友人や家族ではなく、その道の"プロ"に相談がしたい――。
そんな働く女性のお悩みに答える連載「お悩みキャリア相談室」では、株式会社Waris(ワリス)共同代表、キャリアカウンセラー、ライターでもある田中美和さんが、読者のみなさんのお悩みに答えます。
第18回目のお悩みは......
43歳、既婚、現在不妊治療中です。不妊治療中であることは職場の人や友人など周りの人には言っておらず、夫と2人で受けています。
最近、ニュースで子どもに関する事件を見るたびに胸がしめつけられ涙が出るようになってしまいました。職場でも、同僚や後輩が子どもの話をしているのを聞くとストレスを感じます。
まわりの環境を変えたいと思っているのですが、少し休職して部署を異動したいと思うのは甘えでしょうか?【43歳、Mさん、関西在住、会社員】
働きながらの不妊治療は心身への負荷も大きい
職場に相談の上で思い切って休むのも手
これまで取材やカウンセリングで不妊に悩まれる方のお話は何度となく伺ってきました。日本では一般的に10組に1組の夫婦が不妊に悩んでいるとされていますが、晩婚化の影響で最近ではさらに比率が増えているとも言われています。
特に仕事を続けながらの不妊治療は時間や業務のやり繰りに苦労を強いられますし、金銭的な負担はもちろんですが、肉体的・精神的な負荷も相当なものです。Mさんは「子どもに関するニュースを見ると胸がしめつけられる」とのことですが、かなりストレスを感じているのではないでしょうか。
もしMさんが上司と話せるようであれば、不妊治療をしていること、治療の肉体的・精神的負荷が大きく仕事を休みたいと思っていることなどを率直に相談してみることをおすすめします。相談の結果、半年ほど休職するのも方法の1つです。
過去に取材したケースでは、休職して少しのんびりとした生活を送っているうちに自然妊娠されたという方もいました。
とはいえ、周囲の人には全く治療の話はしていないということですから、いきなり上司に話すことには抵抗を感じるかもしれませんね。
例えば、インターネットやフェイスブックなどのSNSには不妊治療を行っている人のグループがいくつもあります。各グループでは、互いの状況を話し合って共有する場も設けていますから、少し調べてみて、Mさんの感覚に合いそうなものに参加されてみるのもいいでしょう。何か考え方のヒントが見つかるかもしれませんし、何より「話す」「共有する」という行為そのものを通じて肩の力が抜けるはずです。
治療されている方はどうしても気がつくと、そのことばかり考えてしまうという方が少なくありません。趣味や習い事、ボランティアなど、会社と家庭以外の場も大切にして、適度に気分転換してみてください。
photo by Thinkstock/Getty Images
(文/田中美和)
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