佐倉視点
banner_space.png
 尾道は晴天だった。
 なんだか昨日は1日、移動だけに費やしたような気がする。
 宿は、港から渡し船に数分ほど乗ると着く小さな島にある、旅館だった。久しぶりにふとんで眠り、今日は思い出の場所巡りをする日だ。とはいえノイマンが午前3時ごろまで仕事をしていたようで、彼女に気遣って、活動を開始したのは午後からだ。ニールはひとりでその辺りをふらふらとしていたようだ。
 日の長い時期だから、慌てる必要はあまり感じない。
 ゆっくりと昼食をとって、15時に私とノイマンはニールと合流する。尾道駅の前だった。
 ニールはいつも通りの不機嫌そうな様子で、ぼそりと言う。
「小学校」
 今回も、まずは小学校が目的地らしい。
 久瀬くんが尾道にいたのは、たしか小学2年生のころだったはずだ。あのキーホルダーをプレゼントしてくれた年。私と彼とが最後に会った年でもある。
「なにか覚えてる?」
 とノイマンに尋ねられて、私は首を振る。
 個人的な思い出ならあるけれど、それは尾道とはなんの関係もないものだ。
「ま、のんびり行きましよう」
 とノイマンが言うころにはもう、ニールが歩き出していた。

       ※

 ペリカンを模した奇妙な水飲み場を横目に眺めながら、私たちはぷらぷらと歩く。
 海がきらきらと太陽を反射していて、眩しい。
 海辺の街というのはいいものだなと思った。
 ここで久瀬くんは、どんな生活を送っていたのだろう?
読者の反応

やんわり@町会議8/30山口! @yanwalee 2014-08-09 15:18:31
尾道は晴天だったの!? 


かめ@kameaaa32 @kameaaa32 2014-08-09 15:19:30
これで一応同時間軸の可能性は消えたかな。少なくともパラレルワールドか、別の時間軸ってことだよね 


ワカ@尾道ソル @3dKisai 2014-08-09 15:19:48
ほんとに晴天なら今からでも特攻するけど……
近くの町にいます。雨は降ってないが、風が強いなう。下参考。
pic.twitter.com/NhkZiOGWG1
07a1b63b7e4717b549df9cf4b6104fc514fa15a3





※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転載させていただいております。
お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント( @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。
なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいております。
banner_space.png
佐倉視点