さて、もっぱら週に2回は麺を打ち、毎日ラーメンを食べている筆者ですが。まあ、なんて言うかそろそろ次のステップに進んでも、よろしくてよ?と、言う訳で今回はちょっとスープからラーメンを作ってみました。最近は毎日ラーメンを食べているとは言え、ラーメンのスープはインスタントばかりですからね~
「あれ?もしかして、この人は麺しか作れないんじゃね?」
などと言う疑惑も無きにしもあらずなので、ちょっとココらで一発ドーンと俺の腕前を見せようじゃないかと言う次第です。
まあ、言うほどの腕かどうかは、みなさんの判断に任せる方向なですけどね。
【 鶏ガラからスープを取る 】
基本はココからスタートなんですけど、ハイ、そうです。鶏ガラをイジってる写真はありませんw
ただスーパーに行ったら「鶏ガラ(スープ用)」みたいのが売ってたので買ってみた次第。ちなみにパッケージには「鶏ガラ」と書かれてましたが、鶏の胴体じゃなくて手羽先の部分ですね。まあ、確かに小さい手羽先なので出汁を取るくらいしか使い道はなさそうですが。
まず鍋に湯を沸かして鶏ガラをぶっこみます。そしてチョイと煮立ったら鶏ガラを出して湯を捨てます。いわゆる「下茹で」って行程でして、主に鶏ガラの汚れと言うか血やらゴミやらを除去するのが目的です。
そして、再び鍋に湯をはって鶏ガラを煮込みます。ここでのポイントは自分がどんなスープを取りたいかで茹で方が変わります。澄んだ透明なスープが欲しければ煮立たせないように弱火でじっくりと煮出します。逆に白濁したコッテリスープが欲しければグツグツと沸騰させながら煮込みます。
ちなみに、どちらのスープも灰汁取りは必須ですので、特に最初は灰汁が良くでるので頑張って取り除きましょう。
筆者は今回、澄んだスープが欲しかったので『真空保温鍋 シャトルシェフ』を使って8時間かけて出汁を取りました。もうちょっと頑張れるのですが、鶏のスープは酸化するのも早く、風味が落ちるのでそこそこの時間で妥協します。
作った鶏ガラスープは1食分づつくらいに小分けして冷凍します。冷ましている段階で「煮凝り」のようにスープが固まっていくのが分かります。手羽先のコラーゲンが良く出ているようです。
あとスープだけの状態だと、やはり鶏の臭いが若干気になります。これは蓋をして煮込む方法だと避けれません。最初から野菜や生姜、ニンニクなどで香りを消すというか誤魔化す方法もありますが、基本の鶏ガラスープの状態のまま食べる事もないので、多少の鶏臭さは無視して構いません。
【 野菜を炒める 】
そしてラーメンを食べたくなったら鶏ガラスープを解凍しましょう。今回は「塩ラーメン」もとい地元の「潮中華 KAZE」みたいなラーメンを作ってみたくなったので、そっち方向にアレンジします。
まず鶏ガラスープだけだとカドがあるので、野菜を使って深みと甘さをスープに与えましょう。本来はスープの段階で野菜を使うのですが、一人前程度なら「タンメン」を作るつもりで野菜を炒めて、そこにスープを入れる事でまとまります。この段階で塩を入れて味付けもしておきましょう。あとニンニクとか使うのを忘れてたので黒胡椒をガリガリと挽いて香りを付けてみました。
あと「潮中華 KAZE」はチャーシューが「鶏モモ肉」だったりするので、そこら辺も考慮します。作り方は良く知らないのですが、おそらく「鶏モモ肉」を焼く前にスープなりタレで煮てると判断。そこで炒めた野菜とスープを煮ている中華鍋に「鶏モモ肉」を入れて一緒に煮込みます。こうする事でスープに鶏モモ肉の脂とコクがプラスされます。
【 鶏モモ肉を炒める 】
「潮中華 KAZE」の鶏チャーシューはカリカリに揚げ焼きされているので、そこら辺も見習ってみます。テフロンのフライパンに皮を下にして中火で焼き揚げます。鶏の皮から脂が出るので、その脂を使って揚げる感じで焼くのです。ひっくり返して焼き目を確認したら皿に移して休ませます。
そして、フライパンに先ほどのスープを移して温めます。「塩中華 KAZE」のスープはかなり脂が浮いているので、少しでも同じ雰囲気を出す為に皮から出た脂も利用します。
【 麺を茹でる 】
今回は自作した太さ2ミリの太麺が余っていたのでソイツを使います。ちなみに加水率40%の麺でも茹でると倍近くの太さになるので、茹で上がりは4ミリくらいになるので太麺として十分な太さになります。
本来はこの太さの麺を「中盛り」程度の麺量で茹でる時は大きい方の中華鍋(広東鍋)を使いたいのですが、今回はスープも平行して作っているのでスペースの関係上、29cmの北京鍋を使いました。
さらに新兵器の「そば揚げ」(29cm)を麺の湯切りで使います。コイツを使えば麺を一発ですくい上げる事ができるし、さらに圧倒的な面積で湯切るので麺が重なりにくいのでキレが抜群です。
【 化学調味料でスープをまとめる 】
はっきり言って使わなくてもソコソコのスープにまとまっている自信はあるのですが、やはり化学調味料は偉大です。今回は市場で買ってきた『ヤマサ フレーブ』をチョイ足ししてみました。ちょっと高級な化学調味料(1キロ 1800円前後)ですが、ラーメンに向いているらしいです。
この時点で最終的な味見をします。もうチョイ、塩味を付けても有りですが、筆者は薄味派なので自分で作るラーメンは意外とサッパリ系に仕上げています。ここら辺、自作で一人前しか作らないので100%自分の好みに仕上げられるのは自作ラーメンの利点と言えるでしょう。
【 盛りつけて完成! 】
スープの入った丼に麺を入れて、その上からキャベツやら鶏モモ肉やらを盛りつけます。本来、モヤシとかニンニクがあっても良いのですが、今回はキャベツを結構な量使ったので割愛しました。そして「こんなにキャベツあったら盛り切れないかも?」と思い、調理中にキャベツをツマミ食いしてたら意外と美味しく、思いのほか食べ進んで、最後に盛ってみたら微妙にボリュームが足りなくなったと言うオチで御座います。
【 総評 】
今回は「潮中華 KAZE」のラーメンをイメージしたのですが、結果から言うと85点ですね。再現度で言うと「鶏の脂」がオリジナルに比べて全然足りていませんでした。もっとも筆者の好みでライトに仕上げた訳ですが、やはりオリジナルを目指すなら「鶏皮」を使って鶏油を別に取る必要があるのかもしれません。鶏モモ肉の脂だけでイケると思ったんだけど甘かったですね。
あと野菜。いかんせん茹でて出汁を取っているので「野菜のシャキシャキ感」は皆無です。もしも「タンメン」として見た場合は失格でしょう。もっとも今回は「出汁で野菜使うなら、ついでに食べたら栄養じゃん?」と言う地球に優しい方向で作ったので、目的は達成したと言って良いでしょう。鶏ガラスープで煮こまれたキャベツも、それはそれで美味しいですし。
肝心の「鶏モモ肉を使ったチャーシュー」と言うか鶏ですが、これは予想通りの結末でした。ちょっと塩味が薄いですね。予め「鶏ハム」を作る要領で塩を振って冷蔵庫で寝かしておくとか。スープでは無くタレ(塩ダレ)の方で茹でないと塩が中まで入って行かないようです。
と、細かい点で言うとオリジナルとは程遠い感じですが、スープの味はかなり近づいていたので、もうちょっと健康の事を忘れて塩と鶏油をガンガン入れたら再現度は高まる事でしょう。
あれこれ細かい事は有りますが、とりあえず自分が思った方向のラーメンを作る、そして味わうと言う意味での奥深さを体感出来ました。自分オリジナルを求めるのも面白いのですが、あえて既存のラーメンを再現するみたいな楽しみ方も、自作ラーメンの面白さのひとつかと思います。
それでは、みなさんも自分の好きなラーメンを再現してみて下さいね。
※この記事はガジェ通ウェブライターの「YELLOW」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
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