関東に一大勢力を築きつつある東京ローカルチェーン日高屋。筆者は実はこの日高屋のマニアであり、季節メニューのほとんどを制覇してきた。ネット上では、日高屋ファンのことを「ヒダカヤニスト」というようになってきた。私もそうかもしれない。
その日高屋が、4月26日(昨日ですね)から新メニューを出し始めたのだ。その名も「トマト酸辣湯麺」(トマト・サンラータンメン)。税込み570円である。この他、去年の夏も出していたつけ麺や、冷やし中華(黒酢しょうゆ冷し麺)もメニューに加わった。
「トマト酸辣湯麺」とは、攻めて来たな、と思いましたね。これまでにない意欲的な新メニューではないだろうか。早速、食べてきた。
■本格中華の酸辣湯麺とは違うけど、とってもウマい!!
【味】うまい。基本的に、本格中華の酸辣湯麺というものと比べると、酸っぱさが弱いし、辛くもない。ただ、
「これはこれでアリだな…」と深く深くうなづきながら食べてしまうような味わいがあるのだ。
蒙古タンメンのインスパイア系として名を馳せた、この店の季節メニュー・チゲ味噌ラーメンを甘くした感じなのである。
まず、メンとスープが絶妙に絡んでいる。恐らくこれまでの季節メニューの中で一番よくからんでいるのではないか。日高屋の麺は自家製の独特の麺だが、これと煮込み野菜の味わいがとてもやさしくておいしいのだ。トマトは4こ。存在感という点では非常に穏やか。卵と野菜の煮込みが、ヒダカヤニストの間でも評判だったチゲ野菜ラーメンの味わいを思わせる。スープもコクが有り決して悪くはない。これは日高屋の酸辣湯麺なのだ。ラーメン二郎がラーメンではなく二郎という食べ物だと言われるのと同じような意味で。
【オペレーション】まず店員さんも、昨日からの新メニューということで慣れていないようで、調理、オーダーともややまごつきがあったように見えた。とにかくこのメニューは言いにくい。「トマト酸辣湯麺」(トマト・サンラータンメン)だもんなあ。店員さんは「トマト、サン…ラー…ええっと、はいメンです」というような感じだった。そりゃそうでしょう。「サンラー」とか言われてもなあ。聞いたことがないプロ野球の外人助っ人という感じしかしないもんな。ドミニカあたりで落合博満がオレ流で取ってきそうな感じの。店員さんに話を聞いた所、「昨日から出たメニューなのでまだ余り出ていない」とのことだった。
日高屋は昭和創業ということも有り、ラーメンは昔ながらの正統東京中華そば、という味を墨守している。背脂チャッチャ系が流行ろうが、ベジポタ系が流行ろうが、我関せず焉。という態度を貫いてきた。うちは野菜たっぷりタンメンの店であって、ラヲタが喜ぶような新味には興味ないよ。というのが日高屋のこれまでの主張だった。
それがいきなり「トマト酸辣湯麺」。これはどういうことなのかと多少たじろいだが、食べてみると日高屋伝統の味によく消化されており、実に美味しい麺であった。これが570円(税込)。いやあ実に素晴らしいですね。次は、つけ麺と冷やし中華にも注目していきたい!
(画像は筆者撮影)
※この記事はガジェ通ウェブライターの「松平東龍」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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