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身体を動かそうという気になれなかった。
なにもかもに関わりたくなかった。すべてを忘れてしまいたかった。
昨夜は予定外に目立ちすぎた。
しつこい何人かの恨みを買うことをした。
そのことが怖かった。
もう何年振りだかも覚えていないが、がむしゃらに人を殴って、一発殴り返されて、それで車を奪って逃げた。震えながら一晩中、オレは車を走らせた。あいつらから離れていたかった。オレを知っている連中から離れて、殻に閉じこもっていたかった。
ようやくこの街に辿り着いて、血だらけで意識を失っていた久瀬を、病院に放り込んだ。あいつの治療よりも遠くまで逃げることを優先した。高速道路を降りられなかった。
――大丈夫、死ぬ怪我じゃない。
そう自分に言いきかせて、ひたすらアクセルを踏んでいた。
――オレは、こんなにも弱かったか。
愕然とする。
昔からずっと、オレは臆病だと知っていた。
臆病だから疑う。臆病だから警戒する。臆病だから笑う。
そのことに否定的な感情はなかった。恐怖を恐怖として感じるのは、正しいことだと思っていた。それは今も変わらない。でも。
怯えて、逃げ出すのか。
怯えながら進むのか。
まったく別物だ。オレは、後者でいられる自信があった。
なのに。
――ああ、そうだ。
思い出してしまった。
――オレは、アイの病室を訪ねられなかったんだ。
昔からそうだ。ずっと昔から。
震えて逃げ出して、いつも、なにもかも手遅れだ。
――知りたかったな。
キャンディを美味く食べる方法を。
アイは知っていた、手のひらに乗るサイズの幸せを。
――でも、もうだめだ。
身体が震えあがって動き出せない。こうして、頭を抱えていることしかできない。オレはヒーローじゃない。
たぶんメリーと電話で話したあの日に、心だか勇気だかに、深い傷が入って、そこからなにか大切なものが流れ出て、オレはもう動けない。
息を吐き出す。
その時だった。
スマートフォンが震えた。
メール。
件名にはただ、「雪」とだけ書かれていた。
そこには、どこか投げやりにも感じる2文があった。
※
彼に彼女の声を届けろ。
彼にまで、言葉を聞き逃させてはいけない。
※
なんだよ、それ。
意味がわからないまま、ずきりと胸が痛む。
声って、なんだよ。
そんなもん、どうやって届けろってんだ。
inamura @onthedish
八千代…八千代ぉぉ…
達句英知 @tac9999
これは生やっちーフラグ?
すくね@触角 @skne03
八千代えらい。十分偉いから
ヴァニシング☆コウリョウ @kouryou0320
八千代の電話 050-3171-8006
携帯 050-3159-5668
アドレス candy.music.777@gmail.com
大阪のアパートもワンチャンあるかな?
時雨 @siguremon
やっちー経由で届けるとか胸アツですね!
さいとう @jinbe_s
東北方面仙台支部ソル、いつでも動けます!!!
みお@3D小説はまだまだ続く @akituki_mio
静岡の西部だったらまかせろー
野坂 @chi_31049
より多くのソルを集める必要があった、のはこのためか?
トモ@HOTO @H9Hoto
『環状線グルグル』ワロタwwwやっちーの錯乱がMAX振り切ってるやん
腐ったなにか @orenannkadose
高速道路降りれなかったって、やっちーどこまでいってしまったんw
minion @minion_strife
八千代さんがんばってほしい。
※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転載させていただいております。
お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント( @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。
なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいております。