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■佐倉みさき/12月25日/23時20分
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■佐倉みさき/12月25日/23時20分

2014-12-25 23:20
    佐倉視点
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     とても寒い。
     私はコートのポケットに両手をつっこんで歩く。
     あの公園の芝生の上で、ほんの1分くらい立ち止まって、空をみあげる。
     空は曇っていて、星はよくみえない。
     やっぱり、あのときとは違うのだ。
     私は今、ピンチだろうか?
     ――なかなか難しい命題だな。
     と私は思う。
     悲しいは悲しいし、苦しいは苦しい。
     でも、ほっとした、という風な思いもある。
     ――昨日、センセイが完全に消えて、プレゼントが生まれた。
     物語に関わるすべての人たちが納得する結末?
     確かそんな効果だったように思う。
     そのプレゼントはおそらく昨夜使われたのだけど、効果はなかなか複雑そうだ。
     少なくとも。
     ――そのプレゼントが使われた直後、おそらく、私は久瀬くんの魔法を忘れた。
     あのキーホルダーにこもった、ひとつの約束。
     私には絶対に悲しいことが起こらない、という、スペシャルな魔法。
     その魔法が消えてしまうことが、きっとハッピーエンドへの道筋だったのだろう、と予想できる。
     幸福になるのがすべての人であれば、もちろん久瀬くんも含まれるから。
     とりあえずあの魔法自体がなかったことにならなければ、いろいろと面倒だったのだろう。
     すべてを忘れて、久瀬くんは平穏な生活を取り戻したはずだった。
     彼が平穏なら、とりあえず私も平穏だということは簡単だ。
     ――なのに。
     今日のお昼に、私はあのキーホルダーのことを思い出してしまった。
     どうして?
     私自身に理由がないとすれば、おそらく。
     キーホルダーの魔法が消えてしまった結末が許せない人が、ぽんとこの世界に現れてしまったのだろう。
     だから「物語に関わるすべての人たちが納得する結末」を作るプレゼントは、あのキーホルダーを消したままではいられなくなったのだ。
     きっと。
     私が悲しむたびに、私のところに駆けつけたいと思ってくれた人がいるんだ。

           ※

     目の前にはバス停がある。
     私はこれから、バスに乗る予定だけれど、このバス停は関係ない。
     なんとなくちらりとベンチをみた。
     ――そこに。
     なぜこんな場所にあるのだろう?
     見知ったキーホルダーがあるのをみつけた。

    読者の反応

    子泣き中将@優とユウカの背後さん @conaki_pbw
    届いた…!


    たもさん@3D小説用垢 @sol_tamosan
    よっしゃ、届いたああああああああ


    くわみず @kuwamizu
    久瀬くんが思い出したからかー。


    ボストーク@ソル(bell) @BocTok_SOL
    後は結末を待つのみ





    ※Twitter上の、文章中に「3D小説」を含むツイートを転載させていただいております。
    お気に召さない場合は「転載元のアカウント」から「3D小説『bell』運営アカウント( @superoresama )」にコメントをくださいましたら幸いです。早急に対処いたします。
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