文字の読み書きや音読に限って困難が生じる学習障害・ディスレクシアは、日本では全人口の約7%が抱えていると言われており、特にその特定が容易ではないことから教育現場においても課題としてしばしば取り上げられています。南米アルゼンチンでも似た状況が発生しているようで、現地でディスレクシアの早期発見に取り組むNPOのDISFAMは現状を打破するために多くの教育関係者を巻き込んだ画期的な施策を実施しました。

施策は、多くの生徒が幼いときに必ず一度は耳にするアルゼンチン国歌の歌詞の一部を差し替えることでディスレクシアの子どもの特定を容易にするというもの。文字を読むこととある音を発声することが難しくなるディスレクシアの特徴を逆に利用することで、国歌を歌う子どもたちの様子を観察するだけで“誰が間違った発音をしているのか”をわかるようにしたのです。

国歌のアレンジを担当した音楽プロデューサーのMaximo Scott氏は「たとえば“聖なる”を“しょっぱい”と差し替えることでディスレクシアの子どもにとって違和感のない範囲で発音しづらい歌詞になるよう意識しました。難しすぎても楽しみながら歌うことができないので、あえて少しのユーモアを残すようにしています」とコメント。国全体の未来に関わる学習障害の早期発見に貢献した事例は多くの現地メディアによって取り上げられ、アレンジされた新しい国歌は全国の学校で流されたようです。

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