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 その夜、少年はバス降り、ホテルへと向かう道を走っていた。
 昨年、彼女と約束していたのだ。――来年も絶対に、また会おう、と。
 ずいぶん到着が遅れてしまった。
 もしかしたら、少女は悲しんでいるかもしれない、と少年は思った。
 彼女には、絶対に悲しいことが起こらないようにする。それも、約束のひとつだと少年は思っていた。
 ――もちろん、そんなことできるわけがない。
 そのことを少年は知っていた。
 これまでもいくつかの、悲しいことを体験していた。
 少年の力ではどうしようもないことが、たくさんあった。
 ――でも、オレはそんな嘘、つきたくないんだ。
 本当に。嘘ではなく。彼女にふりかかる悲しいことを、すべて消し去ることができればいいと思っていた。
 だから、冬の夜の道を、少年は必死に走った。

       ※
 
 ホテルの前で、少年は彼女の後姿をみつけた。
 彼女は落ち込んでいるように、うつむいて、でも足早に歩いていた。
 ――どこに、行くんだろう?
 声をかけようと思った。そのときだった。
 彼女は信号のない道路を、うつむいたまま渡ろうとして、そのとき。
 鋭利な光が彼女を刺す。尖ったブレーキ音が、響いた。
 少年は、ほとんど意識もせず、走り出していた。
 そして、少女の背中を、まるでビンタみたいに。
 思い切り腕を振って、突き飛ばした。
読者の反応

あしか(蜜柑) @asika809 2014-08-24 20:00:08
@sol_3d 過去編きた?  


ラピス @rapiss 2014-08-24 20:00:59
事故の光景・・・  


みお@3D小説はまだまだ続く @akituki_mio 2014-08-24 20:00:14
おおおおおおおおう 久瀬くん(ミニ)イケメン  


あいう @aiu_096 2014-08-24 20:00:33
キャーーーーーー久瀬君かっけーーーーーー


そーとく@傍観ソル @atrass0077 2014-08-24 20:01:07
ビンタこっちか!なら今日はないのかな  





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なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいております。
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