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アニメ『宇宙兄弟』が成功したワケとは? よみうりテレビ・永井プロデューサーインタビュー
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アニメ『宇宙兄弟』が成功したワケとは? よみうりテレビ・永井プロデューサーインタビュー

2014-08-15 20:30
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    国民的人気を誇る「宇宙兄弟」の、“夢の原点”を原作者・小山宙哉オリジナル脚本で描く劇場アニメーション『宇宙兄弟#0』が8月9日(土)より全国公開となりました。

    2012年からスタートしたアニメ『宇宙兄弟』は、青年誌コミックでありながら、開始から1年間は早朝に、その後は夕方で放送されるなど、「大人むけアニメは深夜放送」という近年の他アニメとは異なる流れでした。これには、企画・プロデュースを務めるよみうりテレビ・永井幸治さんのこだわりが。

    今回は、永井プロデューサーに『宇宙兄弟』アニメ化までの道のりから、『宇宙兄弟#0』制作秘話から見所まで色々とお話を伺って来ました。

    ――まず、『宇宙兄弟』をアニメ化したきっかけを教えてください。

    永井:モーニングで連載がスタートした時から読んでいて、率直に面白いと思いました。そして、僕はテレビ局の人間なので、視聴率の良い=大勢の方に観ていただける番組を作りたいと思っているのですが、ヒットする作品の条件にあてはまっているなと感じました。その当時「宇宙飛行士のなり方」なんて誰も知らなかったわけですが、『宇宙兄弟』はとてもよく取材してあるなと。

    ――アニメ化する事自体はスムーズにいったのでしょうか?

    永井:最初に講談社にお話を持っていった時は、いつからどの時間帯にやるのかも決まっていなくて、ただ「全国ネットだけ用意します」と言ったんですね。それから実際アニメが開始するまでは2年くらいかかっています。その2年という時間が長かったからこそ、監督選びや制作会社選びを丁寧に出来たので、良かったかなと思います。『宇宙兄弟』は1クールのアニメでは無いので、監督のスケジュールを抑えないといけなかったので。

    ――小山先生からはアニメ化に関する要望はありませんでしたか?

    永井:小山先生からは「原作に忠実にお願いします」という事しか基本的には言われていません。僕ももともと、原作がかなり考えて作り込まれているので、それを崩したりアレンジして良いアニメになるとは思えなかったんですね。なので、監督や制作会社のスタッフには「足しても良いけど、決して引かないで」とお願いしていました。描写を足す時も必ず小山先生にキャラクター性とか確認していました。

    よくコミックや小説がアニメ化した時、原作ファンが「イメージと違う」と言う事があると思うのですが、この作品は原作を大事に作っているので、そういった意見は少なかったと思います。

    ――本当に原作ファンが納得出来るアニメ化だったと思います。そして、深夜放送のアニメが多い中、『宇宙兄弟』は朝や夕方に放送していて、今逆に珍しいですよね。

    永井: 僕はアニメは基本的には全国ネットで、朝や夕方の皆が観れる時間に放映されるべきだと思っています。深夜のアニメってその作品が好きな人をターゲットにしているので、だんだんと間口が狭くなっていく。そうではなくて、全国の大勢の方に「アニメは良い」って思ってもらわないといけないはずで。そうしないと、どんどんアニメ人口が減っていって、「日本のアニメはすごい」なんて言ってる場合じゃないくなると思うんです。

    ――子供が見れる時間にアニメをやらないと。

    永井:小学校高学年の子供たちが理解出来るレベルで作品を作れば、主婦の方や高齢者の方にも理解出来るアニメになるんですね。本来『宇宙兄弟』は「モーニング」で連載しているので、40代の男性がターゲットなのですが、そこに言葉や知識レベルを合わせてしまうと、高齢者の方は分からないと思うんです。そこを噛み砕く事で、子供から大人まで楽しめるアニメになると。

    ――だから『宇宙兄弟』は大人は泣ける、子供はワクワクする。一緒に楽しめる作品になっているんですね。

    永井:『宇宙兄弟』の中には、当たり前の事なんだけど、普段皆が忘れている事が描かれています。六太も日々人もカンペキな人間では無くて、前を向くという考え方を持っているから夢を叶える事が出来た。そういう事を学べる作品だからこそ、子供にも大人にも響くストーリーなのでしょうね。

    ――『宇宙兄弟#0』に関してですが、映画化にあたりスピンオフなどの案もあったのでしょうか?

    永井:アニメが始まったのと同時に映画化企画もスタートしました。『宇宙兄弟』はしっかりストーリーが組まれているのでスピンオフは無理かなと思いました。なので、原作の第一話目より以前の物語にしたいと小山さんにお願いして。

    ――その際に永井さんから映画制作に当たってお願いした事はありますか?

    永井:監督には「3回泣ける所を作ってください」と言いました。

    ――私3回以上泣いてしまいまいた……。

    永井:僕も完成した映画を観たら、これは6回くらい泣けるなって思いました(笑)。ストーリー作りについては、六太がまだ宇宙飛行士になっていない、自動車メーカー勤務の頃の話なので、そういった所は小山先生も迷っていましたね。小山先生は自動車の知識があまり無いので、僕が代わりに自動車メーカーの方に取材に行ったりして。

    ――『宇宙兄弟#0』は、六太が宇宙飛行士になる前、少しくすぶっている時代の話が描かれていて。その六太が今いる自分の場所で一生懸命やれる事をやる、そんな姿に全国のサラリーマンは号泣じゃないかなあと思いました。

    永井:「やりたい」のと「やれない」のは違いますよね。やりたいのなら、必要な知識をまず身につける事が必要ですよね。宇宙飛行士になる為にはどの様な勉強が必要なのか調べて挑んでいく、それが夢を叶える第一歩という事だと思うんです。調べたり、勉強する前から「出来ない」と思い込んでいるのは、チャンスを逃している事になる。やらずにあきらめるよりは、チャレンジしてから考えよう。そんな事を教えてくれる作品だと思います。この映画を観ると、原作を1話から読み直したくなると思うんですね。ものすごく細かい伏線や、つながりがあるので。映画を観て、さらに原作を読み直す。そんな楽しみ方をしていただきたいと思います。

    ――どうもありがとうございました!

    http://wwws.warnerbros.co.jp/uchukyodai-movie/

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