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続・メディアの未来
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続・メディアの未来

2014-03-27 14:30
    続・メディアの未来

    今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

    ■続・メディアの未来
    ネットメディアの未来を考える上で、1980年代のパソコンブームが良いモデルになると思うのだよね。当初、「市場」とはみなされていなかったパソコンソフト。趣味の人間が始めて、雑誌ができ、雑誌にプログラムが掲載されるようになり、さらに雑誌社が投稿されたプログラムの販売を始めた。

    最初は雑誌に投稿して小遣い稼ぎをしていたプログラマたちが自分で会社を作り、社員1人~数人の小さな会社が無数にできて、パソコンのソフトを販売しだした。全盛期は何かゲームを「出せば売れる」という状態。

    しかしそういう状態は長くは続かなかった。10年間ぐらいだろうか。次第に市場は飽和し、倒産・合併によって淘汰が行われ、現在はスクエニやハドソンやジャストシステムなど数えるほどしか生き残っていない。

       *   *   *

    ネットメディアも、それまで市場とはみなされていなかったので、アマチュアが活躍する余地があった。ただ次第に「市場]として認知されるようになると、上記と同じ道をたどり、大規模化・淘汰に進むと思うのだよね。

    そもそも既存の紙のメディアも最初はそうやって始まったわけで、ネットメディアも同じシーケンスをたどるはず。辿らない理由が思いつかない。

    ネットと紙の違いはコストが極めて低い点。なのでソフト開発でオープンソースが生き残っているように、非営利のネットメディアは生き残るだろう。しかし収益構造はネットも紙も結局変わらないのだから、営利企業はネットメディアも紙の企業と同じ道をたどることは避けられないだろう。

    つまりネットメディアの特殊性は、あくまで「非営利」に限定したものだけ。それだけでも素晴らしいことだが。

       *   *   *

    やっぱ営利企業となると、効率化が不可避で、そのためには分業を進めなければならない。それは大規模化が進むということ。むかしはゲームのプログラミングもデザインも全部一人でやってたんだよね。それが専門化していき分業になった。ネットメディアも企画や取材、ライターなど、いまは全部一人でやっているのも分業化されていくだろう。やっぱ一人の人間が何でもやるのは効率が悪い。

    よく大企業は非効率の象徴みたいに考えている人がいるけれど、もし同じ規模のことを個人や中小企業がバラバラにやったら、大企業とは比べ物にならないほど非効率になるはず。

    大企業1社と中小企業1社を比べれば中小企業の方が効率がよく見えるが、それはやってることが単純なのだから当たり前。中小企業10社分の規模の大企業の効率を論じるなら、中小企業10社の合計と比較して論じなければならない。そうなるとそれぞれの中小企業で重複している作業がたくさんあるわけで、大企業の方が効率は良い。

       *   *   *

    コストが低いというのは参入障壁が低いということでもあるわけで、過当競争が進みやすいと思う。工場なんかが必要だとおいそれと新規参入できないから、それで良くも悪くも既得権が守られる。パソコンソフト開発産業が10年しか持たなかったのも、その手軽さゆえだろう。基本的に人件費しかかからないし。

    ネットメディアも過当競争期になると、効率を上げなければ生き残れないから、そのために合併を繰り返して巨大化していくだろう。パソコンソフト業界と同じく10年間だと仮定すれば、淘汰の時期はオリンピックの2020年ぐらいだろうか。

    そうならない可能性をあえて考えれば、大規模化のメリットを否定すればいいわけだから、重複作業の削減や過当競争の抑止が、大規模化という方向以外で達成されればいい。ものすご~く楽観すれば重複作業はネットやコンピュータで削減もしくは会社を越えて共通化できるかもしれない。クラウド化ですな(笑)。

       *   *   *

    過当競争の抑止、すなわち住み分けは…どうかねぇ。よっぽどニッチなジャンルはともかく、ある程度収益が維持できるジャンルは限られるし、営利企業の大半は結局そこに集中すると思うのだよね。だから過当競争が避けられない。いまの大手出版社がだいたいどこも同じようなラインナップで安定しているように。

    そしてニッチなジャンルは非営利の人たちに食われてしまうのではなかろうか。ソフト開発で言えばオープンソースの存在。これも良し悪しなんだよね。Microsoftのような巨大営利企業とオープンソースのような無料のソフトに挟まれて、中小ソフトメーカーは特殊なものしか生き残れなかった。むかしはワープロソフトとか表計算ソフトもいろいろなところが発売してたのだが。

    営利目的としては採算が取れるか取れないかのギリギリのライン、少なくとも大手では採算が取れず参入してこないニッチな市場で、なおかつ非営利のネットメディアでは不可能なジャンルって、残されているのだろうか。ブロガーを免許制や認可制にするわけにも行かないだろうし。ギルドみたいなものができれば、ありえないこともないだろうけど。

    関連記事:
    「メディアの未来」 2014年03月26日 『ガジェット通信』
    http://getnews.jp/archives/542127

    執筆:この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。

    寄稿いただいた記事は2014年03月26日時点のものです。

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