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■久瀬太一/7月27日/16時20分
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■久瀬太一/7月27日/16時20分

2014-07-27 16:20
    久瀬視点
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     室内は空調で寒いほどだったが、額には汗が噴き出していた。それを拭って、オレはつい呟く。
    「……なぜ?」
     サングラスは不機嫌そうに口を歪めた。
    「なぜここがわかったのか? それとも、なぜ部屋に入れたのか、か? そういう質問はもう聞き飽きてんだよ」
     オレは、ゆっくりと尋ねる。
    「なぜ、もう来るんだ?」
     予定よりも早い。こいつが来るのは、午後8時だったはずだ。
    「ん? ああ、馬鹿がへまやって、尻拭いに駆り出されたんだよ。それからメシ食って、風呂入って、ちょっと寝ようとしたけど眠れなくて――って」
     サングラスは楽しげに笑う。
    「お前もプレゼントを貰ったのか?」
     プレゼント? バスで、あのきぐるみが言っていたことか?
     確か――
    「ニールの足跡」
    「へえ、よく知ってるじゃねぇか」
     サングラスの笑みが大きくなる。
    「オレの予定も知っていた。プレゼントが絡んでいると考えるのが自然だ。――お前も、スイマだったのか」
     そんなわけがない。みさきを悪魔と呼ぶような奴らの仲間には絶対にならない。
     尋ねたいことは無数にあった。でも、余計なことを口にしたくもなかった。バスからみえた未来とは様子が違う。
    「ま、なんでもいいさ」
     オレが口を開く前に、サングラスは言った。
    「なんにせよその箱を開けたんだ。お前は使えるスイマだ」
     ――オレをそんな馬鹿げた名前で呼ぶな。
     叫んでやりたかったが、今はそんな場合じゃない。
    「なら教えてくれ。ミサキはどこにいる?」
    「知らねぇよ。もうオレの手を離れた」
     手を、離れた?
    「逃げたのか?」
    「いや」
     サングラスは拳銃をジーンズの背中の方に突っ込む。
    「あの悪魔を管理しているのは、今はノイマンだ」
    「ノイマン?」
    「知らないのか?」
    「コンピュータの開発者なら知っている」
    「ああ。たしか、そんな仕事をしていた」
     わけがわからない。ジョン・フォン・ノイマン? そんなわけがなかった。
     サングラスが、テーブルの前に立った。
    「あの悪魔を捜してどうする?」
    「どうだっていいだろう」
    「ああ。オレも実は、あんなものには興味はない。だがな」
     サングラスの向こうから、男がこちらを睨んだのがわかった。
    「お前、ヨフカシじゃねぇだろうな?」
     ヨフカシ。スイマの中の、裏切り者。
     つばを飲み込んで、オレは尋ねる。
    「もしも、オレがヨフカシなら、どうする?」
    「殺す。本当に」
     サングラスはオレの隣に立ち、錠の外れた小箱をあけた。
     それから中身を手に取って、しげしげと眺める。
    「……へぇ。こいつが」
     それは、白い星形の飾り物だ。リング状にヒモがついている。おそらく、クリスマスツリーのオーナメントだろう。
     よくわからねぇな、呟いて、男は白い星をテーブルに置く。それから、こちらに背を向ける。
    「じゃあな。機会があったらまた会おうぜ」
     そう言って、彼は一歩、足を踏み出して。
     その足が床につくよりも前に、オレの目の前から男が消えた。

     スマートフォンの振動が、テーブルを叩く音がした。
     きっと、ソルからだろう。
     オレは大きく、息を吐き出す。
     ――生き残ったんだ。
     オレはまだ生きている。またソルに救われた。
     ――ありがとう。
     と胸の中で繰り返す。
     ソルからのメールを確認しなければいけない。でもその前にオレは、テーブルの上の白い星を手に取った。
     やはり、クリスマスツリーのオーナメントだ。白い星。真ん中には、雪の中のトナカイのイラストがついている。
     ――おれは、この星を知っている。
     特別なものにはみえない。普段なら気にも止めなかっただろう。だが、今はその星の意味を、疑えなかった。

           ※

     幼い頃、オレは父親に連れられて、毎年ホテルで開催されるクリスマスパーティに参加していた。佐倉みさきやちえりに出会ったクリスマスパーティだ。
     そのパーティへの招待状には、決まって、なにか小さな模型がついていた。クリスマスツリーを飾る、色とりどりのボールや、ステッキや、小さなくつしたなんかだ。
     それは入場証の代わりに使われていた。参加者たちは会場につくと、ツリーにそれをひっかけていく。みんながひとつずつ、クリスマスツリーを完成させていく。そう決まっていた。
     子供が好きそうなものを選んでくれたのかもしれない。
     オレの元には、毎年、白い星が届いていた。

    ――To be continued
    読者の反応

    みお@TRPGやりたい劇団員 @akituki_mio
    オーナメント・・・?  


    とうしん @toshin000
    入場証?  


    あさって @sakuashita1
    コンテニューでたけど、まだ電波はつながってるな 


    少年(ベルくん) @3d_bell
    ↓のメールを、久瀬さんに送ります! 


    桃燈 @telnarn
    @3d_bell 久瀬君に、父に連絡とってドイルに心当たりがないか聞けないかな? 


    少年(ベルくん) @3d_bell
    【久瀬さんからの返信】 
    ドイル? コナン・ドイルか? 
    よくわからないが、きいてみる。  


    少年(ベルくん) @3d_bell
    宮野さんにかんけいするメールをまとめて送りますね!  


    桃燈 @telnarn
    @3d_bell あ、久瀬君へのメールで「ソルに紛れて宮野がスイマの内部の人物のスマホとウォークマンを奪っていった」と伝えられたらいいと思う。 


    さいとう@金東コ51b @jinbe_s
    @3d_bell こんにちは。頭の中に入れておくだけで構わないが、宮野さんが我々と接触し、スマートフォンと音楽プレーヤーのようなものを大阪から持ち帰ったはずだ。聞き出せるなら、何に使うのか、なぜ持ち帰ったのか聞いてほしい。


    はげもん @hage_mon
    @3d_bell  ベル君、久瀬くんに宮野さんに連絡するようにメールで伝えて下さい。 


    さいとう@金東コ51b @jinbe_s
    @3d_bell 宮野さんが我々と接触し、スイマの一人、「ドイル」の部屋にあったスマートフォンと音楽プレーヤーのようなものを大阪から持ち帰った。聞き出せるなら、何に使うのか、なぜ持ち帰ったのか聞いてほしい、と伝えてください  


    はげもん @hage_mon
    @3d_bell 宮野さんからスマホと音楽プレーヤーを取り返すよう久瀬くんに伝えて下さい。  


    少年(ベルくん) @3d_bell
    【久瀬さんからの返信】 
    まじかよ! そんな話をさっき聞いたが、ソルに関係していたのか。
    なにをしてるんだ、あの人……。近々、確認する。  


    雑食人間@3D小説大阪現地組 @zassyokuman
    @3d_bell ベルくん、久瀬くんに「宮野さんが我々ソルのことを聞いて来ても、あまり情報を渡さないように、それと小箱やその中身を宮野さんに渡さないように」と送ってください。 


    少年(ベルくん) @3d_bell
    【久瀬さんからの返信】 
    わかった。ソルについては話さない。
    箱の中身の扱いも気をつける。ありがとう。  


    あいう @kazushi096aiu
    @3d_bell 
    ベル君久瀬君にニールに対してソルについて知ってるか聞いてくれると助かる


    少年(ベルくん) @3d_bell
    【久瀬さんからの返信】 
    すまない、あいつはもういなくなった。 
    覚えておく。もし機会があったら聞いてみる。


    あいう @kazushi096aiu
    @3d_bell 
    ベル君久瀬君に先生もクリスマスパーティに来てたかどうか
    覚えてるか聞いてほしい


    少年(ベルくん) @3d_bell
    【久瀬さんからの返信】 
    いや。きていなかったはずだ。  


    子泣き中将@優とユウカの背後さん @conaki_pbw
    電波消えたか…今日はもうここまでか? 

    少年(ベルくん) @3d_bell
    電波きれちゃいましたね……。
    ↓のメールも、送れたとおもいます。


    とうしん @toshin000
    @3d_bell ベル君「発明教室の先生について覚えていることを教えてください。」とお願いします。


    少年(ベルくん) @3d_bell
    ごめんなさい!今日のメール、ひとつ間違えてました!
    あいうさんの、「久瀬君に先生もクリスマスパーティに来てたかどうか覚えてるか聞いてほしい」というメールのところです!


    少年(ベルくん) @3d_bell
    これ、発明教室の先生だと思って質問しちゃいました。
    「発明教室の先生もクリスマスパーティにきていましたか?」というメールに返ってきたのが、、「いや。きていなかったはずだ」です。
    ごめんなさい!


    アマキー @RaReRua
    おー、四日目終了か。お疲れ様でした
    今回は凄かった、都合があってリアルタイムで観れなかったのが残念だ




    3D小説『bell』運営 @superoresama
    こんばんは、運営を任されている秘書です。 
    みなさま、3D小説『bell』にご参加いただき、ありがとうございます! 
    この数日間、当企画は高い頻度で更新してきましたが、明日以降は少しのんびりめの展開になりますので、お好きなペースでご参加ください。 


    3D小説『bell』運営 @superoresama
    また、重ねてのご連絡になり恐縮ですが、みなさまにお詫びがございます。
    本日行われたアパートでのイベントにつきまして、連絡不備により、現地に行かれた参加者のみなさまにご迷惑をおかけしてしまいました。
    大変申し訳ございませんでした。 


    3D小説『bell』運営 @superoresama
    この数日間、いくつもの至らぬ点がございましたこと、深くお詫び申し上げます。
    更新ペースを下げつつ、今後は関係各所への連絡を徹底いたしますので、引き続き3D小説『bell』をお楽しみくださいますよう、よろしくお願いいたします。 


    きのえとら @kinoetora
    連絡不備だったー! 


    Lalf @Lalf_GroupTRON
    @a33_amimi @yuki_seiyudo 一つ間違えたら警察沙汰(汗 


    渋井トトロール @soukuusibui
    久瀬君←イケメン
    みさきちゃん←かわいい 
    宮野さん←色んな意味で可愛くなってきた
    ベル君←夏休み何してるのかな
    運営←がんばってください


    ヘイユー @bravery_tree
    展開早くて参加する気なかったけど、今後はゆっくりになるんか。てか、本来どの層狙ってるんだろ? 


    みや@宮野さんファン @staknnds
    ゆっくりになるのはちょっと嬉しい。追いつけやすくなるし。  




    ※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転載させていただいております。
    お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント(  @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。
    なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいております。
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