ハワイであれば美しい海と幅広いマリンスポーツ、東京であれば豊富なグルメとカルチャー、モンゴルであれば見渡す限りの大自然……多くの国や地域は観光客に対するアピールポイントを尖らせることでその存在感を高め、“ここに行けばこういう体験ができる”という言語化を意図的に行っています。そんな中、アメリカ西部を代表するカリフォルニア州は、美しいビーチからクオリティの高いグルメ、魂揺さぶる音楽フェスから記憶に残るスキーリゾートまで、この世のエンタメのすべてと言っても過言ではないほどの魅力的なスポットを要しています。そんなカリフォルニア州の観光PRを行うVisit Californiaが公開したのは、あえて選択と集中を行わない、異例の“全部盛り”CMでした。

約1分の長尺CMでは、1つのボールがカリフォルニア中を旅する様子を映しています。アメリカ西海岸ならではの街並みから自然豊かな森の中、プールサイドの豪邸からウィンタースポーツを満喫する男性のもとまで……カリフォルニアが誇る数多い名スポットを余すことなく紹介します。

動画の公開に合わせてVisit CaliforniaのCEO・Caroline Beteta氏は「カリフォルニアが遊び心満載の場所であるということは世界的に知られています。このキャンペーンを通じてカリフォルニアが誇るありとあらゆるエンタメを力強く打ち出し、すべての観光客が自分らしく過ごすことができる場所がここにはあるというメッセージを表現しました」とコメント。広告コミュニケーションにおいて“なんでもある”は抽象度が高いため避けるべき表現であると言われがちですが、本当に“なんでもある”場合はあえてそのメッセージを打ち出すことのも良いかもしれない……そんな可能性を示唆する事例でした。

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