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  • アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第144号(2018/9/14号/月2回発行)

    2018-09-20 10:34
    86pt

     急に秋っぽくなりましたね。現在は秋公開の映画のパンフレットなどの作業に追われています。だから三連休といっても、余計な外出が減って仕事がはかどるなぁという感じです。
     10月5日(金)には「声優ぷらす」に解説役で出演することが決まりました。こちらも是非お楽しみいただければ。これにともなって10月のアニメの門チャンネルをどこで配信するかは現在検討中です。決まりましたらtwitterなどで告知をします。

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  • アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第143号(2018/8/10号/月2回発行)

    2018-08-24 23:26
    86pt

     こちらのトラブルにより、今週もメルマガを発行することで、月2回発行のペースをキープしたいと思います。ご迷惑おかけしました。

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    1.最近のお仕事紹介
    2.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
    3.お蔵出し原稿
    4.連載一覧

    最近のお仕事紹介

    1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
     9月15日 『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』
     【受講申込】

    2.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメレビューを書こう」(東京)
    9月1日に実施します。『映画 聲の形』を題材にレビューを書いていただき、僕が添削をしていく形の講座です。申込み後、8月22日までに所定のメアドに原稿を提出してください。アニメをもっと深く楽しみたい方、文章を書くことに自覚的でありたい方、是非。【受講申込】

    3.9月のSBS学苑(静岡)
    9月30日は『コードギアス 反逆のルルーシュ』を取り上げます。総集編映画も公開された本作をTVシリーズをベースに読み解きます。【受講申込】


    連載「理想のアニメ原画集を求めて」

    文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)

    第71回『「歩き」について考える様々なこと』

     今回の本は、前回の『井上俊之「さよならの朝に約束の花をかざろう」原画集』に引き続き、アニメーターの井上俊之さんの本です。
    書名からは少し内容が分かりづらいですが、内容の9割は井上さんによる歩きや走りの原画を収めた本で、原画集と言って差し支えない内容だと思います。
    『井上俊之「さよならの朝に約束の花をかざろう」原画集』にも「歩き、走り編」がありましたが、今回の本はより純粋に歩きと走りを抽出して、動きとして語る内容の本となっています。
    基本的には、老若男女の歩きの原画をパラパラとめくって見られるようになっている本で、『有頂天家族』や『さよ朝』の井上さんの原画集に近い形式になっています。その2つと比べるとページ数は一見薄い印象ですが、それでも100ページ近くもあり、単体の本としては十二分に内容の濃い原画集です。

     元々ここに掲載されている動きは、『さよ朝』の制作時に3DCGで表現されるモブの動きや、若手アニメーター達のために井上さんが参考の1つとして描いたもので、教科書的な役割をもって描かれたようです。
     日本の「アニメの教科書」という分野は、アニメ文化が広まっている国にしては未発達な分野です。日本のアニメ表現の一つの部分として、アニメーターの作画技術が取りざたされる機会も少なく、その隙間を埋めるような役割を原画集が担っているのが現状だと思います。なので、「歩き、走り」というアニメの基本中の基本の動きに対して、教科書と呼べる本が現れたことは、アニメの文化の中で大きな動きのように感じます。

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     掲載されている原画は、1つの動きに対して、1枚につき正面、横、斜め前の3つのアングルで描かれた同じ動きが掲載されています。同じ動きが異なったアングルで当たり前のように原画として描かれていますが、同じ動きをどんなアングルからも正確に描くことができるということが、井上さんの精度の高い技術力を感じさせるものとなっています。
     動きのバリエーションも多く、男女や体格年齢別に9パターンもの動きが収められています。掲載されている動きを動画としてみたい方は、『さよ朝原画集』と同じく動画のQRコードとリンクが書かれているので、そこから実際に動いているものと原画を見比べることができます。
     「走り」に関しては子供の動きが1つなので、もっと見てみたいところです。この点は、『さよ朝』の原画集も並べて見て補完したいところです。
     9つの動きを3つのアングルから、単純に考えて27パターンの動きを見ることができる。さらに『さよ朝』の原画集に掲載されているものを含めれば、その数は相当なものです。それでも、これはアニメにおける歩きや走りのごくごく動きの一部分でしかないわけですから、動きという漠然とした表現がいかに多種多様に発展しているのかを考えさせられます。

     巻末には、井上さんが歩きに対して考えた考察が10項目に分かれて解説されており、読み応えのある内容です。
     今回は「歩き」についてという事で、「走り」に対しての言及はありませんでしたが、また何かの機会に井上さんの「走り」についての考察も読んでみたくなりました。
     この記事が掲載される時とは少し時期がずれてしまいますが、井上さんがラジオに出演して作画に関して語られるようです。原画集の発売が重なり、イベントの出演やメディアへの露出など、知る人ぞ知るアニメーターだった井上さんの知名度も上がっているようです。本業のアニメーターとしてのお仕事はもちろんとして、今後もこのような本を出し続けてくれることも期待してしまいます。
    (『「歩き」について考える様々なこと』/株式会社ピーエーワークス/1,200円)


    お蔵出し原稿

     このコーナーではおなじみ「アニメ喜怒哀楽」から、「着る喜び」を書いたものを。

    「着る喜び」の歴史

    衣装替えは変身と同じ

     前回の「喜ぶ」が「食べる喜び」だったので、今回は「着る喜び」の話を。
    そもそも「着る喜び」と感じるのはどんな時だろうか。やはりそれはある服から別の服へと着替える瞬間じゃあないだろうか。いくら素敵な服でも、着ずっぱりでは「着る喜び」を実感しにくい。つまり「着る喜び」とは「いろんな服に着替える喜び」なのだ。

     
  • アニメ評論家・藤津亮太のアニメの門ブロマガ 第142号(2018/7/27号/月2回発行)

    2018-08-17 03:56
    86pt

     7月末から仕事が建て込み本来なら先々週発行の予定の142号が現在の発行になってしまいました。大変申し訳ありません。合わせてお盆関係で立て込んだため、今週の発行になってしまいました。
     次号を来週発行とすることで、帳尻を合わせたいと思いますので、よろしくご了承ください。

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    1.最近のお仕事紹介
    2.連載「理想のアニメ原画集を求めて」
    3.前回のアニメの門チャンネル
    4.お蔵出し原稿
    5.連載一覧

    最近のお仕事紹介

    1.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメを読む」(東京)
     8月18日 アニメと戦争 80年代編【受講申込】
     ※『マクロス』や『FUTUREWAR 198X年』、『火垂るの墓』などを中心に取り上げる予定です。
     9月15日 『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』【受講申込】

    2.朝日カルチャーセンター新宿教室「アニメレビューを書こう」(東京)
    9月1日に実施します。『映画 聲の形』を題材にレビューを書いていただき、僕が添削をしていく形の講座です。申込み後、8月22日までに所定のメアドに原稿を提出してください。アニメをもっと深く楽しみたい方、文章を書くことに自覚的でありたい方、是非。【受講申込】

    3.9月のSBS学苑(静岡)
    9月30日は『コードギアス 反逆のルルーシュ』を取り上げます。総集編映画も公開された本作をTVシリーズをベースに読み解きます。【受講申込】


    連載「理想のアニメ原画集を求めて」

    文・水池屋(コーディネート:三浦大輔)

    第70回『井上俊之「さよならの朝に約束の花をかざろう」原画集』

     『井上俊之「さよならの朝に約束の花をかざろう」原画集』は、映画『さよならの朝に約束の花をかざろう』での井上俊之さんのお仕事をまとめた原画集です。
     もともと、筆の速さには定評のある井上さんですが、この作品では約300カットという驚異的な物量のお仕事をされているそうです。以前にP.A.WORKSから発売された『井上俊之有頂天家族原画集』と同じく、1ページに一枚ずつ絵が掲載され、パラパラとめくりながら見ることのできる、3分冊された分厚い原画集となっています。

     300カットというとてつもない物量を感じさせるには充分な厚みのある原画集ですが、今回の井上さんのお仕事は全ての原画を第二原画まで担当しているわけではなく、半分ほどは第一原画までを担当されていたそうです。半分でも圧倒的と言ってよい仕事量ですが、完成された原画ではなく作業途中の原画を見ることができる。しかも、今回の原画集ではそれが大量に!これは非常に珍しいことであり、興味深い事件です。
     劇場大作作品の原画集が発売されることは、原画集ブームと言って良い現在でもまだまだ珍しい事です。その中でも個人の仕事をまとめたものはなかなかありません。『さよ朝』はファンタジーの世界を舞台としていますが、劇場大作らしいスケールの大きな作品であり、井上さんの担当されたカットはTVでは見れないような重い内容のオンパレードで、パラパラとめくって見るだけでも楽しめる内容です。

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     3分冊の内容は、上巻「レナト・エフェクト編」、中巻「歩き・走り編」、下巻「馬・キャラクター編」とカットの内容によって分けられています。
     アニメの動きの中でも基本的なものの一つ「歩き・走り」の動きだけで原画集が一冊できているのも驚異的なことです。この巻に掲載されている、レナトに追いかけられるマキアのカットは、作品序盤での、また作品にとっても大きな魅力となっている劇場大作らしい見応えのあるカットです。
     「レナト」というのは、この作品の中で中心的な存在となっている巨大な竜の名称です。昨今ではこうしたモチーフが出てくる場合、3DCGでの映像がメインとなっていますが、このカットではアニメーターの手で描かれています。
     レナトが画面狭しと主人公のマキアを追いかけ回す映像は、劇場のスクリーンで見ると実物大の体験と錯覚するような、実に迫力のある映像でした。個人的には、このカットをスクリーンで観れただけでも、観にきてよかったと思えるような1カットでした。そうした巨大な竜が闊歩する映像も、原画集という形でまとまる事で、手に収まる大きさで見れるというのが、不思議な感覚です。もちろん、原画は紙で描かれているものですが、それを映画の中でアニメ映像として見た時に巨大な竜が動き回る迫力を感じられるというのは、改めてアニメの面白さを感じさせてくれた体験でした。
     他にも、歩き、走りと言っても様々な大きさやアングルで描かれた原画が掲載されており、教科書として原画集を購入したいと考えているアニメーター志望の方にとってはオススメの内容となっています。

     「レナト・エフェクト編」では、そうしたレナトの動きを堪能できる内容となっています。また作品自体に水辺のシーンが多いため、井上さんの水に関したエフェクトの描き方をまとめて見ることのできる内容となっています。
     「馬・キャラクター編」では、キャラクターの芝居や馬が出てくるシーンの原画が収められています。馬の原画がこんなにまとまった形で原画集に掲載されるということは前代未聞だと思います。もともと井上さんは仕事の中で馬を描く機会が多かったアニメーターだと思いますが、ここまでまとめて担当されていることはなかったかもしれません。
     『さよ朝』では、騎馬のようなカットから、馬が転げるというようなシーンまであり、馬の作画だけを見てもバリエーションに富んでいる印象です。こうしたシーンは、その難易度の高さから井上さんが作画に参加しているという前提から作られているシーンなのではないかと思います。

     今回は、『有頂天家族原画集』の時のようなDVDでの映像特典は付属しませんが、代わりに原画の解説映像をYouTubeで見ることのできるアドレスが原画集に掲載されていました。インタビューを受けているのは井上さんです。今回は聞き手が『さよ朝』に参加されていた「平松禎史」さんということもあり、一般のアニメファンには難易度の高い映像となっているかもしれませんが、アニメーターが自分の言葉によって原画を解説する貴重な映像でした。
     これを観ていて 、原画集を企画するのが難しい作品でも、こうして作画を解説する映像単体をなにかの形で販売や視聴できるサービスがあると、需要の大きさは分かりませんが面白いのではないかと思いました。

     『有頂天家族原画集』の時も満足感のある内容でしたが、今回は劇場作品の原画集ということもあり、更にボリュームアップした印象のある、より充実した内容の原画集でした。3冊まとめて購入すると約1万円という高額な原画集ですが、少しでも興味があれば手に取ってみてほしい内容です。また今後も、こうした原画集が出ると良いのですが、 P.A.WORKSさん以外のアニメ会社でもチャレンジして欲しいものです。
    (『井上俊之「さよならの朝に約束の花をかざろう」原画集』/発行:株式会社ピーエーワークス/(3冊セット)9,720円)


    前回のアニメの門チャンネル

     前回のアニメの門チャンネルは「夏休みだョ! 劇場版『セーラームーンR』勝手に実況」と題して、ライター・アオヤギミホコさんをゲストに、劇場版『セーラームーン』を語り合いました。
     わずか60分の映画ですが、40分から50分にかけての畳み掛けが見事です。そして『輪るピングドラム』に通ずるテーマ性。とても濃い作品であることを再確認しました。


    お蔵出し原稿

     このコーナーではおなじみ「アニメ喜怒哀楽」から、タコさんウィンナーの楽しさを扱った回をどうぞ。

    “タコさん”は楽しい

    『Kanon』『ケロロ軍曹』etc
    アニメの中の“タコさん”

     タコさんウィンナーとは何者か?
     半分に切ったウィンナーの断面に縦の切れ目を入れて炒め、反り返った切り込み部分が独特のシルエットを作り出す存在。時にはゴマなどの飾りで“目”がつけられることもあるという。日本の弁当のおかずにおける定番の一品で、これがあるだけで弁当箱の中がにぎやかになり。楽しい気分になってくる。
     定番の一品だけあって、アニメ(やマンガ)の弁当シーンなどにもしばしば、タコさんウィンナーは登場する。あるいはむしろ「アニメ・マンガの中にある食べ物」として、あの“マンガ肉”の仲間として、タコさんウィンナーを捉えている人も少なくないだろう。