こんなおもしろいアイテムを見つけたので、製品名の通り"DIY"で工作を楽しんでみることにしました。
重量は25グラム。とはいえ、単純に撮影するだけならコンデジのほうが機能も画質も上ですから、わざわざこの製品を使うメリットがありません。やはりこの小ささと軽さを生かせる、“何かに組み込んで使う”というのをやってみたくなるわけです。実際、製品のパッケージにはラジコンやメガネへの装着例が載っていますしね。
あめ玉の缶くらいのパッケージにすべてが収納されている。 内容物はリモコン、カメラ本体、充電用のマイクロUSBケーブル、取り扱いマニュアル。せっかくなら、やはり『DIYちっちゃい組み込み式カメラ』ならではの使い方がしたいと考えました。ほかのカメラでは撮れない、または撮るのが難しい映像にしたいと考えると、普段自分たちが使っているモノのモノ側からの視点の映像が見られたら楽しそうです。それで、“おもちゃのボールに内蔵する”を思いつきました。
”投げる”つながりで次に思いついたのが、空中撮影です。最近はカメラ搭載のラジコンヘリが手ごろな価格で登場していますが、ちょっとした空中移動気分を味わうなら、紙飛行機みたいな手軽なものにこのカメラを載せて撮影できないかと考えました。
……ということで、この2つを実験してみました。まずは動画の説明をどうぞ!
おもちゃのボールに内蔵
綿の入った柔らかいボールを用意します。今回は赤ちゃん用のおもちゃを使いました。縫い目を一部切って開き、中の綿を少量抜き取っておきます。表面に5ミリ程度の丸い穴を開けましょう。指で綿をかき分け、カメラを入れられるスペースを作ってから本体を押し込みます。カメラのセンサー部を開けておいた穴へとはめ込んでから、最後にテープで開いた部分を止めれば完成です。
●ボールを投げたり転がしたり
さっそくどんな映像が撮影できるのか試してみましょう。まずは空中へ放り投げたり、遠方へ投げたりしてみたのですが……どうしても回転がかかってしまって、ひたすら目が回るだけの映像になってしまいました。回転させずにボールを投げられるならおもしろい映像が撮れそうですが、結構難しいものです。
次に試したのが、公園の滑り台を転がしてみること。こちらも目が回るのは同じですが、回転の始まりが遅く、周囲の風景が意外と見えるので、ちょっとおもしろい映像になりました。
スタート時の様子。落下中は速くて目が回ります。また、最後は回転しないものを撮影できないかということで、5メートルほどの高さから落としてみました。実際に自分が飛び降りることはできませんので、代わりにボールに落ちてもらおうという魂胆です。思ったほど恐怖感はないですが、地面で軽く跳ねて転がる様子がボール視点で見られるというのは、なかなか貴重です。
高所恐怖症の人だとヒヤッとしそうな感じです。グライダーで滑空写真を撮る
ボールを使った空中撮影が失敗したので、今度は紙飛行機に挑戦です。実験中に墜落させてカメラを壊さないよう、ほぼ同じ25グラムの単三電池を代わりに使うのがオススメです。
まずは厚めの画用紙で紙飛行機を折って実験してみたのですが、25グラムが思いのほか重く、紙の翼が重量に耐えられずにすぐ落下してしまいました。紙飛行機はムリだとわかったので、もっと強度の高いグライダーっぽいものを作ることにしました。
●紙の試作グライダーは水に弱かった
グライダーといっても単純なもので、形はほぼ紙飛行機と同じです。一番の違いは、翼をなるべく大きくしたことでしょうか。また、工作用紙を使ったことで厚紙より強度が高く、カメラを載せても翼が負けることなく飛ばせるようになりました。
家の中で何度か飛ばしてバランスを調整し、なんとか数メートルは滑空することを確認。満を持して、人の少ない公園へと出かけて飛ばしてみたのですが……。何度やってもうまく滑空してくれません。どうやら紙が朝露の水分を吸ってしまい、バランスが崩れたうえ、さらに強度まで落ちてしまったことが敗因のようです。
●スチロールで作り直して挑戦
屋外での実験に備えて水に強いグライダーを作ろうと、今度はスチロール板を用意。墜落してもスグには壊れなさそうな厚みは5ミリを選びました。ネットで手作りのグライダーを検索してみると、正面から見てM字となるように翼の形を作っているものが多く目についたので、それらを参考になんとなく作成。左右のバランスをとるためにプラ版でフラップを作って貼り付ければ完成です。
前から見るとM字になっている。このままではフラフラしてまともに飛ばないのですが、カメラをおもりとして使うことで、軽く投げると滑空するようになります。
カメラを取り付けるための台もプラ板で作成。●バランスとサイズに課題が残る感じに
紙のグライダーと同じように家の中で調整し、公園へ。今度は短時間ではありますが、なんとか滑空してくれました。ただし、本体の上にカメラを装着したことで重心が高く、少しでも横風が吹いていると簡単にひっくり返ってしまいます。また、投げるときに勢いをつけると裏返るなど、バランスがあまりよくないものでした。
それでも、5メートルほどの高いところから投げてみると、旋回しながら着地してくれたのはうれしかったですね。実際に撮影できた映像はかなり激しい揺れがありますが、芝生への着陸はなかなか迫力があります。
滑空するグライダーの様子。 飛んでいる昆虫が草むらに着陸するような視点の映像が撮れました。●さらにアイデア次第で楽しめそう!
ボールなら、ペットや赤ちゃんと一緒に遊んでいる様子を撮影するのもおもしろそうです。猫パンチされるとかなり迫力ある映像が撮れそうですね。空中撮影なら、グライダーよりももっと高く飛ばせる凧に付けるというのもアリです。近所に飛ばせる場所があるのであれば、試してみるのもいいでしょう。
これ以外にも、防水の袋に入れて川を流してみるとか、逆におもりを一緒に入れて水中を撮影するとか、工夫次第でイロイロな撮影が楽しめそうです。
今回の試行錯誤結果をふまえて後日、凧に付けて飛ばすことに挑戦しました。カメラが落下して紛失したり壊してしまうことを心配して後回しにした実験ですが、あっさりと成功し手軽に簡易空撮を楽しむことができました。お楽しみに!
『DIYちっちゃい組み込み式カメラ』はアスキーストアで絶賛販売……していたのですが、大人気のため記事準備中に品切れてしまいました。改良版が発売予定との情報もありますので、新モデルが出たらアスキーストアで取り扱い検討いたします!
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