顔の無いヤクザ
「抗争事件ゼロ」の裏側で頻発していた「見えない抗争」の実態とは? そして、いまを生きるヤクザたちはどこへ向かおうとしているのか?
ホントのことを言おう。
暴力団抗争は減っていない。
警察庁の発表をみると減少しているじゃないか、と考えるがいるかもしれないが、あれはただのまやかしだ。現場の刑事でさえ信じていない統計など、いかようにでも操作できる。あんなものを鵜呑みにするなんて、間抜け呼ばわりされてもしかたないだろう。
しかし、抗争事件での検挙率は低下する一方だ。ここまで書けば、勘のいい読者ならそのからくりに気づいたのではないか?
抗争が減っているのではない。抗争事件での検挙率が減っている。単に抗争は見えなくなったと言い換えてもいい。
暴力を信奉している限り、抗争はなくならない。現代暴力団は本当の意味で、暴力の信奉者となったのである。