NPO法人フローレンス代表理事で、たびたび保育政策などで鋭い提言を発表している駒崎弘樹氏。ですが、テレビアニメや『ニチアサ』をはじめとするスーパーヒーロー番組に関しての知識不足を露呈して物議を醸しています。
2017年2月24日付の朝日新聞は、3月8日は国際女性デーに向けた企画で駒崎氏の『女の子を拘束する「呪い」、親が解かねば』と題したインタビューを掲載。
3月8日は国際女性デー。病児保育などを運営するNPO法人「フローレンス」代表の駒崎弘樹さんは「女の子への呪いの言葉に耳を傾けないで」と語ります。 https://t.co/X1arCxBhsR pic.twitter.com/TC8qVqyds6
— 朝日新聞デジタル編集部 (@asahicom) 2017年2月24日
それによると、駒崎氏の6歳の娘が「友達から『女のくせに』と言われた」のに対して「女だからといってできないことは何もないんだよ」と力説したというエピソードを披露。「女のくせに」「女子力」「結婚が幸せ」「良き母親に」など、女性に対するバイアスを押しつける言葉を「呪い」と呼んでいるとして、「呪いをはく大人の言うことに耳を貸す必要は一切ない」としています。
この主張自体は多くの人が頷ける内容になっているのですが、子ども向け番組やヒーローものについて、次のように発言。
子ども向けのテレビ番組もそうです。いつもなぜか女性が補助的な立ち位置にいることが多い。ヒーローものの番組でも「守る男性」と「守られる女性」というステレオタイプしかない。
海外では、性別の固定観念にとらわれないアニメや絵本がたくさんあります。
(中略)
日本のメディアはこうした海外の水準から立ち遅れています。メディアで性別役割のイメージが強化され、それが女子力のような言葉と接続されていて、私たちを縛っていると思います。
※引用元
http://www.asahi.com/articles/ASK2R02Y8K2QULBJ01H.html [リンク]
これに対しては、「ニチアサをプリキュアまで見ろ」「セーラームーンも戦っていた」「仮面ライダーもスーパー戦隊も女性が活躍している」といった声が殺到。ほかにも『キューティーハニー』『美少女仮面ポワトリン』『カードキャプターさくら』などの作品が挙がり、駒崎氏の認識が疑問視される事態に。
例えばスーパー戦隊シリーズでは、1979年の『バトルフィーバーJ』でバトルフィーバー隊にミス・アメリカが登場。『大戦隊ゴーグルファイブ』以降はメンバーに女性が含まれています。『美少女戦士セーラームーン』の漫画連載・テレビ放映開始は1992年。プリキュアシリーズの初代『ふたりはプリキュア』は2004年と、既に13年に渡って放送され続けています。
このような「戦う女子」の系譜を無視した発言に、駒崎氏が1979年生まれなことを指して「セーラームーン世代なのに」と不思議がる声や、「ステロタイプは昔から海外作品に多かった」といった指摘、「専門外のことは絶対に言わない方がいい」といった意見がありました。
いずれにしても、企画インタビューの主旨とは別の部分で物議を醸すことになってしまったというのは残念な事態。アニメの世界でも「戦う女子」を描くという作品は進化し続けており、それを踏まえなかった朝日新聞の聞き手のあり方や編集にも課題がありそうです。
※画像は『Twitter』より
https://twitter.com/asahicom/status/834953546927833089 [リンク]
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