身体的な障害を抱えながら働く人の多くは、そうでない人が気づきもしないようなことに日々の生活や業務の遂行を阻害されています。小さな段差から何気なく設置された階段……不必要に遠い位置に設置されたデスクなど意図的か意図的でないかは問わず、生活環境によってパフォーマンスが大きく左右されてしまう可能性があるのです。そんな理不尽な現状を描きつつ、企業や政府などさまざまな団体に状況の是正を求めた啓蒙動画とOOHがポルトガルのNPO・Associação Salvadorから公開されました。

 

動画では巨大な立体迷路のようなオフィスで途方に暮れる車イスに乗った2人の主人公を中心に、皮肉をたっぷりと込めたナレーターが「コンサルタントとして働きはじめたはずなのに、どうやらこの職場では山登りの博士号が必要みたいです。上司の席へと向かうのも、会議室へと向かうのも、トイレに行くのだって……コンサルタントの仕事をするのに、本当に必要なスキルって何なのでしょうか?」と語ります。

現在ポルトガルでは、法律によって全従業員の内1%は障害を抱える人を雇用しなければならないと定められているのにもかかわらず、企業側にはそれを実行するためのルールも、環境すらも整備されていない悲惨な現状を浮き彫りにしています。

動画と同時に公開されたOOHには「わたしたちがしっかりと働くためには実際に意味のある法律の整備が必要です」というフレーズが書かれており、単にルールを敷くのではなく、しっかりと実行までを見据えた法律が重要なのであるというメッセージを痛烈な皮肉とともに表現しました。

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