現在大ヒット上映中の『ファインディング・ドリー』。制作スタッフたちが「最も誇りに思えるキャラクター」と口をそろえるのが、新キャラクターである7本足のタコの「ハンク」。観客たちも映画を観た後に「ハンク最高!」「ハンクの短編希望」と口をそろえて絶賛するほど、今アツ過ぎるキャラクターなのです。
ハンクはピクサーの最新技術が詰め込まれ、特ににょろにょろと動く7本の足は、これまでのキャラクターでは見たこともない動きの表現に成功しています。この動きがあるから、あんな事もそんな事も出来るワケですが、この自由自在な足のアニメーションを生み出せたきっかけは、ディズニーが誇るあの名作に関係が?
ピクサーのスタッフたちはハンクの足を描くため、本物のタコはもちろんのこと、にょろにょろな動きが共通するヘビもリサーチ。中でも、スタッフたちが注目したヘビがいた。それがディズニーの名作『ジャングル・ブック』に登場した巨大なニシキヘビの「カー」です。
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(C)2016 Disney
1967年に公開された『ジャングル・ブック』は、あのミッキーマウスの生んだウォルト・ディズニーの遺作であり、ジャングルでオオカミに育てられた少年と動物たちとの友情と冒険を描くストーリー。それぞれの動物たちが繰り広げるエンターテインメント性の強い仕草が、子供から大人までを魅了してきました。そんな動物たちの中でも魅力的なカーの動きは、ピクサースタッフたちがハンクの足を生み出す際にインスピレーションを与えたそう。
タコであるハンクの足は、一般的な動物のように決まった場所に関節がなく、どんな形にもどんな方向にも動くというとても複雑なもの。さらにスタッフたちはその複雑な表現に加えて、コミカルな表現も同時に求められていました。アニメーターとして『カーズ』や『トイ・ストーリー3』など、数々のピクサー作品を支え、本作ではスーパーバイジング・アニメーターを務めるマイケル・ストッカーは「ハンクのアニメーション作業は、私がこれまで取り組んできた中で最も難しいものでした。ハンクはその足を人間の手のように扱って、表情豊かなジェスチャーをしているんです」と、その難しさの理由を明かしています。
そんな感情表現の魅力も求められたハンクの足のお手本には、実写でもCGでもなく、観客を引きつけるように強調されたアニメーションのカーの動きがピッタリだったという事。ハンクの動きを生み出した、スーパーバイジング・テクニカル・ディレクターのジョン・ハルステッドは「『ジャングル・ブック』では、カーがモーグリを催眠術にかける素晴らしいシーンがあります。木の枝を這って抜けてゆくカーのうねりやボディの動き方こそが、まさにハンクのパフォーマンスとして監督たちが求めているものでした」と語っています。
ウォルト・ディズニーの遺作であり名作の『ジャングル・ブック』。人間以外の動物と自然すべてをCGで表現したあらたな『ジャングル・ブック』も8月11日(木・祝)に公開され、声優にスカーレット・ヨハンソンが抜擢されたことでも話題のヘビのカー。こちらの動きにもご注目を。
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