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■山本美優/12月25日/18時55分
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■山本美優/12月25日/18時55分

2014-12-25 18:55
    山本視点
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     平衡感覚がおかしかった。
     ――私が、人を殺した?
     そんなわけない、と、つい先ほどまで信じていた。
     でも確かに私は、センセイの紅茶に薬を入れた。
     白いカプセルの、なにも書かれていない薬だった。
     毒薬? まさか。毒薬ってあんな風なものなの?
     信じられない。でも――
     私は久瀬くんに連れられて、ひとつ手前の部屋に移動する。あの、数字の埋まった50音表のある部屋だ。
    「君じゃない」
     と久瀬くんが言う。
    「でも。私、薬入れたよ?」
     久瀬くんの声は冷静だった。
    「死因がなんだったとしても、犯人はナイフでセンセイを刺したんだ。君じゃない誰かがあの部屋にはいた。そいつが犯人だ、と考えた方が自然だ」
    「でも、私が入れた薬で人が死んだんだよ」
    「だとしても君は悪くない。誰かが君のせいだって言ったならオレが怒鳴り返してやる。君自身が君のせいだっていうなら、いつまでもオレが反論してやる。君は悪くない。ただ巻き込まれただけの不運な被害者だ」
     冷たいくらいに真剣な顔で、そう言ってから彼はふっと笑った。
    「実は昔から、君を尊敬してたんだ」
    「え?」
     尊敬?
    「なんて言ったかな。クラスにいた、偉そうな女の子」
    「景浦さん?」
    「そう。その子と、友達のために戦ったんだよな」
     そういうのって格好いいよと彼は言う。
     ああ、やっぱりこの人は久瀬くんだ。
     彼は自分のことは棚にあげて、人のことばかりをほめるんだ。
    「オレは格好いい奴の味方だから、君は裏切らないよ。そもそも、まだ君が入れた薬のせいだって決まったわけじゃない。本当にセンセイが死んだのかもわからないんだ。落ち着いて、ゆっくり考えていこう」
     スマートフォンをいじりながら、彼は呟く。
    「冤罪なんてものを、ソルが許すはずないんだ」
     ソル。
     私はその名前を知っている。
    読者の反応

    ラピス @rapiss
    大丈夫だ美優ちゃん、ソルは君の無実を知っている 


    さかながさかさかな @sakanagasakasa
    久瀬くんはやっぱ主人公だなぁ





    ※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転載させていただいております。
    お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント( @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。
    なお、ツイート文からは、読みやすさを考慮してハッシュタグ「#3D小説」と「ツイートしてからどれくらいの時間がたったか」の表記を削除させていただいております。
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