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アニメ『ルパン三世』のハードボイルドなスピンオフシリーズ“Lupin the Thirdシリーズ”第3弾となる映画『LUPIN THE ⅢRD 血煙の石川五ェ門』が2月4日に劇場公開。

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TVアニメ『LUPIN the Third -峰不二子という女-』、映画『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』に続き、ついに今回は五エ門がメイン! 小池健監督をはじめ、前作のスタッフが集結し、かなりハードな作品が完成。こんなに血しぶきが飛ぶルパンシリーズ見たことない! だって冒頭から棍棒で頭を殴り潰すシーンとかありますからね! PG12指定です。

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今作は、五エ門の若かりし頃、まだルパン一味に完全に加わる前(でもルパンたちとは顔見知り)の物語。天才的な剣の腕を持つ五エ門の挫折と、“最強の剣士”へと生まれ変わる瞬間を描きます。

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2011年より石川五エ門を演じている声優・浪川大輔さんにインタビュー。演じるにあたりこだわった部分や見どころ、さらに劇場へ足を運ぶ人へ冬の寒さ対策についても聞いてきました!

今回は五エ門にしては現実的な話

――今までの『ルパン三世』シリーズと、“Lupin the Thirdシリーズ”ともまた少し違って、とてもバイオレンスなシーンが多くて驚きました。台本をもらったときの印象を教えてください。

浪川:台本の段階では、もちろん画はない状態なので、僕の中で五エ門の“若かりし頃”というのがすごく引っかかっていたんです。性格の違いはあるのか、どんなきっかけがあったのかなど。ただ、台本の文字だけで台詞を見ても、やっぱり五エ門なんですよね。読んでみて、五エ門は若かい頃から意外と五エ門なんだな、という印象がありました。台本上では、若いからといって喋り方が変わっているわけでもないですし、そんなに違和感はなかったです。

けれど、どんどん話が進むにつれて、やっぱり若いんだなとも感じられて……、フィルムを見ながらお芝居をしてみて初めて気付くことも多くありました。

やっぱり斬って斬って斬りまくっているところが今までになく、それでいてけっこう現実的なお話だな、と感じました。

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――映像になると、序盤から登場するキャラクターが棍棒のようなもので頭を殴っているシーンなども出てきますが、映像を見て声を入れた感想は?

浪川:わからないものがわかりやすくなりました。精神的なものや、どうやって最終的な境地にたどり着くかも今回ひとつのポイントだと思うんですが、そこがやはり文字だけでは伝わりにくい。

五エ門は本当に指先まで神経を尖らせて一瞬を勝負にしている。文字だけだと自分のペースで読めてしまうんですが、ずーっと溜めてからパパッと切り替わっていくなどの演出は監督の手腕だったり、クリエイターのみなさんの技が光るところで。そこに合わせていく内に、「なるほど、こんなに一瞬一瞬を大切にしているんだ」とわかった部分もありました。

今まであった話だと、月や飛行機まで斬ってしまうこともありましたけど(笑)。今回はもっとリアリティーを攻めた作品だな、という印象です。

そして、もちろんバイオレンスな部分がないと成り立たない。そこを隠さず見せていくところが、本当に大人のアニメだなと思います。苦手な方もいらっしゃると思いますけど、それがあるからこそ、わかりやすくなっているとは感じました。

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――おっしゃっているように、今回は精神的な面が多く描かれた作品になっていますよね。台詞で補わない場面が多かったので、五エ門を演じるにあたってとても難しかったのではないでしょうか?

浪川:「つまらぬものを斬ってしまった」の決め台詞や、五エ門の苦手なもの、好きなものが出てくるなどわかりやすいキャラクター表現がない状況で、どうやって今の五エ門に仕上がっていくかが大きなポイントだと思いました。

五エ門って登場した最初から、ある程度腕が立つ人物なんですけど、それがゼロよりもマイナスになる。そこからどうみんなが知っている五エ門になるんだろう、というところは考えました。五エ門は相当悔しい思いをしているんですけど、感情を出し過ぎてもいけない。泣いているのか雨なのかわからない嗚咽、というのも演じる上ですごくこだわった部分ではあります。

美味しそうにおにぎりを食べる次元に注目!

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――収録現場の様子を教えてください。

浪川:とにかく、今回はヤクザの組の話でもあるので、1日でこんなに怖いゴツイ声の人たちが集まる現場もないだろうって言ってましたね(笑)。今までTVスペシャルの作品とか録っていても、銭形含めルパン一味でいて、そこにゲストの方がいらっしゃる。今回はそれすらもない。設定的にルパンも次元も少し離れたところにいるので、本当に“1人対みんな”と“1人対自分”という敵がいました。

収録中は知っている声優さんもたくさんいますし、みんなで作り上げていく感じではありましたけど、本当に僕自身が五エ門な感じでした。画の中の五エ門と今自分が置かれている状況が一緒かもしれないくらい、助けを求めない状況というか。別に誰とも話さなかったわけではないんですけど、自分とどう戦っていくかという時はありましたね。

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――注目してもらいたいポイントはどこでしょう?

浪川:静と動といいますか、五エ門は居合の達人でもあるので、動いているところと動いていないところの差が印象的でぜひ堪能して欲しい部分です。もちろんバイオレンスな部分もあり苦手な人もいらっしゃると思いますが、必要な上でやっている表現なので、無駄に斬っているわけではないことを承知の上で観ていただきたいなと思います。

あと今回の作品は、ルパンと次元との関係性についても、こんなに離れているところはなかなか貴重なのかな、と思います。今までは五エ門が勝手に何かやっていても信頼関係の上で、最後の方に五エ門が来て「待たせたな」みたいな感じでズバズバズバッて斬っていく(笑)。けれど、今回は見守られる立場という面もあるので、その関係性にも注目して観てもらいたいです。

そして監督にも言ったんですけど、今回は食べているシーンが非常に美味しそうに見える。次元があんなに美味しそうにおにぎり食べるんだ、珍しいなって(笑)。

――たばこはいつも美味しそうに吸いますけどね(笑)。

浪川:今回はおにぎりを美味しそうに食べる次元が見られるので、ぜひ注目してほしいです(笑)。

ルパン一味の“言わなくてもわかる”ハードボイルドな男の信頼関係がカッコイイ

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――まだ完全に五エ門がルパン一味として加わってはいないものの、ルパンと次元が「手を出しちゃいけない」と見守っていてくれている、その関係性が“ルパン一味らしい”と感じました。

浪川:男らしさやハードボイルドと言いますか、語らずとも空気感でわかる関係。わかりやすく「側にいるぜ」みたいな感じではないところが、すごくカッコイイなと思います。

――あと五エ門が鍛錬を積むシーンでも、ルパンと次元が徹底して手を出さずに離れて見守るところが、とても男性ならではだと感じました。女性だとどうしても助けてしまいがちなので。

浪川:(精神的に追い込まれている状況だと)女性は言葉が欲しいとかね。

――浪川さんもそんな男性同士の信頼関係を感じた経験はありますか?

浪川:スポーツをやっていたので、まさにそれが近いのかな、と思います。「大丈夫、今の良かったよ、ナイスプレーだ」っていくら言っても、その時は良いかもしれないですけど、結局は点をとった方がいい。阿吽の呼吸で言わなくてもそこに居てくれる、っていうのはいろんな世界で通ずるものなのかな、と思います。もちろん男性だけでなく女性のスポーツの世界でもあるとは思いますけどね。

――浪川さんがお仕事の場で、言葉に出さないけれど信頼関係を感じた経験があれば教えてください。

浪川:何回かお仕事を一緒にしたことがある声優さんだと「こうくるだろう」と考えながらやり取りするんですけど、それが予想外だとまた嬉しい。「じゃあこう返そう」とか、向こうもそれを期待してるんじゃないかなって思いながらやってみたり。

声優ってリハーサルをそれぞれ別でやるので本番で合わせるまでどうなるかわからないことがあるんです。一緒になったときに、人の台詞を聞いて自分がそこで応えて伝えたいって思いを皆さんに届けているので、意外とその信頼関係が必要な職業なのかもしれません。

そして、五エ門も専門職とか技術者と言われているところに近いんじゃないかな、と思うので、冷静になって考えると声優とも通ずるものがあるな、ってわかりますね。アフレコをやっている時はそんな余裕なかったですけど(笑)。

――この作品を演じる前と後で変わった部分はありますか?

浪川:アニメのルパン一味を何代目かで演じさせていただくというのは、本当にものすごいプレッシャーがありまして……。本当に恐怖に感じるほどのものがあるので、そこに少し五エ門が寄り添ってくれたというか、僕からも近寄れて五エ門が身近に感じられるようになった気がします。

憧れの石川五エ門を自分が追いかけていたのが、ちょっと身近に感じられるようになったことは、今回演じたことによって感じましたし、助かりました。だからこそ、さらに何か自分らしさをプラスして、観てくれるみなさんに新しい五エ門が少しでもみせられたらと思えるようになりました。

――では、もし次回作があれば、意識的にも少し変化して演じる、また違った五エ門を観ることができそうでしょうか。

浪川:もし、『ルパン三世』シリーズで次があってやらせていただけるなら、こういうことがあったからこれもできるんだなって一つ階段が増えたと思います。尊敬している今までの僕が演じていない五エ門も含めて、繋がるようにはなっていると思います。

浪川さんの寒さ対策は「原点に戻って白いご飯を食べよう!」

――さて、劇場公開が2月ということで、浪川さんならではの寒さ対策を教えてください。

浪川:
寒さ対策ね~。僕はすごく暑がりで寒いのが好きだったんですけど、最近のあまりの寒さに僕もビックリしています。炭水化物を抜くとかダイエットが流行っていますが、白いご飯が一番温まると感じています(笑)。あったかいですよ、ご飯は!

寒いときほど、食べた方がいいと思う。その分、ちゃんと運動すればいい。ダイエットのためにご飯を抜くとか、何かを我慢して外に出ると、もうすっごい寒いってことに気が付きました(笑)。

芯から温まるには、ちゃんと食べよ。そしてちゃんと動こう。一回原点に戻りましょう。この作品も五エ門の原点に戻ってますしね。

本当に寒い日はちゃんとご飯を食べて、エネルギーを燃焼させて外に出て映画館に行こう!

――ありがとうございました!

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昔から五エ門は女性にも人気が高いイメージ。昨年12月にプレミア先行上映会を行ったときも女性のお客さんが多かったそうですが、今作は本当に大人の男性向けのバイオレンスでハードボイルドな内容。浪川さんは、「(女性ファンが多くても)媚びてない感じがいいでしょ?」と笑顔をみせました。少しグロい演出が苦手な方は注意です!

映画『LUPIN THE ⅢRD 血煙の石川五ェ門』は2月4日より新宿バルト9ほかで<4週限定>全国公開。

公式サイト:
http://goemon-ishikawa.com/


・「LUPIN THE ⅢRD 血煙の石川五ェ門」予告編
https://youtu.be/qXVLwYSA3us[YouTube]
RSS情報:http://getnews.jp/archives/1617868