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小池百合子さんに期待する…[#東京都知事選挙2016]
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小池百合子さんに期待する…[#東京都知事選挙2016]

2016-07-15 10:36

    小池百合子さんに期待する…[#東京都知事選挙2016]


     

    舛添さん辞任によって、新しい東京都知事を選ぶ選挙が始まりました。僕は仕事を休み東京・港区で70枚ほどの小池さんのポスターを貼って廻りました。僕は今、政治を離れて農業に携わっています。でも、今回はぜひ小池さんに頑張ってもらいたい、と自然に体が動きました。


     

    小池百合子さんが、自民党と決別しても東京都政改革に取り組みたい、との表明を聞いた時、「コレは」と思いました。


     

    小池さんが、都議会の自民党を、さらには東京五輪の責任者・森喜朗氏をも敵に回したうえで知事選挙に勝利すれば、今まで見えなかったものが必ず見えてくる、白日の下にさらされる、そう思いました。


     

    年間の予算規模13兆円、16万人を超える職員数。東京都政は、裕福かつ巨大すぎるゆえに、利権構造も、天下りも、税金の無駄削減も、ブラックボックスの中に入り、改革がほとんど行われてきませんでした。


     

    東京23区の一つ、港区の議会から東京都政と間接的に関わっていたころのことを思い出しました。当時、例えば…


     

    介護予防事業。東京都独自の資格制度に絡んで、利権や天下りが発生している疑いが濃厚でした。この問題を取り上げることで当時の副区長は慌て、東京都からの出向職員は東京都に戻れませんでした。


     

    共済企画センター。東京23区(特別区)に関する天下り的利権組織ですが、調べる過程で東京都庁内にも同様の組織があることがわかりました。職員の保険を一手に引き受ける会社です。典型的な利権・天下り構造。


     

    電線地中化事業。財団法人東京都道路整備保全公社という天下り利権組織が、23区の電線地中化事業の多くの部分を引き受ける構図。ここを通さないと、実質的に補助金が下りないような仕組みになっていました。


    民主主義下の政治は、政治家のみならず、役人や住民も含め、さまざまな利害が絡み合い、錯綜し、大きな改革はなかなか進みません。


     

    でも、住民からの極めて具体的な相談の中に、あるいは、思いもよらなかった出来事をきっかけに、大きな改革のチャンスは音もたてずに現れます。このチャンスを見逃さないこと、これは改革を志向する政治家の重大な役割の一つです。


     

    そして、このチャンスは、権力者を目指す小池さんのというよりも、本当に改革に取り組む権力者を選ぶ「東京都民にとってのチャンス」です。


     

    小池さん、セーフシティー、ダイバーシティ―、スマートシティー、3つの東京を目指すと述べています。この点、細部は別にして、大方の候補者と変わりないのではないかと思います。


     

    今回の都知事選挙の肝は、これらを目指すための前提、主権者である東京都民の信頼と共感を得られるかどうか、です。そういう人物なのか、そういう選挙を戦っているのか、そういうメニューを持っているのか、これが重要です。


     

    小池さんは、まず「都議会冒頭解散」を掲げ、舛添氏よろしくリオ五輪大名視察を目論んでいた都議たちとの徹底抗戦を表明しました。知事に直接的解散権はありませんが、利権問題や政策決定過程を透明にするけど、いやなら知事不信任してね、ということだと僕は捉えています。


     

    次に「利権追求チーム」の設置を掲げました。五輪絡みにとどまらず、都政全般をチェックすると明確に述べました。これは、膨れ上がる五輪予算と併せて、先述のような事例をあぶりだすということ。僕の指摘など、氷山の一角ですから。


     

    さらに「舛添問題の第三者委員会」の設置。舛添さんが辞めたから終わりじゃないんですよね。舛添問題を総括し、これからの都政に活かす。小池さんも指摘するように、本当は都議会の役目。でも、自民党、公明党、さらには民進党までも幕を引いてしまいました。


     

    政策論争はもちろん重要です。でも、その前提として「主権者との信頼関係ある政治」という土台の構築が不可欠です。


     

    僕は、この3つの具体的な公約に着手し、成果を上げれば、都民と知事の間に相当の信頼関係が醸成されるものと確信します。そして、これらは、自民党・公明党推薦の増田さんにも、野党4党推薦の鳥越さんにもできないことだと考えています。


     

    増田さんについては、説明の必要はないかもしれませんが、「混乱に終止符」的なことを言っています。


     

    これは、舛添氏に端を発する問題も、詳らかになってきた都議会議員の問題も、膨れ上がる五輪予算や背景にある利権についても、不問に付すという意味。これらはスルーして古い都政の基盤の上で都政をやりますというのが、増田さん。東京都民の利益には全くつながらない。


     

    十分な説明が必要なのは、鳥越さん。鳥越さんならやってくれるはず、国政と同じ構図、反自民公明の勢力で支えればきっとうまくいくはず、と思う人もいるかもしれません。でも、残念ながら、全く期待できません。1%もありません。「ゼロ」です。


     

    まず、そもそも、都議会の民進党(旧民主党)って基本的に体制派。舛添問題解明の切り札と目された「100条委員会」設置も反対、五輪視察も自公と一緒に行くつもりだったようですし、改革マインド薄いんです。


     

    昔から、数だけはそれなりにいても、徹底的な行政改革や無駄の削減について、覚悟の姿勢は見たことがありません。だいぶ前になりますが、介護予防事業の暗部に切り込むため、ある民主党都議に協力を持ち掛けたのですが、都庁の役人から横やりが入り、結局腰砕け。事ほど左様な実情は変わらないと思います。


     

    一方、共産党が鳥越氏をコントロールしたらどうなるのか。役人にも痛みを分かち合ってもらわねばならない行政改革、場合によっては都民に痛みを分かち合ってもらわねばならない歳出削減、これらは絶対にできません。


     

    鳥越さんがいくら必要だと思っても、この二つのことについて、共産党は絶対反対。僕の長年にわたる地方議員の経験から断言できます。


     

    さらに言わせて頂くと、鳥越さんは「いい人」過ぎる(ように見える)。応援されたみんなの意見を聞いて、立ち行かなくなってしまう懸念が強くあります。選挙前に、応援する政党との間に政策の協定は全くなく、その選定となる都政運営に関する理念の共有も全くありませんでした。


     

    つまり、鳥越さんが東京都知事になった際、どんな都政運営に着手するのか全く説明しないままの立候補なんですね。


     

    自民・公明勢力とさほど違いのない民進党と共産党は、東京都議会の中では犬猿の仲。そんな中に放り込まれて「いい人・鳥越さん」は何ができるのか。立ち往生、何もできなくなってしまいますよ、必ず。


     

    そうすると味方は部下になる都庁官僚だけになる。結局、官僚主導、言いなりになってしまう。かつての都知事、青島さんと同じになってしまうのではないか。


     

    青島さんは、まったくの無所属無党派で都知事選に勝ち、都市博覧会中止の公約だけは果たしましたが、その後は官僚のイエスマンに成り下がってしまった、その歴史を思い返さずにはいられません。


     

    ちなみに、選挙前に鳥越さん一本化のために、見るからに悔しそうに自ら手をおろした、準備万端の宇都宮さんがこのことを強く批判していました。これは極めて全うなご意見、ご指摘で、感服しました。


     

    でも、宇都宮さん、本気でやる気だったなら手をおろすべきではなかった。宇都宮さんの政策、鳥越さんは丸呑み、っていっても、取り巻きは違うでしょ。ちゃんとやるかかなり怪しいですよ。宇都宮さんが鳥越さんと政策協定すべきだった、そう思います。余談ですが。


     

    それと、触れておかねばならないのが、鳥越さんが「野党四党(民心・共産・生活・社民)統一候補」という点。


     

    国政選挙で「安倍政治を転換させるべし」という共通目標を実現させるために共闘する意味は大いにあると思います。特に、参議院一人区、衆議院小選挙区はそうでなければ現状、太刀打ちできない。むしろ僕は、今は野党共闘しかないと思っていて、参院選ではそういう投票行動をとりました。


     

    特定秘密保護法、安全保障関連法を成立させた上、この先には、国民の権利を縛り国家権力の強大化を図る9条を含む憲法改正を射程に入れた安倍晋三首相。


     

    農民に反対と嘘をついた上で進めたTPPや事故の苦しみを実感できない原発推進の姿勢もふくめ、古来から積みあがってきた日本のかたちを根本的に変えようとする安倍氏にはおいとま願わなければなりません。


     

    しかし、その上で。地方政治である東京都政のリーダーを選ぶにあたっては、この共闘は当てはまらないと思うのです。その理由は、これまで述べたとおりです。舛添問題をきっかけに、天から与えられた東京都政改革のチャンスを逃してはならない。


     

    長くなりましたが、以上のような理由から、僕は、小池百合子さんしか期待を寄せることはできない、という結論に至りました。


     

    小池さんの「挑戦の姿勢」が重要でした。たった一人で手を挙げ、今やらねばならないことを示し、実質的に自民党を飛び出して、その実現を目指す。こうでなくては、本当の改革はできません。だから、期待を寄せるにとどまらず、ポスター貼りに参加することにしました。残念ながら、今の僕にできるのは、その程度なので。


     

    最後に。小池百合子さんの遍歴について、実は肯定的に評価はしていませんでした。僕も末席で関わった日本新党で細川さんと行動を共にし、政権交代の後は小沢さんにつき、いつの間にか自民党に移って、小泉さんの懐に入る。この方の真意を測りかねていました。


     

    小池氏に近い同志もいるので、お会いしようと思えばお会いできたのですが、そう思うことはありませんでした。でも、今回の行動は、これまでの小池さんの行動とは全く異なります。


     

    たった一人での表明。現下の大権力、自民党、安倍首相に切られても初志貫徹の姿勢。こういう道筋を経た上で、都民の負託を受けて小池百合子東京都知事誕生となれば、しがらみなく公約実現を果たし、信頼という土台を築いてくれるはず。僕はそう確信し、微力も微力、一票も投じられない山梨県民ですが、ふるさと東京のために応援します。


     

    小斉太郎

    #東京都知事選挙2016 #小池百合子 #初の女性知事 #都民が決める

     

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