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【自然災害メモリアル】第027回:慶長会津地震(1611)の日 [防災]地表加速度
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【自然災害メモリアル】第027回:慶長会津地震(1611)の日 [防災]地表加速度

2018-09-27 18:00
    どうも、
    管理者のNDです。

    今日、9月27日は
    慶長会津地震から407年です。

    M6.9の地震で死者が約3700人という当時の大震災でした。
    地滑りや山崩れが多発し、阿賀川が堰き止められた影響で23集落が浸水しました。
    また、この地震で"山崎湖"が形成され、消滅に34年~55年の歳月がかかったといわれています。
    直下型だったこともあり、場合によっては相当な加速度を記録していた可能性があります。

    そこで今回は、
    「地表加速度」をテーマにお伝えしていきます。

    数日前にちょっと話題になったので、今回は深堀して書こうと思います。
    まず、加速度は"gal"で表されます。
    このgalは非国際単位ですので、国際単位に直す時は「cm/s/s」を使います。
    ※「s/s」とはs^2のこと。以下、s^2で表記
    そして、cmを100倍したものであるm/s^2が最も一般的です。

    理科の物理を習った人は「1G=9.8m/s^2」という公式がわかると思います。
    この「m/s^2」を100倍した数値が「gal」になります。

    そしてこの「G」は地球の重力、この公式に当てはまると
    詳しい値が、1G=9.80665m/s^2
    つまり、地球の重力は約980galと表します。
    この値は基本的に大きければ大きいほど強い地震の傾向になります。
    しかし、必ずしも高いというわけではありません。
    同じ震度でも揺れの周期で定義となるガル値は大きく変動するために、
    周期が短ければ1000ガルでも震度6弱、周期が1秒に近ければ200ガル程度でも震度6弱というように
    定義が変わってきます。その定義図は気象庁にサイトがありますのでこちらもご参考ください。

    気象庁|震度と加速度
    https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/kyoshin/kaisetsu/comp.htm

    ニコニコ大百科に例えがありますが、実感がわかない人に説明すると
    電車のガタンガタンとか、ガタタタタタタタとかそういう感じの揺れは人がよろめかないが、
    ポイント(分岐)を曲がると、人はバランスを崩しやすいと言えば、実感がわきやすいと思います。

    具体的にどういう数値が危ないのかを今回ご紹介します。
    折角なので、海岸の地震や様々な加速度も併せてどうぞ。

    これは、自分の放送でたびたび紹介したテンプレートですが、
    意外に結構サイト巡っても中々一覧が見当たらなかったので、ここで一覧にしてみました。
    ※別に普通にどこかにあるかもしれない
    折角なので、Gや加速度をもとにした日常に触れるものもガルに変えてみました。

    【国内】
    1923年関東大震災・・・・・・300~400ガル(基準330ガル)
    1948年福井地震・・・・・・・500~600ガル

    1978年宮城県沖地震・・・・・430ガル
    1995年兵庫県南部地震・・・・891ガル
    2000年鳥取県西部地震・・・・1142ガル
    2001年芸予地震・・・・・・・853ガル
    2003年宮城県沖地震・・・・・1305ガル
    2003年十勝沖地震・・・・・・986ガル
    2004年新潟県中越地震・・・・1750ガル
    2004年新潟県中越地震(余震) ・2516ガル
    2005年福岡県西方沖地震・・・489ガル
    2007年能登半島沖地震・・・・945ガル
    2007年新潟県中越沖地震・・・813ガル
    2008年岩手・宮城内陸地震・・4022ガル ※世界最大記録
    2011年東北地方太平洋沖地震・2934ガル
    2014年長野県神城断層地震・・589ガル
    2015年小笠原諸島西方沖地震・183ガル
    2016年熊本地震(14日)・・・・1580ガル
    2016年熊本地震(16日)・・・・1362ガル
    2018年大阪府北部地震・・・・806ガル
    2018年胆振東部地震・・・・・1504ガル

    こうしてみるとなんとなくわかると思いますが、直下型の地震は、galが上がりやすくなります。これは地震の開始直後に周期1秒未満の短い揺れが震源地付近を襲っているからと言えます。

    【世界】
    1960年チリ地震・・・・・・・・・294ガル
    1964年アラスカ地震・・・・・・・177ガル
    1994年ノースリッジ地震・・・・・1668ガル
    1999年台湾大震災・・・・・・・・991ガル
    2010年カンタベリー地震・・・・・1236ガル
    2010年チリ地震・・・・・・・・・765ガル
    2010年ハイチ地震・・・・・・・・491ガル
    2011年クライストチャ-チ地震・・・2158ガル
    ※この値は元データのGをgal換算(1G→981gal)にして四捨五入で求めたため、数値が異なる場合があります

    【参考加速度一覧】
    無地震時の一般的な振動値上限 ・・・0.4ガル
    "震度1"の最小定義 ・・・・・・・・0.6ガル 上記では0.8としたが記録上ではこの値がある
    1秒で1km/hの加速・・・・・・・・27.8ガル
    JRの車両(103系)の加速度・・・・・55.6ガル
    N700系新幹線の力行 ・・・・・・・72.2ガル
    乗り心地の良いエレベーター・・・ 90.0ガル 某大手が研究の上、算出した値らしい
    東京スカイツリーのエレベーター ・・・・100ガル
    在来線非常ブレーキ(基本値)・・・・125ガル
    阪神5001形(ジェットカー)の力行・・・・125ガル
    月の重力・・・・・・・・・・・・・162ガル
    民間ジェット機の一般加速度・・・・333ガル
    自動車2種免許の急発進定義 ・・・・392ガル この値を試験で超えると失格
    戦闘機の力行・・・・・・・・・・・556ガル
    地球の重力・・・・・・・・・・・・981ガル
    ジェットコースター『ド・ドドンバ』・・・・・3677ガル 富士急にあるアトラクションの最大G
    戦闘機パイロット訓練最大加速度・・・・8800ガル
    車が時速50km/hで壁に衝突時・・・9800ガル 自動車が1m進んだ場合。0.5mだと倍になる
    人類が実験で耐えた加速度・・・・・45300ガル ホロマン空軍基地のGフォース実験。
    日本航空123便墜落事故・・・・・・ 98100ガル以上 100G以上の衝撃が乗客に襲ったとされる
    人類が耐えた最大重力加速度・・・・176383ガル ※デビッド・パーレイという元F1レーサー

    ちなみにこの値はもう少し理系にわかりやすく言うと、
    地震は3成分合成和です。それ以外は普通の平行ベクトルです。
    ※3成分とは、X-Y X-Z Y-Z。高校の数学Bで習う空間ベクトルって、こういう所で使われていますw
    ※尚、実際に横軸・縦軸・奥行軸の各最大値があり、実際に合成和を求めようとした人、
     多分公式があっていても、そのデータでは3成分合成和の最大値にならないはずです。

     ヒント:"それぞれ"の最大値 地震は一瞬じゃないよ

    ちなみに実際の地震から合成和や計測震度を出そうとするとすげぇ大変なので頑張って。
    自分は嫌になって投げました☆
    https://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/kyoshin/kaisetsu/calc_sindo.htm
    最後になりますが、地震には「ガル」の他に
    「カイン」という、地震動の最大速度で一秒間にどれだけ変位するかを表す単位もあります。
    被害の大きさなどの算出はこちらが参考になりやすいです。・・・が、こちらの説明はまたいずれ。

    今日の記事は以上です。
    皆さんの防災意識に"地震"の関心を少しでもプラスすることができたら嬉しいです。
    ちなみに今日は御嶽山噴火の日でもありますが、敢えて今回はメジャーな話題ではなく、
    地震の話題で作り通しました。そっち方面の記事期待していた方は申し訳ありません。

    明日もどうぞお楽しみください。
    尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。
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