マイナンバー制度の本当の狙いは国民一人一人を監視・管理する統治システムの構築であり、民主主義の破壊
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マイナンバー制度の本当の狙いは国民一人一人を監視・管理する統治システムの構築であり、民主主義の破壊

2021-01-24 04:40

    マイナンバー法は秘密保護法と一体~

    国民が知らなければならない情報は隠し、
    政府は国民の情報を集めて独占~
    本当の狙いは国民一人一人を監視・管理する統治システムの構築


    弁護士らの声明相次ぐ 国民主権の原則の否定
     マイナンバー法の成立以降、日本弁護士連合会や各地の弁護士会、税理士、法学者、ジャーナリストなどによる「マイナンバー法」制定に反対する発言や声明があいついで出ている。自分の生活にかかわるさまざまな情報を明らかにするかしないかはその個人が決めるのであって、国や行政ではないという憲法に定められた国民主権の原則が形骸化すること、すでに共通番号制をとり入れてきたアメリカやイギリス、韓国などでは、ID情報を不正に手に入れて本人に多額の負債を押しつける「なりすまし詐欺」が頻発し、深刻な社会問題になっていることをくり返し指摘している。

     アメリカでは06年から08年の3年間で、なりすまし詐欺の被害者は1000万人をこえたとされ13年の被害届は29万件にのぼる。そのため国防総省は共通番号から離脱し、国防上の対策から独自の番号への一斉変更・転換に踏み切った。韓国でも昨年、1億件以上の個人情報が流出して大問題となった。各国とも分散番号への回帰が始まっている。

     今回の年金機構の情報流出事件でも明らかなように、ハッカーによるコンピュータ侵害は日常茶飯事で、「監督機関」を設置したり、罰則をもうけたところで防げるものではない。また情報が漏洩したとなると、さっそく年金機構を騙る不審電話が高齢者の所にかかってきており、詐欺の温床になることはだれの目にも明らかとなっている。

     にもかかわらず、何度も頓挫した共通番号制を安倍政府が躍起になって進めるのはなぜか。憲法学者たちは、マイナンバー法が秘密保護法と一体のものであることを強調してきた。国民が知らなければならない情報は隠し、政府は国民の情報を集めて独占する。マイナンバー制度の本当の狙いが、国民一人一人を監視・管理する統治システムの構築であり、民主主義の破壊であること、国民だけを丸裸にして国家統制を強め、その情報をどう使っているかは「特定秘密」とされれば国民に知る手立てなどない。いわば国民管理システムである。集団的自衛権の行使を叫び、戦争に投げ込んでいこうかという情勢にあって、一人一人の国民を徹底的な監視下に置き、国家統制を強めるものである。

     アメリカの社会保障番号(SSN)は貧困家庭をターゲットにして、奨学金を与えることを条件に兵役につかせるために利用されてきた。兵隊になりそうな貧乏人の子弟を手っ取り早く国家なり軍隊が掌握し、「家計を助けるために軍人にならないか」「貧困から抜け出そう」などといって「就職支援」するのである。そして駆り出された先のイラクやアフガンで戦死したり、帰国しても四分の一が精神を患って人間としてのまともな生活を送れないのがアメリカである。

     近年、不特定多数の中高生をターゲットとして露骨な自衛隊入隊の勧誘がエスカレートしていることが多くの父母や学校関係者のなかで問題にされてきた。昨年、自衛隊が中卒者が入学する「陸上自衛隊高等工科学校」の生徒募集のために、中学3年生の名簿を提示するよう全国の市町村に依頼し、実際に約200市町村から氏名や住所などの情報を入手していたことが明らかとなった。またそのさいに防衛省が全国の自治体に自衛隊員の募集対象者の個人情報を提示させることができるよう自衛隊法に定めていることも露呈した。こうした案件も、総背番号で管理するなら防衛省の机の上から手にとるようにわかるようになる。個人情報を一元的に管理すれば、子どもたちの氏名、住所、家族構成はもとより、その家庭の経済状況まで把握でき、「効率的」にターゲットをしぼることができる。
     近年、監視社会の網の目が隅々に張り巡らされ、街中には監視カメラが山ほど設置されてきた。車ならNシステムで一発で行動が把握でき、携帯電話も当局が目をつければどこにいるか把握したり、盗聴したり、好きにできるようになった。極めつけが国民総背番号(マイナンバー)制で、こうした一連の国民管理システムが戦争政治と一体の国家統制としてあらわれている。国民の利便性ではなく、政府なりアメリカの利便性最優先の制度であり、権力側が秘密を増やすのとセットで国民の情報はプライバシーや人権などどこ吹く風で一手に握っていくものとなっている。


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