防衛省は同省ホームページで、中国の国防予算についての資料を公開した。それによると、2014年の中国の国防予算額は約13兆円で、昨年比+12.2%の大幅アップ。公表されていないものも含めると、実際にはその数字の1.3~2倍はあると推計される。最大で日本の5倍にも相当する巨額予算だ。
予算の透明化を求める指摘に対し、中国政府は「1人あたりの軍事費は日本の5分の1に過ぎない」などというよくわからない理屈で反論しているが、周辺諸国も配備していない新型ステルス戦闘機を始め、空母・潜水艦・揚陸艦など、攻撃型・海洋進出型戦力の増強を進めており、東アジアの軍事バランスを崩す過大な国防予算と言うしかない。
一方日本は、平成26年度からの5年間で約24兆円の防衛予算を計上する見込み。この中期防衛力整備計画の核をなすのが「統合機動防衛力」の構築だ。
「統合機動防衛力」の具体的な中身としては、即応性を高め、陸海空の統合運用および米軍との共同作戦をより柔軟に行うため、陸上総隊を新編することが挙げられる。新編成では、尖閣諸島などの島嶼(とうしょ)部に対する攻撃への対応力が特に重視されており、南西諸島方面をにらんだ部隊配置により抑止力の向上を図る。また、迅速な部隊展開が可能な機動師団および水陸機動団の新編により実効性も強化するとしている。
以上を踏まえ、陸上自衛隊では「統合機動防衛力」の実現に向け、各作戦段階の概要を説明する広報映像を公開した。未導入の兵器も想定した作戦映像となっているが、戦争は互いの戦力の均衡が崩れた時にこそ誘発されやすいという考え方もある。威勢のいい相手に対してハッタリをかますためにも、このような動画を公開する意義はあると言えよう。牽制で済めばそれが一番よいのだ。
動画:陸上自衛隊広報映像 -島嶼部に対する攻撃への対応-(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=7mLQEXPFh-M&feature=youtu.be
1.平素からの部隊等配置による抑止態勢の確立
主力戦車(90式・10式)は九州・北海道に集約。本州には、対ゲリラ戦に有効な機動戦闘車を配備して対応。空輸も可能な機動戦闘車は、離島への先遣隊としても活用される見込み。航空自衛隊も、那覇基地の戦闘機および警戒航空部隊を増強する。
2.実力部隊の緊急的かつ急速な機動展開
侵攻を察知した場合、ヘリ・輸送機・輸送艦による迅速かつ段階的な部隊展開をもって、事態の早期収拾を図る。
3.水陸両用部隊による奪回
万一、占領を許した場合には、陸海空からの火力支援のもと、新たに導入する水陸両用車やティルトローター機(オスプレイなど)も投入し、奪回作戦を行う。
画像:『YouTube』より引用
陸上自衛隊:http://www.mod.go.jp/gsdf/about/roles/
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