私による”ゴミ映画”作品
『エル・シュリケンvs悪魔の発明』だが
なんと!
今でもまだ撮影が続いている!
しかしながらそれは決して予定外の事ではない!
そういうスケジュールで
のんびりと作っているのだ!
一昨日の私は『ミヤネ屋』に出演した!
番組の最後に
『エル・シュリケンvs悪魔の発明』
の宣伝をさせてもらえると言うので
デザイナーの「笹田子爵」に依頼した
制作途中のポスターイメージを用意して
番組に挑んだ!
ここ最近の私の小さなブームは
「ピンバッジ」だ!
TV出演などでスーツを着用する際には
必ず何かしら私なりの”その日”を表す
「ピンバッジ」をこっそりつけている!
覆面レスラーによるアクション活劇を宣伝できるのだから
ここはそれにちなんだ「ピンバッジ」をつけるべきだ!
かくして装着した「ピンバッジ」は
メキシカン・プロレス「ルチャ・リブレ」の英雄
”暴風仮面”「ウラカン・ラミレス」だった!
現在ではたいそうポピュラーとなった固め技
「ウラカン・ラナ」
の生みの親として知られている選手だ!
しかしこの日私がこの「ピンバッジ」を付けた意味は
「ウラカン・ラミレス」の経歴にある!
そもそも「ウラカン・ラミレス」は
実在する選手ではなく
映画の主人公だったのだ!
1952年に「メキシコ」で製作されたアクション活劇映画
『ウラカン・ラミレス』
がヒットしたため
その翌年に実際の選手として登場し
国を挙げての人気者となったわけである!
私が無理矢理生み出した覆面ヒーロー
「エル・シュリケン」さんを宣伝するには
全てにおいて手本となる人物が
この「ウラカン・ラミレス」なのだ!
『ミヤネ屋』ではコメンテイターとして
元・阪神タイガース選手の
「赤星憲広(あかほし・のりひろ)」氏と
席を並べて出演させていただいた!
『ひろぐ』を多く読んでいただいた方々であれば
皆さんご存知の通り
私は「野球」という競技のルールすらよく知らない!
なので番組中に失礼のないよう
「赤星」氏が現役選手時代に
一体どんな活躍をされた方なのかを
知人に尋ねてから出演に挑もうと考えた!
するとだ!
「大王」と名乗る私に対して
彼は「盗塁王」だそうではないか!
”盗賊”
”盗品”
”盗難”
”怪盗”
「盗」という字が入っているのに
それが他人から褒められる事はまず無い!
「野球」を知らない私が褒める唯一の「盗」と言えば
かつおの内臓を塩辛にした
「酒盗(しゅとう)」ぐらいのものである!
「野球」たるもの本塁を含む4つの塁がなければ
ゲームは成立しないと聞く!
そんな4つしか無い大事なものを
誰よりも沢山盗んで”王”と呼ばれる人物など
相当な悪党に違いないと私は予測した!
「塁を盗まれたぁ!」
と泣きながら帰宅する子供達を
陰でげへへと笑う大悪党を想像した!
ばさばさの髪で顔のほとんどは髭に覆われ
凶暴な野獣の毛皮をチョッキにしてまとい
”塁”のついでにさらった町娘達をはべらせ
盗んだ”塁”を盃にして密造した酒を飲む
そんな無頼漢の登場に緊張した!
ところがだ!
いくら周囲を見渡しても
私がイメージする”盗みの王”は見当たらなかった!
かわりに私の隣に座っていたのは
聡明でジョークのセンスも高く
清潔感にあふれた
実に気持ちのいい男子だった!
これが!
これが”塁を盗む王”なのか!
聞けば盗んだ”塁”の数だけ
「車椅子」を寄贈した英雄との事!
素晴らしい話だ!
「盗塁」というのが
ルール上どういう行為なのか
よくわかっていない私なのだが
なにしろ番組放送後に
「一緒に盗塁をしましょう!」
とお願いして写真を撮っていただいた!
写真を見て思ったのだが
王の「盗塁」の表情は実に穏やかだ!
私が思っている「盗塁」は
多分間違いだ!
はてさて!
「盗塁」を終えた私は
その足で「東京」へと向かった!
まずは今年中に上演する
とある舞台の会議に出席するためだった!
キャスティングがほぼ固まり
その中にまたしても大物格闘家の名前があった事で
たいそうひろいだ!
翌日の「東京」は快晴だった!
ほかほかに暖かい陽気だった!
そんな中で私は
高円寺にある格闘技ジム
「U.W.F.スネークピットジャパン」
に向かった!
『エル・シュリケンvs悪魔の発明』の撮影のためだ!
「エル・シュリケン」さんを含む撮影隊を
待っていてくれたのは
ジムの経営者である
「宮戸優光(みやと・ゆうこう)」さんだった!
かつては格闘技団体「U.W.F.インター」にて名を馳せた
名選手である!
Piper第2回公演
『ニコラス・マクファーソン』の際には
”人間風車”「ビル・ロビンソン」氏出演のため
仲介人として立って頂いた方で
当時はよく一緒に飲みに行っては
格闘技界の裏話などに興じ
楽しく遊ばせていただいた!
我々はそれ以来の再会だった!
「エル・シュリケン」さんは
そんなジムの片隅で
たいそう緊張していらっしゃった!
黙々と柔軟体操をしては
ジムの中を目的も無く
徘徊したりしていらっしゃった!
なにしろその日に共演する人物は
あまりにも偉大な「レスラー」だったからだ!
”メヒコの三日月”を自称する「エル・シュリケン」さんですら
知り合いのために文房具さんで買ったサイン色紙を
数枚持参したほどのビッグ・ネームだった!
かくして!
とんでもない存在感で登場したのは!
『ひろぐ』では
「キャッスラー(お城マニア)」としておなじみ!
「ドラゴン」こと
「藤波辰爾(ふじなみ・たつみ)」選手だった!
「王立新喜劇」に出演していただいたよしみで
『エル・シュリケンvs悪魔の発明』への出演を
快諾していただいたのだ!
少年時代のヒーローが
大人になってからの遊びに付き合ってくれる!
これほど幸せな事はない!
奇遇にも「ドラゴン」は1975年
新日本プロレスにて
たった一度だけ来日した覆面レスラー
「ヒューラカン・ラミレス」
と試合をして敗れている!
この「ヒューラカン・ラミレス」こそが
前日『ミヤネ屋』で私の胸に輝いていた
「ウラカン・ラミレス」だ!
英語で言う「ハリケーン」に当たる
「スペイン語」の「Huracan」!
スペイン読みで「ウラカン」なところを
英語読みして「ヒューラカン」となったわけだ!
その理論を辿れば
Piperリーダー「喜劇王・川下大洋」のかつての芸名
「はりけーんばんび」も
メキシコやスペインに行けば
「ウラカン・バンビ」となる!
たまには彼を
「ウラカン兄さん」
とか呼んでみようと思う!
短時間のうちに
素晴らしい撮影が成された!
「ドラゴン」による指導の下!
「エル・シュリケン」さんは見る見るうちに
「レスラー」として成長した!
撮影後は「ドラゴン」に
「ちゃんとプロレスをやってみない?」
などと言われていた「エル・シュリケン」さん!
冗談にしてもうらやましい話だ!
あ!
しまった!
この私の発言によって
「エル・シュリケン」が
そもそもあまりプロレスに興味の無い人物である事が
ばれてしまった!
そこから「吉本興業」東京本社に移動した撮影隊は
次の撮影に取りかかった!
「ドラゴン」ぐらい大きな人と会った後では
小さな人が本当に小さく思えた!
「藤波辰爾」さんが”大龍”ならば彼は”小龍”!
(「ブルース・リー」の中国語表記は「李小龍」!)
このシーンの主人公はなぜか目を腫らせた
「ナインティナイン」の「岡村隆史」君だった!
思えば『エル・シュリケンvs悪魔の発明』は
とんでもない豪華キャストによる映画である!
撮影を終えて解散し
私は帰阪した!
その足で「国木田かっぱ」さんが
一昨日「道頓堀」にオープンさせたバー
「USA・GI」に駆けつけた!
そもそも「かっぱ」さんが
お客としてよく通っていたという
「USAGI(うさぎ)」という名の
ひっそりとした店!
そんな「USAGI」を
「USA」と「GI」に区切って
「エルヴィス・プレスリー」をテーマとした
たいそう楽しいバーにしてオープンさせたのだ!
多くの小劇場俳優が集っていたその中には
なんと作詞家であり音楽評論家の
「湯川れい子」女史が一人で飲んでおられた!
彼女は有名な「エルヴィス・マニア」だ!
せっかくの機会なので隣に座らせていただき
ずいぶんとお話をさせてもらった!
知人に話しても「へぇ」としか反応されない
ここ数年の「グラミー賞」の傾向などを
当然お互い手加減なしに
存分に語り合った!
「自分の娘がテイラー・スウィフトを聴いていたら
お父さんもお母さんも安心するでしょう?
そんな構造から久々にファミリー音楽が生まれて
彼女のグラミー独占があったと思うんです!」
「それは間違いないわね!
それで次の年に現れたアデル!
あそこまで”昔の男”に恨みを語る歌詞は
私にはよくわかんないんだけど!」
「確かに!
けどそんなイングランドから出て来たアデルがあってこその!」
「今年のマムフォード&サンズ!
あれは素晴らしいわよ!」
「そうなんですよー!」
同業者同士ではなかなか話せない話題も貴重だった!
歌詞を書く事と脚本を書く事の
相違点や共通点!
そしてお互いにやるべき事!
やってはいけない事!
そんな話題を「湯川」女史とどっさり語り合った!
ものすごくひろいだ!
またお会いする事があれば
もっともっと色々なお話をしたい
そんなチャーミングな淑女だった!
「赤星憲広」氏!
「エル・シュリケン」さん!
「宮戸優光」氏!
「藤波辰爾」選手!
「岡村隆史」君!
「国木田かっぱ」さん!
「湯川れい子」女史!
ものすごく沢山の人に会い
ものすごくひろいだ!
けどふと思えば
それらはすべて
たった2日ほどの出来事だった!
幕開けが”暴風仮面”だったにふさわしい
そんな30時間ほどの出来事だった!
毎日が長い!
1日が始まってもなかなか終わらない!
これこそ私が願う
「長く生きる法則」に従うものだ!
私は今日もひろぐわけである!