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  • 【森田専務の恋愛よももやま日記-2】 オンナとオトコの隠語

    2017-11-18 23:38

    こんにちは。桃山商事の森田です。

    「恋愛よももやま日記」は私の個人ブログになります。ここでは、放送の前日譚や後日談を中心に、恋バナを理屈っぽく綴っていきます。



    第二回生放送は、二村ヒトシさんをお迎えして、「オンナとオトコの隠語祭り」をお送りしました。二村さんのおかげで、いつもよりハイテンションな“祭り”となりましたし、隠語の面白さも存分に引き出されたように思います。


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    隠語祭り実行委員会の面々

    そもそも隠語とは、「特定の社会・集団内だけで通用する特殊な語(デジタル大辞泉)」のことです。この1か月、メンバーそれぞれが周囲に「隠語をくれ!」と取材した結果、集まった隠語は
    60個以上。まず、その数に驚きました。
    みんな結構使ってるんだな。
    そうやって集めた多様な隠語を一覧にして眺めたときに、その作られ方によって、“言い換え系”と“命名系”という2つにグルーピングできることが見えてきました。それぞれ異なる特徴や魅力があるため、2回に分けて考えていきたいと思います。
    今回は、“言い換え系”の隠語です。

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    放送で紹介した隠語たち

    ★★
    “言い換え系”の隠語は、直接口には出しづらい言葉を、それとわからない別の言葉に置き換えているものです。女子会で「セックスの話」を「塗り絵」と言うとか(由来はSex and The City)、女友達同士のやりとりのなかで「仮性包茎」を「仮性→火星→マーズ」と隠語化しているという話もありました。

    “言い換え系”の隠語は、特定の業界の専門用語(ジャーゴン)が転じているケースが多いのも特徴です。証券会社に勤めている私の友人は、証券の売買の成立を示す“約定(やくじょう)”というジャーゴンが、男女一線を越えることの隠語として使われていることを教えてくれました。もとよりジャーゴン自体が隠語的な言葉であり、それがさらに隠語化するという、いわば“二重の隠語”になっているのが構造的に面白いと思います。

    ★★★
    さて、“言い換え系”の隠語を考えるうえでのポイントは、「なぜ、その言葉を隠語にするのか」という点です。
    いや、直接口に出すには憚られる言葉だからでしょ、と思われるかもしれません。
    もちろんそれは大きな理由のひとつなのですが、そこだけに限定してしまうと、隠語の持つ魅力を捉え損ねることになるように思います。

    たとえば、清田が知人の女性に教えてもらった「ミラノサンド
    ABC」という隠語は、ドトールのミラノサンドの種類(A=定番の生ハム、B=シーフード、C=期間限定メニュー)にかけて、「本妻(彼女)=A、愛人=B、セフレ=C」と言い換えたものでした。このとき必ずしもABCという序列があるわけではなく、Bの潮の香りにも惹かれるけど、なんだかんだAの安定感はすごいし、Cもたまに味わうのにはいいかな……、といった気分が表現されているそうです。

    愛人やセフレは、一般的には避けた方がよいネガティブなポジションとして捉えられがちですが、「そっちのが楽」という場合だってあるわけです。それは「私が選択すること」であり、その意味でまさにメニューであるところの「ミラノサンド
    ABC」が気分的にもフィットしたということなのでしょう。
    ただし、これは能動的にその立場を楽しんでいる人だからこそポジティブな意味になるという話であって、「相手をなし崩し的に愛人やセフレにして、本命への昇格を匂わせつつ、気持ちやセックスを搾取して苦しめている人」の免罪符にはなりません、念のため。

    話を戻すと、つまりある言葉を隠語に言い換えるのは、そのように表現した方が「気分に合うから」とか「感覚にフィットするから」という側面も大きいように思うのです。だからこそ隠語には、それを使う人たちの価値観や感覚がソリッドに反映されるのだし、特別に仕立てられた「オリジナル」な言葉であるがゆえに、そのコミュニティーにしか存在しない独特のリズムを持ったコミュニケーションも生むのだと思います。

    ★★★★
    “言い換え系”の隠語のもう一つの事例として最後に触れておきたいのが、「恋人同士の隠語」です。その例として放送の中で最初に紹介したのが、“いつもの先輩”(男性、41歳)が寄せてくれた隠語「修二と修子」でした。
    これは元カノとの間で使われていた隠語で、“いつもの先輩”の名前が修一(「修」は仮名)なので、彼女が彼の性器のことを「修二」と呼んでいたそうです。用例は「修二さん元気になってるよ」とか、「そろそろ修二を」といった具合で、なんかほっこりしますよね。
    ちなみに「修二」と言い出した元カノはこれまでに数人いたらしく、“いつもの先輩”いわく、「名前に数字が入っている人にとっては『あるある』なのではないか」とのことですが、どうでしょうか。心当たりのある方はご連絡下さい。

    あと、「修二」と言っていた元カノのなかで一人だけ、自分の性器を「修子」と呼んでいた方もいたそうです。こういうことを憶えているところが“いつもの先輩”だなあと思います。(“いつもの先輩”が常連投稿者として大活躍している
    podcast番組『二軍ラジオ』もぜひ聞いてみてください)

    生放送中にいただいたコメントのなかで、「恋人同士の隠語には独特のエグみがある」といった感想があったのですが、おそらく、それが恋愛空間という密室の、さらに奥にしまわれている最陰部だからではないでしょうか。
    いつも番組にエピソードを投稿してくれる会社の後輩女子は、「隠語あったんですけど、ちょっと恥ずかしくて投稿できませんでした。でも、みんな似たようなことやってるんですね」と、放送を観た感想をくれました。
    やってんですよね、きっと。

    翻って、「なぜ、その言葉を隠語化するのか」を考えてみると、恋人同士の“言い換え系”の隠語は、もともとは言いづらい言葉を伝えるという必要性によって生まれることが多いのでしょうが、繰り返し使われるうちに定着して、やがて二人の間で特別な響きを持つようになるのだと思います。
    それは当然だけど別れたら死語”になってしまうものだし、二人の中でも流行り廃りがあるわけで、そう考えると随分儚い言葉です。
    あ、不死鳥のように蘇る「修二」みたいな隠語もたまにあるわけですが。

    ★★★★★
    ということで、今回は“言い換え系”隠語について改めて考えてみました。次回は“命名系”隠語について振り返ってみたいと思います。

  • 【森田専務の恋愛よももやま日記-1】 キューバと大江健三郎

    2017-10-28 20:43

    こんにちは。桃山商事の森田です。

    【恋愛よももやま日記】は、私の個人ブログ的なものになります。ここでは、放送の前日譚や後日談を中心に、恋バナを理屈っぽく綴っていきたいと思っています。
    清田代表とわっこ派遣社員のブログも近日中に立ち上がる予定なので、そちらもお楽しみに。


    さて、放送からだいぶ時間が経ってしまいましたが、初回生放送は「恋の©マーク」でした。この©マーク問題、もともとは妻と私の間で起こったできごとがきっかけで考えたテーマでした。

    これは放送のなかでは紹介できなかったエピソードなので具体的に書きますと、ことは私が少し前にオードリー若林正恭の新刊『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を読んだ直後に起こります。
    この本は著者がキューバを一人で旅したときのことを綴った旅行記で、ただの旅本に留まらない刺激的な内容なのですが、何よりもハバナの街が魅力的に描写されており、私の読後一番の感想は「キューバ行きてえな」でした。
    一方、妻は数年前に一人でキューバを旅行したことがあり、旅のようすと街が最高だったという話を帰国直後に話してくれていました。そんな彼女に若林本の感想をたずねられたとき、私は読後の興奮そのままに
    「キューバ、いいよ!」
    と口にしたのです。この「いいよ」という言い方にはおそらく、
    「君は知らないだろうけど、キューバって『いい』んだよ」
    というニュアンスが乗っかっていたのだと思われます。彼女からしたら、
    「いや、キューバが『いい』ってのは知ってるから。私、実際に行ってるから」
    と思いますよね。それで彼女の顔が曇ったのを見て自分の失言に気づいたんですが、私はこういうことをよくやります。


    例えば、学生時代に買って以来10数年に渡って積ん読になっていた大江健三郎の『万延元年のフットボール』をふと読んだらぶっ飛んでいて最高に面白かったため、妻に
    「大江健三郎、いいよ!」
    と言ったことがあります。まあ、ノーベル賞作家をつかまえて「いい」も何もないんですが、問題なのは、彼女が中学生の時に大江健三郎を読み込んでいたことでした。
    そのためこの「いいよ!」でも明らかに彼女の顔は曇り、それからなぜモヤモヤしたのかを懇々と説かれ、そういえばそんなことを以前言っていたなと思い出し、私は深く反省したのです。
    だからキューバ案件の際には「またやってるよ」と自分に呆れつつ、同時に、こういうことって色々なところで起こってるんじゃないかなとふと思ったのでした。


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    問題となった2冊。

    ★★
    以上が、初回生放送「恋の©マーク」というテーマ設定のきっかけです。
    ただ、最初は自分がキューバや大江健三郎を妻から「盗んだ」のではないかと思っていたため、「恋愛窃盗問題」というテーマで企画は進んでいました。
    でもよく考えたら、私が何を言おうが、彼女の中のキューバや大江健三郎に対する思いや価値は以前からそこに在るわけです。
    それで番組の打ち合わせをするなかで、これは「盗った/盗られた」というよりも「©マーク」に近いんじゃないかという意見が出てきて、ストンと腑に落ちました。「著作権」ではなく「©マーク」という言い方が感じをとらえているように思います。

    ちなみにこの「恋愛におけるまだ名付けられていないモヤモヤした問題に、名前をつけて顕在化させる」という行為が、二軍ラジオから培ってきた我々の持ち味だと思ってます。
    重箱の隅をつつくようなことでもありますが、つつき続けるとモヤモヤの先に何か新しいものが見えてくるんですよ。
    その瞬間をみなさんと共有したいと思っています。

    ★★★
    話を妻と私のキューバ案件に戻すと、あの時に彼女から言われたのは、もしも「キューバ、いいね!」という言い方だったら“共感”でむしろ嬉しいはずだったのに、「キューバ、いいよ!」という言い方をされたことで自分の存在が無視されているような感じがしたということでした。
    放送のなかで私は「相手への敬意が大事」だとか分かったような顔で語っていて、改めてこうやってテーマ設定の経緯を書いてみるとどの面下げて…と思わざるをえません。
    ただ、妻の
    ©マークに最大限の敬意を表していたエピソード「お店©」もまた事実であって、その差異に注目すると、「キューバと大江健三郎」と「お店」の自分(たち)のなかでの価値付けの違いみたいなものが見えてくる気がします。
    さらに言うと「キューバ」や「大江健三郎」や「お店」には人によって色々なものが代入可能で、それが恋人同士や夫婦が持つ個性のひとつなのかなとも思います。
    もちろんそういったことに全然こだわらない人たちもいるわけで、それもまた個性なのでしょう。

    ★★★★
    初回の個人ブログということもあり、なんだか長くなってしまいました。ちょっと力みすぎたかしら。
    今後は(できるならば)もうちょっとライトな感じでも書いていきたいなと思っています。ブログ初心者なんで、塩梅が本当にわかんないですよ。あと、極度のネット音痴(©清田代表)でもあるので。。。
    感想やご意見などお寄せいただけると嬉しいです。
    また、もしもみなさんの恋愛や結婚生活で何かモヤモヤしたことがありましたら、物は試しにお便りいただければ幸いです。

    次回は「オンナとオトコの隠語祭」なので、モヤモヤ系ではなくどちらかというとゲラゲラ系の放送になりそうですね。ゲストは恋愛界のレジェンド・二村ヒトシさんです。以前から親交のある清田とはちがい、私は二村さんとそれほどお話したことがあるわけではないので、人知れずドキドキしています。放送の中でどんな隠語が飛び出すのか、今から楽しみです。

    みなさんのお手持ちの隠語も、こっそり教えてください!

    それではまた、115日の日曜日夜8時にお会いしましょう。

    森田雄飛

  • 二村ヒトシさん、出演決定!!【11/5(日)20時〜 オンナとオトコの隠語祭り-予告2】

    2017-10-24 23:14
    桃山商事の「恋愛よももやまばなし」、11月5日(日)20時から2回目の生放送をやります。
    そして。なんと。ここで。
    番組初のゲストをお迎えすることになりました!

    スタジオにお越しいただくのは、恋愛界の不朽の名著『すべてはモテるためである』『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』(ともにイースト・プレス)の著者であるAV監督の二村ヒトシさんです!!!!
    \(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/

    二村さんが恋愛の言説に与えた影響はビッグバンみたいなもので
    、桃山商事の活動もその影響下にあります(特に清田は二村さんに日頃から大変お世話になっております)。

    今回は「オンナとオトコの隠語祭り」というテーマで、いろんなコミュニティで用いられている様々な“隠語”を紹介していきます。
    性愛にまつわる隠語は無数に存在していますが…
    その言葉の由来は何か。
    なぜ隠語にする必要があったのか。
    そこに見られるジェンダー観とは。
    などなど、さまざまな問題を考えていくにあたり、恋愛と性愛に精通したスペシャリストである二村さんのお力をお借りして、AV業界に流通するディープな隠語などもうかがいながら、隠語祭りを盛り上げていきたいと思います。
     
    二村さんいわく、
    AVの世界で使われる「お持ち帰り」には、いわゆる「お持ち帰り」とはまた別の意味があるとのことです(詳しくは放送をぜひw)。
    どんな隠語が飛び出すのか、今から楽しみです。
    みなさんがお持ちの隠語も、どしどしお寄せください!!!


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    ※こちらは写真家の五十嵐絢也さんによる二村さんのポートレイトです。かっこいい!
    (この写真は以前、清田がウェブメディアの連載で二村さんのインタビューをしたときに撮影されたものです。体がなくなってしまって見れなくなっているため、こちらに再掲させていただきます。)