きらめく星々、幻想的な銀河を写す天体写真を見ると、撮影するには専門的な機材や技術が必要なのでは? と思いがち。
しかし、デジカメのクセさえつかめばあっさり撮れてしまうのだ。むしろ、デジタル技術の発達により星景写真はずいぶん身近になった。旅先で見た星空、その感動をちょっとしたワザで美しく残してみよう。特別なカメラでなくても、もっているデジカメで星は撮れるのだ!
●もってるカメラで挑戦
↑マニュアル操作ができる機種が理想だが、夜景撮影ができるコンデジでも可能。
●三脚を用意しよう
↑カメラを固定するのに三脚が必要。携帯用の小型三脚でもかまわない。
■星を撮るための4つの基本
1. 三脚でしっかり固定
2. ISOは400以上に設定
3. 絞りはF4~F5.6
4. シャッター速度は10秒~30秒に設定
以上の基本を念頭に、あとは撮る対象にあわせてISOや絞り、シャッター速度などをいじりながらパシャパシャ撮ってみよう。フィルムと違い、遠慮なくシャッターを切れるのがデジカメの最大のメリット。まずは明るい月や見慣れたオリオン座やカシオペア座などに挑戦してみよう。
■簡易赤道儀を使って星景撮影をする
●赤道儀を使うと暗い星まで写る!
そして、撮れる写真に満足せず、さらにいかした写真が撮りたい!と思うようになってきたら、簡易赤道儀の導入を検討してみてはどうだろう? “赤道儀”という言葉を聞き慣れない人もいるかもしれない。これは地球の自転と逆方向に回転して、星の動き(本当は地面が動いている)を打ち消す装置だ。
従来は天体望遠鏡用だったが、最近はデジカメ用に小型赤道儀が登場している。これを使えば暗い星まできっちり写せる。
●追尾(ガイド)撮影をすると
↑10秒でも星は動く。星雲など暗い天体の撮影には赤道儀が必須なので、手に入れたい。
星空雲台 ポラリエ(三脚セット)
●ビクセン
●実売価格 5万5000円前後
■ポラリエを設定する
●観察地の緯度に合わせる
↑角度計を観察地の緯度に合わせる。東京なら35度だ。
●北極星に合わせる
↑本体ののぞき穴に、北極星が中心に来るように合わせる。
●カメラを取り付ける
↑自由雲台を取り付け、カメラを載せて撮りたい方向に向ける。
●ダイヤルを構成追尾に設定
↑星追尾のほか、1/2速モードなどがある。月や太陽の追尾も可能。
■ポラリエを持って星のキレイな場所に出かけよう!
↑赤道儀を使ったガイド撮影なら、初めて星を撮る人でもしっかりとした星空を表現できる。
●星景写真家 大西浩次氏によるポラリエを使った作例
↑『銀河の響き』撮影 星景写真家 大西浩次 Canon EOS 5DMkⅡ、EF16-35mm F=2.8LⅡ USM、Kenko MC PROソフトン(A)フィルター併用。ISO 2500、露出30秒。湖に映る銀河中心を、ポラリエの星追尾モードで撮影。固定撮影よりも1~2等暗い星が写るため、天の川が星の集まりとして表現される。
↑『天空の樹』撮影 星景写真家 大西浩次 Canon EOS 5DMkⅡ、Sigma 15mm F=2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE、LEEソフト1 フィルター併用。ISO=2500、露出30秒、ポラリエの星追尾モードで撮影。老木を取り囲むような天の川、老木の向こうに月が昇り、大地を輝かしている。それにも負けず、星々は輝いている。
■ペンタックスのお手軽オプションO-GPS1
そしてもうひとつ、ペンタックスのデジタル一眼に限定されるが、お手軽に同様の追尾撮影ができるGPSユニットがある。ポラリエと同じように星を追尾して撮影するので、星をキレイに表現できる。ただし、ガイド撮影は最長5分までという制限がある。
O-GPS1
●ペンタックス
●実売価格 1万6000円前後
↑PENTAX K-r以降の機種に対応。ストロボシューに付けて使用するGPSユニット。
●街中で天の川が撮れた!
↑ISO 400、露出1分。東京・練馬の街中でも空の条件がよければ天の川が写る。
もしペンタックスの対応カメラを使っているなら、ぜひ導入を検討してみよう。
以上、いかがでしたでしょうか? この冬、ちょっとデジカメで天体写真に挑戦してみたくなりませんか? 週刊アスキー2/5号(1月22日発売号)の特集『真冬がいちばんキレイなので星空をデジカメで撮る』では、簡易赤道儀や三脚さえも使わず簡単に月を撮影する方法から、ISS(国際宇宙ステーション)の軌跡を複数撮って合成する方法まで、さまざまな解説をしています。ぜひそちらもご覧ください。
■関連サイト
ビクセン
ペンタックス
大西浩次氏のflickr
大西浩次氏のFacebook
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