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【サンプル記事】【新人アニメーター寮/通信】

2014-05-13 16:57

    【新人アニメーター寮/通信・第1号】

    隔週木曜日発行


    2014/6/12



    【目次】

    1:「新人アニメーター寮について」 アニメーター支援機構 菅原 潤
    2:「片足出して、もう片足出して、はじめて歩ける」 片渕須直
    3:「寮生日記」 新人アニメーター寮/寮生 田中正晃
    4:「寮長日記(予告編)」 新人アニメーター寮/寮長 浅野直之



    1:「新人アニメーター寮について」  アニメーター支援機構 菅原 潤

    NPO法人アニメーター支援機構を設立してから、今年で3年目になりました。
    【新人アニメーター大賞】で、住居支援を行った新人アニメーターも、5名を超えました。
    これまでは、ほぼ自腹での活動だったので、「なぜこのようなプロジェクトをやっているのか?」という質問を良く受けました。
        
    その答えとしては、「楽しいから!」という他ないですね。

    支援した新人アニメーターの名前が、TVや映画のエンドロールにのったり、順調に成長して、動画から原画に上がったり、人によっては作画監督になって、版権の画を描くようになったりするのを見るのは、「育成シミュレーションゲーム」のような楽しみがあります。

    NPO設立当初から、開設を夢見ていた「新人アニメーター寮」も、今年、2014年の3月に、ついにOPENする事が出来ました!

    まずは寮生2名からのスタートですが、徐々に規模を拡大して行ければ、と思っています。

    【新人アニメーター寮】の運営および新設は、今後、定期的に開催する、クラウドファンディングでの出資によって行われます。
    ※クラウドファンディングでの資金調達が出来れば、寮の新設、および規模の拡大をして行く予定です。
    寮の応援をしたい、という方は、是非ご出資お願いいたします。 

    「新人アニメーター寮」で生活し、成長していく新人アニメーターを「支援する」という、「育成シミュレーションゲーム」のような楽しみを、より多くの方々に共有して頂ければ…、と思います。



    2:「片足出して、もう片足出して、はじめて歩ける」  片渕須直

    これから新人アニメーター寮に入るふたりの顔を見たり、へえ、この寮はエアコンついてて幸せだなあ、僕らが新人のとき住んでたアパートにはそんなのもなかったなあ、などと喋っているうちに、自分自身がアニメーションの仕事についたばかりの頃を思い出したりしていました。

    1980年代あたまの頃のことです。
    アニメーションがわりと子ども向きのものだったところから、自分たちと同じくらいの若い人たち向けに転換しつつあった時期で、これからはアニメーションでいろいろ出来るんだ、という想いからか、この仕事に就く人も多くって、たぶんアニメ業界人口が花開くように拡大していた時代だったと思います。

    けれど、入ってみると実は動いている作品数がそれほど多いわけでもなく、主にアメリカあたりのテレビシリーズの下請けの仕事に充てられてばかりの日々が続きました。
        
    日本製のアニメーションなんて海外では(フランスでの『ゴルドラック』とかは除いて)あまり紹介もされてなかったのです。

    下請けの仕事ですから絵コンテも作画内容も発注元から細かく指定されてきて、こんなことをこなすためにアニメーションの仕事を始めたのだったかなあ、と閉塞的な気分だったことを思い出します。

    それから30ウン年。
    今は全く違っていて、日本製アニメを引っさげて海外にお邪魔することもたくさんあるようになりました。

    もう「知る人ぞ知る」みたいな感じじゃなくなって、日本でと同じような感じで海外でも観てもらえるようになっています。

    けれど、せっかく作品を取り巻く状況がそんなふうに変わったのに、新しくアニメーターになろうと志す人にとっては、以前よりずっと間口が狭くなってしまっているのかもしれません。

    そういうところで両足の足並みが揃わないので、あいかわらずの歩みにくさを感じてしまいます。

    阿佐ヶ谷の新人アニメーター寮を見上げて、ここから始まる何かに期待したいな、と思いました。

    何かの始まりはいつだって小さなところから、という気がします。



    3:「寮生日記/3月」  新人アニメーター寮/寮生  田中正晃

    はじめまして。

    3月から新人アニメータ寮に住まわせていただくことになりました田中正晃です。

    これか稚拙な絵と、さらに稚拙な文章を月に一回送ることになってしまいますが、日進月歩で成長していく所存ですので温かく見守っていただけたら幸いです。

    まず簡単な自己紹介からはじめた方がいいのでしょうか?
    名前は、田中正晃。年齢は22歳。
    出身は茨城県で、先月までは筑波大学の芸術専門学群という所で油絵の勉強をしていました。

    そして来月から動画として制作会社にて働く予定です。
    趣味等は、まぁ色々ありますが基本インドアです。
    けど歩くのは好きです。

    テレビは基本見ません(新人アニメータ寮にはテレビがありません)。
    情報の類はラジオかネットから得ています。
    と、そんなところでしょうか?

    自己紹介も終わり、さて何を書いたものかと考えてしまうのですが、まだ働き始めていない今月は新人アニメーター寮に住むにあたっての思いなんかを書いていこうかなと思います。

    まず一つは、普通にアニメーターとして生活していたら、お金の出発地点の方々(出資者・消費者等)とコミュニケーションをとる機会なんてほとんどなかったのだろうなぁ、という思いです。

    いきなりお金の話か!って感じですか?すみません。
    続けます。

    制作会社はアニメを納品することが仕事であり、大抵の場合売ることは仕事ではありません。
    なので制作会社に所属している僕らアニメーターは、絵を描くことによってその納品を手伝うことが仕事なので、基本BtoB的というか、つまりは仕事相手としかやり取りをしないのです。

    僕らは最終的に行き着く先の人たちとはやり取りをしないのです。

    しかしアニメータ寮で流れているお金を発生させているものは、BtoC的な(あくまで、的な、ね)コミュニケーションです。
    出資者・消費者とアニメーターがほとんどゼロ距離で直接コミュニケーションをとることになるのです。

    そのことを強く感じたのは、3/16日に行われた、新人アニメーター寮のオープニングパーティのとき。
    その方々の言葉の中に僕(ら)に対する大きな期待と少しのプレッシャーを感じました。

    しかしそれは当然のことです。その方々にとって(この文章を読んでくれている方にとっても)僕らは出資対象そのものであり、お金を出していただくということは、その周辺にある思いもひっくるめて受け取るということなのだから。

    そしてここに住むにあたって思うことがもう一つ。
    せっかくこんないい場所に「場(寮)」があるのだから、何か面白いことできないかなぁと思うわけです。

    いや、もちろん仕事が始まってしまえばそんな余裕もなくなってしまうのかもしれませんが、

    中央線沿い駅徒歩1分の場所を何かに使わないともったいない気もするわけです。
    とはいえ何か具体的な案があるわけではないのですが・・・。

    といった感じです。
    4月1日からは研修が始まるので次は仕事の話になるのでしょうかね。

    けど仕事の話は皆さん書いていると思うので、ほかの話、たとえば寮生活についてとか書きたいですね。

    もし仕事の報告をするにしても「余裕っすよw」見たいな感じで報告できるように頑張りたいと思います。

    ではまた。

    田中正晃






    4:「寮長日記」(予告編)  新人アニメーター寮/寮長  浅野直之

    「寮長日記」/浅野直之   COMING SOON!




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    【新人アニメーター寮/通信】
    更新頻度: 毎月15日
    最終更新日:2015-07-29 18:33
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