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休日は僕の家に西郷が来ています。
西郷以外来たことがありません。


昼飯時になると、大抵僕が「外に出ると全身から出血して憤死する病」を発症するので、西郷に買いに行ってもらいます。
すると、なんかメーカーとかよくわからない58円のカップラーメンを買ってきます。
こんなの不味いだろと思って食べてみると、これが美味いのです。
スパイスの効いたスープが絶妙に麺に絡み合い、舌の上でハーモニーを奏でます。


僕は悔しがらに「これは値段の割に美味いですね」と感想を述べます。
それを聞いた西郷は「値段や見てくれは美味しさとイコールではないんですよ」とドヤ顔でラーメンを啜ります。
僕は心の中でモテはいつか殺してやる、くたばれやと呟きつつラーメンを啜るのです。
大抵そんな感じで休日が過ぎていきます。

ところで、ミケが食べている黒缶パウチ(ささみ入り
まぐろ)も60円くらいです。
僕らとミケの一食がほぼ同じ価格です。
この家では人と猫が平等に扱われる、真の理想郷が形成されています。
世界平和実現のヒントもこの辺にあるのではないでしょうか。
皆さんも改宗してミケ教に入りましょう。


(文:坂本、絵:Syo)