公開から15週を経てもなお、映画興行収入ランキング10位以内をキープし、累計動員数が160万人を突破した映画『この世界の片隅に』。2016年を代表するアニメ映画が日本を代表するアニメ映画へと、動員を伸ばし続けています。
そんな『この世界の片隅に』を絶賛している一人が、『機動戦士ガンダム』シリーズで知られる富野由悠季監督。ガジェット通信でもご紹介した、文化放送の新ポータル「AG-ON Premium」にて、富野由悠季監督と『この世界の片隅に』の片渕須直監督との対談・前編が配信中です。
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http://getnews.jp/archives/1636306
この対談は、アニメプロデューサー・和田昌之と若手声優・長久友紀がパーソナリティを務める人気番組『和田昌之と長久友 紀の WADAX Radio』の特別編。
『この世界の片隅に』を観て、片渕監督との対談を切望したという富野監督。 対談前編で映画に対する評価を問われると、「映画館の立ち見で観たんですけど、2時間超えの作品なのに立って観ているという苦痛を感じなかった。悔しいけど出来のいい映画。そりゃあもう嫉妬心ムラムラですよ(笑)。自分で作りたいと思った」と最大級の賛辞を送ったほか、随所で富野監督ならではの作品論、技術論が展開されているとのこと。
富野監督が立ち見で映画を! というのはアニメファンにとって驚きの出来事ですが、「2時間超えの作品なのに立って観ているという苦痛を感じなかった」というのは、『この世界の片隅に』の魅力を物語っているコメントだと言えるでしょう。
対談の後編では、新刊や話題の本の情報を配信するニュースサイト「ダ・ヴィンチニュース」とコラボ。『この世界の片隅に』における「戦争」の描き方にスポットを当てながら、同作が持つ特徴と魅力が語られていきます。
主人公・すずについて片渕監督自身が、「すずさんは日常生活を営んでいたはずだったのに、何に追い詰められて“戦争をする側”の意識に至ってしまったのか。(中略)戦争は何が罪かというと、昨日まで普通の市民だった人が徴兵されて兵隊になるわけですね。そうやって人が本来犯すべきではない罪を背負わされたり、あるいは罪でもないのに罪悪感を背負わされたりする。そういう末に、すずさんは『私は戦っているのだ』という意識に至ってしまう」と、人物造形についての詳細な解説を語るなど、ファン必聴の内容となっています。
「富野由悠季監督×片渕須直監督対談」前編は現在配信中。後編は2017年3月10日(金)16:00〜「AG-ON Premium」にて配信予定。
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