スケオタの女神、静香様です!
静香様は、実は古くからのMacユーザーでもあり、最近はiPhoneを愛用しています。
そこで、週刊アスキーでスマホ担当兼アップル担当のかたわらフィギュアスケート担当として勝手に活動してきたわたくし竹子が、静香様にインタビューしてきました。
ていうかわたくし、2004年から静香様の大ファンでして、金メダルを獲得した2006年トリノ五輪にも応援に行ったんですっ! 滑走前に「しーちゃんガンバーッ」と叫んだのも、フリーの演技後にハーゲンダッツ券入りのチェブを投げ込んだのも、ええ、わたくしでございます(超自慢)。
五輪後に静香様が飼いはじめた愛犬“ティラミス”はイタリア語で“Tirami su”と書き、“私を持ち上げる”という意味になります。五輪のエキシビションで演技した『You Raise Me Up』と同じ意味なんですね~。豆知識でした。
↑グランドプリンスホテル新高輪の屋内にある『ドッグラン&ラウンジ』にて、ティラミス(左)&アロマ(右)と。同ホテルには犬同伴が可能な客室やカフェ、シャンプーやカットなどのお手入れができる『ペットスパ』、犬を預けられる『ドッグクローク』もあります。――荒川さんもティラミス達とプリンスホテルを利用されているのですか?
荒川 軽井沢プリンスホテルに犬4匹を連れて泊まったり遊んだりしました。犬と一緒に泊まれるコテージがあるんです。いっしょに遊べる『ドッグパーク』や、シャンプー、カットができる『ドッグケアハウス』、買い物などに行っている間預かってくれるサービスもありますよ。
――動物愛護啓発イベントに参加された理由は?
荒川 ペットは人がケアしてあげないと生きていけません。命を預かる立場にもかかわらず、飼えなくなって保健所などに連れて行き、殺処分になってしまうことがあります。そういうペットを救いたいと考えました。
ペットは人間のエゴでそばにいるものだと思うので、一緒にいたいのであれば寿命をまっとうするまで幸せでいられるように、できる限りのことはしてあげたいと思っています。犬にとっての幸せというよりも、実は自分が喜んでいるだけなのかもしれませんが、それでも犬が楽しそうかどうかはわかるので、なるべくコミュニケーションをとって楽しい時間をすごしたいと思っています。
――アイスショーに荒川さんがティラミス達といっしょに登場するのを見ると、私達観客は心がなごみます。そういう癒し効果もありますよね。
荒川 そうですね。そうやって人の心をなごませて癒してくれる犬達に感謝しています。
――もう間もなく、8月24~26日に荒川さんプロデュースのアイスショー『フレンズオンアイス2012』が開催されます。準備は順調ですか?
荒川 今まさに準備中です。先日カナダでデヴィッド・ウィルソンに2曲振り付けてもらいました。5日間しかなくてデヴィッドも「2曲は厳しいかな」と言うほどだったんですけど、なんとか(笑)。
――フレンズオンアイスでお披露目できそうですか?
荒川 滑り込めれば、ですね。去年はカナダに5月ぐらいに行ってプログラムを3つつくって、余裕がある状態でフレンズオンアイスに臨めたのに、今回は順番が逆になってしまいました。練習時間も思うように確保できていなくて。今クラブの練習に混ぜてもらってアマチュアの子達といっしょに練習しているんですが、練習時間の45分間で自分の曲かけの順番が回ってこないことも。
――数年前から全国的に練習生の数が増え続けていますが、リンクは減少していて練習環境は本当に厳しいものがありますよね。でも、フレンズオンアイスに関しては、毎年演技のクオリティーが高いので、準備がギリギリのようには見えませんよ。
荒川 参加してくれるスケーター達の集中力の高さや経験に救われています。準備段階で想像しているはるか上のほうまで行けるんです。でも今年は本当に「できるのか、できないのか!?」という感じで……(笑)。
――フレンズオンアイスは観客も“フレンズ”のひとりであり、会場全体でつくり上げる独特の熱気がありますよね。あの熱気のなかだから、たとえば小塚君がプログラムのなかで4回転トーループを成功させたりとか、特別なパフォーマンスが生まれるんだと思います。
荒川 解放感があるんだと思います。あまり「こうして欲しい」とか「こうしなきゃいけない」とかがないんです。ショーのイメージをつくり込まないで、皆が開催直前に集まったときからつくり始め、当日の会場にいるお客様の雰囲気で完成する。自分達でやりたいことをできる。だからちょっとアグレッシブな気持ちになれるんだと思います。
スケーターのレベルからアイデアが出てくるんです。出てくるからこそ、事前につくりこまないでおきます。私がオープニングナンバーをつくったときはほとんどそうで、ざっくりとした動きや音源は提案しますけど、個々のスケーターの細かい動きや流れは集まってから考えます。クリエイティブな才能をもったスケーター達ですから、そのほうが個性が光ると思うんです。
――毎年オープニングとフィナーレの群舞も凝っていますが、今年の振り付けは誰ですか?
荒川 両方とも宮本賢二君です。毎年、ショーのイメージに近いものをつくれそうな方にしようと考えていて、シェーリーン・ボーンさんや佐藤有香さんなど、参加するスケーターにお願いしています。最近はシェーリーンが多かったですし、今年は彼女が出産したりして時間がなかったので、カラーを変えてみようかなと思って賢二君にお願いしました。
――どんなふうになりそうですか?
荒川 まだ全然。曲も聴いてないですし、昨日電話で打ち合わせしようと話していたくらいで、これからですね。
――ところで、週刊アスキーはパソコンの雑誌なのでいちおうそういうお話もお聞きしたいんですが、荒川さんは以前からMacユーザーでしたよね?
荒川 そうですね。父がMacユーザーで、私が大学生の時代パソコンが必要になったときに勧められたのがMacでした。持ち手がついていて、カラフルな貝のようなかたちで、3キロぐらいした。「ああMacって個性的なんだ」と思いましたね。それでレポート作成をしたりしたのが、最初のパソコンとの出会いでした。
――初期のiBookですね。大学で目立ったのではありませんか?
荒川 好奇の目で見られる感じでしたね。まだあまりノートPCを持って講義を受けるような時代でもなかったですし。ネットも海外遠征に行ったらダイヤルアップで接続していた時代です。ずいぶん変わったなあと思います。今はMacBook ProとAir両方を使っています。短い遠征のときはAirを持って行って、長い場合はProを持って行って必要があれば音楽編集をしたりしています。
――音楽編集もご自分でしているんですか?
荒川 自分のプログラムで使う曲は自分で編集しています。長年『Sound it!』を使っています。結構皆使ってません?
――そうなんですか! インターネットの方が喜ぶと思いますよ。
荒川 えぇ~(笑)。電話は携帯電話とiPhone 4S両方を使い分けています。iPhoneは外出先でのメールチェックや、原稿を見たり文章をつくったりするために買いました。あとiPod touchとiPod nanoも。
――iPhoneひとつで十分ではありませんか?
荒川 電話として使うので消耗しますし、滑りながら音楽を聴いたりするのでnanoを使うことが多いですね。バッテリーがなくなって何もできなくなってしまうのが怖いので、たくさん持ち歩いている感じです。普段それほどヘビーに使っているんでしょうね(笑)。じっとしているのが苦手で、移動中なども常に何かしていないと落ち着かないので。
――個人的な興味でおききしたいのですが、2006年5月8日に初めて開催したフレンズオンアイスの映像は残っていませんか?
荒川 報道ニュース用に撮った部分しか残っていないんです。このショーがこんなに続くなら、記録用でも撮っておけばよかったですよね。今考えればもったいないですね。
――そうですか。残念です。皆の頭の中の記憶を再現したいですね……。あと、2008年に10分ぐらいのメドレーをやりましたよね。もう一度いかがですか?
荒川 あれはやって後悔しました。死んじゃうかと思いました。自分の個人ナンバーをつくる暇がなくなってしまって、試行錯誤のうえ、仕方なくメドレーというアイディアにたどり着いたんです。リンクの上に乗り続けているから体は動くんですけど、あのときはまだ20代だったから。30歳になった今は、どうですかね(笑)。
――ここ最近でお気に入りのプログラムは?
荒川 最近は『The Voice』(2011年作、シェーリーン・ボーン振付)です。昨年の5月につくって8月のフレンズオンアイスでお披露目したので、練習時間は結構あったんですけど、その後滑っているうちにさらに曲の細かいニュアンスを解釈できるようになりました。滑るほど練り込まれて、やりがいがあると最近思いますね。
『夕顔』(2008年作、宮本賢二振付)も、つくってから1年ぐらいの間よりも、しばらくしてもう一度引っ張り出してきて衣装も新しくしました。後になってから曲について深く理解できることがあるんです。『エル・フラメンコ』(2010年作、宮本賢二振付)も最近2年ぶりぐらいに滑ったら、つくった当時と今では経験も違うし、自分のメンタルも変わってきて、醸し出すものもちょっと変わったかなと感じました。
――よりセクシーに、とか?
荒川 年相応の経験によって培われた表現力もあるのかもしれません。同じプログラムでも、滑る時期によって感じ方捉え方が全然違うのでおもしろいですね。年を重ねていくごとに深みが出てきたりして。『Listen』(2007年作、阿部奈々美振付)も、以前から女性として感じるものを発散するようなイメージが自分にぴったり合っていると思っていましたけど、今のほうがより歌を深く解釈して表現できているんじゃないかと思います。昔のプログラムを引っ張り出してくるのはおもしろいですね。
昔はよかったけど今は、というものもありますね。たとえば『Candyman』(2006年作、ニコライ・モロゾフ振付)は30歳の今はちょっと恥ずかしい。あれは、あのときの私が滑るからよかったんだなって。それでも十分抵抗あったんですけど(笑)。
――メドレーとまでは言わなくとも、昔の曲をもう一度、は期待しています。フレンズオンアイスがとぉっても楽しみです。今日はありがとうございました。
……スケートのお話ばかりきいているわたくしに「あまりパソコンの話していないけど大丈夫ですか?」と自らたくさん話してくれた静香様。あぁ静香様! 一生ついて行きます。
※8月16日15:40追記 『Candyman』の振付師を修正しました。
荒川静香プロフィール(→公式サイト)
1997年 全日本選手権優勝
1998年 長野五輪13位
1998年 全日本選手権優勝
2004年 世界選手権優勝
2006年 トリノ五輪金メダル
2006年よりプロスケーターとして活躍中
9月1~2日の『Fantasy on Ice』(福井)、9月22日の『Opera on Ice』(イタリア)にも出演する予定。
フレンズオンアイス(→公式サイト)
荒川静香がプロデュースするアイスショー。今年で8年目を迎える。
8月24~26日、新横浜スケートセンターで開催。
[出演スケーター(予定)]
安藤美姫(2007年・2011年世界選手権優勝)
イリーナ・スルツカヤ(2002年冬季五輪銀メダル、2006年冬季五輪銅メダル、2002・2005年世界選手権優勝)
ケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ(2012年世界選手権第4位)
小塚崇彦(2011年世界選手権準優勝)
シェーリーン・ボーン(2003年世界選手権優勝)
鈴木明子(2012年世界選手権第3位)
高橋大輔(2010年冬季五輪銅メダル、2010年世界選手権優勝)
田村岳斗(1997年・2003年全日本選手権優勝)
チン・パン&ジャン・トン(2010年冬季五輪銀メダル、2006年・2010年世界選手権優勝)
ONE LOVEウォーク2012(→公式サイト)
殺処分を免れ、新しい家族を求めている犬=“保護犬”の認知促進・譲渡促進、保護犬の飼育率向上による殺処分犬の減少を目的とした、動物愛護啓発イベント。
9月23日、東京・代官山のT-SITE GARDENにて開催。ウォークラリー、トークショー・抽選会、保護犬の譲渡会などを予定。
Pet Smile Project(→情報ページ)
西武グループでは、『Pet Smile Project』と題して、ペットといっしょに楽しめる場所や楽しく過ごせる機会を広げる取り組みを積極的に展開しています。
iPhone・iPad用アプリ『Zamboni Challenge』
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