アベノミクス円安はメリットか?
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アベノミクス円安はメリットか?

2013-05-19 16:27
    ドルに対して円の価値が25%下落したことは、「アベノミクス」が日本の活力を取り戻せることを確信させる最も有効な要素の一つである。しかし、円安にはメリットばかりではなく代償があることも忘れてはいけない。メリットが代償を上回る場合のみ、円安は経済成長に寄与するだろう。

     その代償はエネルギー、原材料、食料、製造部品の輸入価格が上昇している。競合企業に対する日本企業の費用優位性が生まれたことで輸出拡大が期待できるというメリットはあるが、この傾向はまだ見られない。どの程度のメリットがあるかも不透明だ。

     もう一度、代償について確認しよう。円安の状況では、原油、自動車部品などのドルの価格が変わらない場合、日本が原油や自動車部品を同量手に入れるのに、より多くの円を払わなければならなくなる。昨年9月から今年3月にかけて日本の全貿易相手国に対する円の名目価値は18%下落した。同時期、単位当たりの円輸入価格は18%上昇した。

     結果、昨年9月以降、価格調整後の実質輸入量は5%減少したが名目輸入金額は12%上昇した。つまり、日本は5%少ない輸入量を確保するのに、12%多く支払ったことになる。

    インフレ期待をもたらすことから、日本にとっても悪いことではない、と言う人もいるかもしれない。が、これは経済学的にはナンセンスだ。インフレには「よいインフレ」と「悪いインフレ」があり、後者は経済成長に悪影響をもたらす。より少ない量を獲得するのにより多くを支払うのは悪いインフレである。

     原油といえば、多くの人は日本の貿易赤字が定着しているのは福島第一原子力発電所事故の影響で、日本が鉱物資源をより多く輸入するようになったからだと考えているかもしれない。が、原子力は日本の電力の30%を供給しているにすぎず、日本の総エネルギー消費の10%程度である。日本の原油やLNG(液化天然ガス)など鉱物資源の輸入量は、2011年2月~13年2月までわずか6%しか増えていない。
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