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【自然災害メモリアル】第203回:浦河沖地震(1982)の日 [防災]揺れ方の特徴を知る
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【自然災害メモリアル】第203回:浦河沖地震(1982)の日 [防災]揺れ方の特徴を知る

2019-03-21 21:00
    どうも、
    管理者のNDです。

    3月21日は、
    浦河沖地震(1982)から37年です。

    北海道の浦河沖震源で発生したこの地震は、浦河町で震度6を観測したほか、
    札幌を始め、小樽・帯広・岩見沢・苫小牧といった主要都市でも軒並み震度4を観測し、
    青森でも同様に震度4を観測する、広範囲に大きな揺れが襲った地震となりました。
    当然ですが当時は地震計が各市町村には設置されていない時代ですから、
    この周辺の地域ではもっと強い震度を観測していた可能性は十分にあります。
    実際に、札幌市内は震度5相当の揺れに見舞われたという記録も残っています。
    また、地震は関東や中部地方まで揺れが届きました。

    この地震で死者はいませんでしたが、ブロック塀や自動販売機が倒れるなどの被害をはじめとし、
    浦河町では窓ガラスがかなりの家屋で割れて地面に散乱する結果となったほか、
    浦河の地震計が落下して破損するといった観測機器にすらダメージを与える程の地震でした。

    また深さ40kmながらも、M7.1であったことから小規模ながら津波も観測し、
    浦河港で80cm、青森の八戸でも28cm、観測しています。

    今回は、
    「揺れ方の特徴を知る」をテーマにお伝えします。

    大地震に見舞われると一言に行っても、地震の揺れ方は割と多種多様に存在し、
    論理的に「長周期」「キラーパルス」などと言われても中々ピンとこない人が多いと思います。
    個人的には実際に大地震を経験してみないとこういうワードの怖さというのは
    中々わからない点も多いと感じています。そこで今回は揺れ方というのを"周期"という言葉は
    あまり用いらずに、それぞれの恐怖心がどのようなものかを少し紹介します。

    大きく震源は陸と海、それぞれ直下型地震・沖合の地震という分け方がされて、
    その中で震源に近いか遠いか、そして深発地震などの揺れ方と言った形で
    大体5パターン程存在します。

    その中でも一番怖い揺れ方をするのは、圧倒的に陸地震源で近い場所の揺れ方です。
    規模に応じますが、中~大規模程度だとおよそ震源から100km離れたところぐらいまでは
    恐怖心を感じる揺れ方になりやすく、体感震度が計測された震度よりも強く感じることが多いです。
    実際に去年の大阪の地震では、震度1に満たなくても、特に高槻・茨木・枚方・箕面の方を
    中心に僅かな反応でさえも当放送では「揺れた」の報告が頻繁に上がっていました。
    つまり、本震は体感的には6弱ではすまないぐらいの大きな揺れ方をした可能性は十分にあった
    ということになります。

    次に震源が近いながらも沖合の地震だと、同じ震度の場合は直下型のと比べると
    揺れが長くなります。規模が基本的に強ければ強いほど地震の起きる時間は基本的に長くなり、
    直下型でも生じますが、被害を伴う程の長い揺れ方が高層階を中心に多くなっていきます。
    海溝型の地震は特に、低層の建物よりも高い建物の方がこういった地震に弱く、
    揺れが大きくなりやすいです。

    そして震源が遠いと、基本的に直下型などは一気に揺れは衰えます。例外も多々ありますが、
    基本的には少し恐怖を感じながらも被害が出るほどの揺れはなくなんとか収まりさえすれば、
    しばらく恐怖感の余韻が残るだけで、そのうち落ち着きます。震源から離れると小さな余震では
    まず感じることもなくなります。実際に熊本地震の時は今年にもなれば福岡市ほどまで離れると、
    そう頻繁に地震の揺れを感じることはなくなっていると思います。ある意味では直下型は
    ピンポイントじゃなければ被害になりにくくなるので、大規模な地震じゃなければ支援等は、
    早期の段階で近い場所から届けることが可能とも言えます。

    逆に震源が遠くても、海溝型・沖合型の地震では遠い範囲まで揺れが及ぶために、
    大地震の中心地は長い時間孤立が続くことも考えられます。災害の長期化という意味では、
    海溝型地震の方がより怖さを感じる方が正しい感覚とも言えます。
    尚、遠い位置での揺れ方は大きな揺れではないが、とにかく長い揺れ方をします。
    関東で実際に新潟県中越沖地震や、宮城県沖地震は1分以上続くような揺れ方をしました。
    三陸沖に至っては、桁違いの規模ですが3分を超える地震を感じ続けていますから、
    これが南海トラフ巨大地震になれば、関東から九州まで2分以上の地震が強かれ弱かれ、
    ほぼ全域で感じることになると思います。しかし、この感覚を知っておくと仮に
    緊急地震速報を知ることができない環境に置かれていてもどこかで大地震が起きたのではないかと
    察知することが可能ですから、一度でもこの揺れ方を経験しておくと、普通の地震か、
    どこかで災害クラスの地震が起きているのではないかと異常を感じることができる地震か、
    区別することができると思います。

    一つだけ、例外なのは深発地震の揺れ方です。この地震は主に東日本側でしか感じることがなく、
    深発地震自体は、九州や中四国では珍しいと感じることが多いです。
    基本的に深発地震が起きる場所はほとんどの場合定まっているので、
    一度も起きたことがない震源で深発地震が起きることは極めて稀で、
    遠方の深発が起こりやすい場所なら余程の相当大きな規模ということになります。
    揺れ方としては、基本的に長い揺れ方をすることが多く、その中で違和感が強い地震になります。
    東日本大震災の揺れ方と少し似ているようになりますが、しばらく経ってから揺れが強くなるという
    不思議な揺れ方をするケースがあり、人によっては不安になるような揺れ方をします。
    いずれにしても、上のような大地震と勘違いすることも多いのですが、
    M6級の深発地震でも、たまに2分近く揺れることもあるので注意は必要です。

    いかがでしたでしょうか。今回は5パターンに分けて地震の揺れ方を紹介しました。
    地震の揺れ始め方としては、結局は震源に近い方が恐ろしいことが多いです。
    しかし、そんな揺れにも恐れずにまずは一度起震車などで実際にあった地震というものを
    経験する方が揺れ方による違いというものを経験できるので良いかもしれません。
    但し、起震車にも揺らし方には限界があり、実際に1mの断層がずれ動くところまでの感覚など、
    精密な再現というのは難しいようです。参考程度に感覚を養い補う形で試乗してみると良いです。

    今日の記事は以上です。
    皆さんの防災意識に少しでもプラスすることができたら嬉しいです。

    明日もどうぞお楽しみください。
    尚、感想はブロマガコメント欄でも放送内のコメントでもお気軽にどうぞ。
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