アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門メールマガジン 第0回
■ご挨拶
『藤津亮太のアニメの門チャンネル』が、いよいよスタートしました。チャンネルを主宰しますアニメ評論家の藤津亮太です。
これから毎月第一金曜日22:00より、アニメに関する最新のニュースとホットな議論をお届けします。配信をただ見るだけでなく、アニメを語ったり、考えたりするきっかけにしていただければうれしいです。
どうして『アニメの門チャンネル』をスタートさせたのか。それは落ち着いてアニメについて落ち着いて語れる場所がほしいと思ったからです。
コンパクトにアニメ・ビジネス関連のニュースを総覧し、旬の作品についてさまざまな切り口から議論する。新作情報をいち早く追いかけるというよりは、落ち着いてゆっくり味わうようなアニメの楽しみ方。アニメ作品に垂直に切り込んでいくような「濃さ」ではなく、さまざまな角度から、新しい顔を発見するような楽しみ。アニメをそんなふうに楽しむためのチャンネルが『アニメの門チャンネル』です。
そしてこのメルマガは、そんな『アニメの門』チャンネルとあなたを繋ぐパイプです。『アニメの門チャンネル』のサブテキストとして楽しんでいただければと思います。
■アニメ・ビジネスニュース
1、「B★R」と「もののけ島のナキ」が開く23DCGアニメ元年!
第65回映像技術賞 アニメ部門に「B★R」と「もののけ島のナキ」
2、ガンダムは(バンナムHDにとって)伊達じゃない!
バンダイナムコHD第1Q増収増益 コンテンツ部門、ガンダム関連好調
3、セーラームーン、復活
「美少女戦士セーラームーン」2013年に新作アニメスタート 主題歌はももクロ
4、ライセンシング・オブ・ザ・イヤーって知ってますか?、
ライセンシング・オブ・ザ・イヤー2012 グランプリは「ONE PIECE」、特別賞に「まどか☆マギカ」
5、ブシロード
ブシロードUSA設立 TCGで米国市場の本格攻略目指す
■アニメの門チャンネル生放送!第0回こぼれ話
『アニメの門チャンネル生放送!』の後半は、旬の作品・話題を取り上げる「マルチアングル」のコーナーです。第0回は夏のアニメ映画の中でも印象的だった『グスコーブドリの伝記』(杉井ギサブロー監督)と『おおかみこどもの雨と雪』(細田守監督)について語り合いました。
『ブドリ』に関しては、ラストの奇跡をどう語るか。小原さんの奇跡観が「リアリズムのルールから神話・伝説のルールへの路線変更」であるのに対し、藤津の奇跡観は「リアリズムの外への跳躍」であるという違いは浮き彫りになったかと。
『おおかみこども』については、「どういう視点で見るか」「その時に細部に引っかかりを覚えるのか/覚えないのか」というあたりが議論になりました。小原記者も藤津も10歳の男の子の父親でもあるので、そのあたりの立場込みでこの映画についてはいろいろと思うところがあるのでした。
しかし、小原記者とはわりと意見が異なることが多いので、雑談してもそこが新鮮なのですねー。僕からすると小原記者は「小骨(些細な違和感)」を気にしすぎな感じがしますが、きっと小原記者からすると藤津は、概要をざっくりと把握しすぎで指の間だからいろいろこぼれているように見えているんじゃないかなぁと思ったり(笑)。
配信後は有料用オフトークとして、そのほかの夏アニメ映画について10分ほどトークをしました。こちらも近日中にアップされますので、お楽しみに。
次回はまつもとあつし氏をゲストに招いて、アニメのビジネスを支えてきた「パッケージ」のその先を考えます。個人的にはHulu、ウルトラバイオレットの動向についていろいろうかがってみたい気持ちがしております。
☆第0回放送中で話題にしたWeb記事
「小原篤のアニマゲ丼」(朝日新聞デジタル)
・細田守的「これが女の生きる道」
・ブドリはどうして死んだのか?
「アニメ評論家・藤津亮太の帰ってきたアニメの門」(ぷらちな)
・「おおかみこども」と「母」と「花」
・ブドリの妹捜しがこんなに幻想的なわけ
■あとがきと質問募集
以上でメルマガ0号は終わりです。次号以降は藤津の再録原稿や寄稿(交渉中)なども含めて内容を充実させていこうと考えています。
そして、アニメの門チャンネルのサイトに掲示板がありますので、そこに質問を書いていただき、採用されたら、このメルマガや番組のほうで回答していきたいと思っています。どんどん書き込んでみてください。
では。
2012年8月21日 藤津亮太