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■久瀬太一/8月23日/21時30分
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■久瀬太一/8月23日/21時30分

2014-08-23 21:30
    久瀬視点
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     メールの指示に従って、最後の宝箱が開き、白い鍵を手に入れた。
    「これは、今までの鍵とは、ちょっと違う魔法がかかっているみたいです」
    「みればわかるのか?」
    「感覚でわかります。たぶん、中心のフロアにあった魔法陣を起動させるものだとおもいます」

           ※

     フロアの中心にある、大きな魔法陣が、白く輝いている。
    「これで、賢者ナナミの元に転移できるようになったはずです!」
     とサクラがいう。
     瞬間移動のようなことには、いまだ慣れなかった。なんだか背筋がむずむずする。でも、そうもいっていられない。
    「じゃ、いくか」
     オレたちは魔法陣の中心へと、足を踏み出した。

           ※

     一瞬。視界がぶれて、切り替わる。
     先は雑多な部屋だった。本棚がずらりと並んでいる。その中心に、木製のどっしりとしたテーブルがあり、男が座っている。
     ――彼が、賢者ナナミか?
     その男は、ふ、と顔をあげた。
    「お前たちは?」
     オレはちらりと、サクラをみた。彼女が答えるべきだろうと思ったのだ。
     でもサクラが口を開くよりも先に、ナナミは言った。
    「よく辿り着いたな。ちょうどいい。頼みたいことが――」
     瞬間。
     視界の中に、赤白く輝く線が走った。
     いくつも、いくつも。
     それは。なんだか、場違いだけれど、花火に似ていた。
     眩しくて目を閉じる。残光が消えてから、再びまぶたを持ち上げる。
     そこには、血まみれになったナナミが倒れていた。その傍らには黒いローブを着た――あの、城で会った悪魔に似たなにものかがいる。
     黒いローブが、なにか言った。聞きとりづらい声。
     ――秘密を、渡しはせぬ?
     そうきこえた、ように思った。
     黒いローブはナナミに覆いかぶさる。
     直後、ナナミごと、その姿が掻き消えた。
    「今のは」
     硬い声で、サクラがいう。
    「悪魔の遣いです。悪魔が死んだ後も、命令に従って動いているようですね」
     そんなことは、どうでもいい。
    「彼は、無事なのか?」
    「わかりません……。ナナミも、魔界につれさられたのでしょうか」
     なんにせよ、あの魔法陣を読み解くしかないようだ。
    「ここに、『悪魔と魔法陣』の下巻があるかもしれません。とにかく捜してみましょう」
     
           ※

     部屋を探索する。
     その水晶玉には、表面にQRコードが張りついていた。
     オレはスマートフォンのリーダーでそのコードを読み込んでみる。


     そのアドレスをクリックする。

     ――リュミエールの光景、起動。
       放送を開始します。
       また、「街」の一部に、異世界の映像を投影。

     と書かれたページが、一瞬表示される。
     すぐにページが切り替わった。だが。
     表示されたのは、ただの黒い画面だった。

           ※

     ナナミが座っていた、やたらと豪華な赤い一人がけのクッションの後ろに回り込む。
     そこがぷっくりと膨らんでいた。革張りのようだが、脇の目立たない位置に切れ目がある。オレはそこに手を突っ込んだ。
     ――ノート?
     なんだか周囲の物品にそぐわない、ごく普通の大学ノートだ。
     オレはそれをぺらぺらとめくってみる。
     どうやら、日記のようだった。

           ※

     青と紫の節、9番目の陰の日

     城下町のバーでウィスキーを2杯。金はない。
     金の代わりに、マスターが失くした結婚指輪の在り処を占うと約束し、質として「悪魔と魔法陣(下巻)」を預ける。
     帰宅後、さっそく「リュミエールの光景」をひっぱりだして占い。
     結婚指輪の場所は「黒のタンス 2段目の白い箱」。
     だが塔を下るのが億劫だ。今日は眠ることにする。
     マスターには、あの本が必要になった時、結婚指輪の場所を教えてやることにしよう。

           ※

     隣から、オレの手元を覗き込んでいたサクラが、上目使いにこちらをみた。
    「目的の本は、街にあるようですね」
     無駄足か、と嘆きたくなったが、ここにこなければわからなかった情報であることもたしかだ。
     ――とにかく、目的を果たしたんだ。
     満足感はある。いつも通り、オレはソルに導かれただけで少し情けないけれど、それでも。
     笑って、
    「じゃ、帰るか」
     とオレは呟いた。
    読者の反応

    アジュ麻呂@太陽戦士ソル @ajumaro7956 2014-08-23 21:30:33
    【ニコ生視聴中】とあるバーからの生中継【3D小説】 #nicoch2590037   nico.ms/lv190745141


    ヴァニシング☆コウリョウ @kouryou0320 2014-08-23 21:30:22
    あ!?生放送!?  


    達句英知 @tac9999 2014-08-23 21:31:10
      なんか別の生放送きた


    aranagi@静岡ソル @arng_sol 2014-08-23 21:31:38
    リアルにとびだせ、だって!  


    ルート@私は正しました @Led1192 2014-08-23 21:32:12
    @sol_3d 2時間半で探せとww  


    みかみ@3D小説準備用 @mikami_pro 2014-08-23 21:32:28
    特定班!特定班の出番ですよ!  


    aranagi@静岡ソル @arng_sol 2014-08-23 21:35:48
    街の看板が変わってるよー!!ドトールとかある  





    ※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転載させていただいております。
    お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント(  @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。
    なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいております。
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