーンでもこれまで関わったキャラクター達の涙を流すシーンを入れている訳ですが、お気づきの方もいらっしゃる通り、劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝のキャラクターも含んでいます。これはMADを作っている途中で外伝を見たのでどうしても使いたくなったという事もありますが、ヴァイオレットと関わった人々を描写する上で、イザベラとテイラーの二人も含めたいと思ったからです。時系列的には少々おかしくなってしまうものの、表現したいこと、込めたいと思う物がある以上、全て注ぎ込もうと思い、ここでゲスト的にご登場いただくことにしました。ちょっとしたサプライズでもありますね。







    そしてヴァイオレットにとっての「あなた」は、依頼を通じて出会った人々を駆け抜けた上で、やはり最終的にギルベルト少佐に辿り着きます。彼女にとって笑っていてほしい、涙を流す理由であってほしい相手は、やはり唯一無二の存在である彼でしかないのです。

















    ヴァイオレットとギルベルトが、互いに感情を高め、ぶつけ合い、時には笑顔を、時には涙を見せる描写を、細かく交互に繋いでいくことで、この後の展開に向けて見る側の気持ちもシンクロさせていきます。全ては、あの言葉の為に。














    藤川千愛さんの心からの叫びがヴァイオレットの想いと重なり、そして彼女の心を揺り動かし、彼女を縛り付けることとなった、そして人生を変えてしまった言葉が浮かび上がります。


    「愛してる・・・」


    ある意味で呪いとも言えるこの言葉ですが、曲の切れ目にこの言葉を音声で入れる事。その為に動画の冒頭で、最終回のタイトルをあえて左半分だけ見せて視聴者に引っ掛かりを持たせたこと。全てが、ここを表現するための伏線であり、構成です。ここでのギルベルトの言葉により一層のインパクトを持たせ、ヴァイオレットにとっての重みを持たせるために。







    ・・・と、本当は一気に最後まで走りたいのですが、記事として長くなりすぎているので一度ここで切ります。次は間を開けずに書いておりますので、もう少しだけお待ちください。MADについて最後まで振り返った後で、今回のAniPAFE2019についての結果を受けての想いや、気になった作品等についても語ることができたらと思ってします。それでは少しだけお待ちを!!また次回!!



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